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白と茶色の毛の犬が草むらの中で伏せをしている
健康管理 / 病気
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2022.01.11

犬の組織球腫は自然に消える?かかりやすい犬種や治療法を解説【獣医師監修】

犬の疾患の1つ「組織球腫」を聞いたことがありますか?おそらく、実際に自分の犬が発症したという飼い主以外に、知っている方は少ないのではないでしょうか?組織球腫は犬特有の腫瘍の1つで、人や他の動物は発症しないのが特徴です。いったいどんな病気なのでしょうか?
ここでは、犬の組織球腫の初期症状、原因、治療法などについて詳しく解説していきます。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:ルエス 杏鈴/犬訓練士)

犬の組織球腫ってどんな病気?

白と茶色の毛の犬が組織球腫になり床に這いつくばっている

組織球腫とは3歳未満の犬に多く見られる細胞の腫瘍の1つで、ほとんどが良性だといわれています。顔などの皮膚にできることが多く、見た目はピンクのドーム状です。

また、不思議なことに数ヶ月で自然と消えてしまうことが多く、治療も必要ないケースが多いのが嬉しいポイント。

初期症状とチェック項目

頭部や脚の皮膚に赤いドーム状の腫瘍ができます。患部が赤くなったり、脱毛したりすることもあり、痛そうに見えますが、痛みは伴わない場合がほとんどで犬も気にした様子を見せません。

しかし、悪性腫瘍との見分けが難しいので、ドーム状の腫瘍を発見した場合は「組織球腫だから大丈夫」と安心せず、必ず動物病院で確認してもらうようにしましょう。

他の犬や人にうつる?

現時点では、犬の組織球腫は他の犬や人にはうつらないと考えられています。しかし、ウイルスが原因で他の犬に感染する可能性もあるとも考えられているので、小さな可能性として念頭に置いておきましょう。

ちなみに、組織球腫という疾患は犬の皮膚特有のもので、人や他の動物は発症しないのが特徴です。

犬が組織球腫になる原因とは?

クリーム色の毛の犬が顔を見上げている

犬の組織球腫は現在でも謎が多く、発症する原因はわかっていません。ここでは、組織球腫の原因に関する説やかかりやすい犬種や年齢についてご解説していきます。

ウイルス

犬の組織球腫はウイルスが原因で発症するという説もあり、これが本当であれば、他の犬に感染する可能性も否定できません。しかし、原因となる物質が発見されたわけではなく、ウイルスによる感染が認められた例もないので、ウイルスが原因だとまだまだ断定はできない状態です。

かかりやすい犬種や年齢は?

組織球腫は雑種よりも純血種の方が発症しやすく、その中でもダックスフントグレート・デーンコッカースパニエルボクサーが特にかかりやすい犬種です。発症する犬の50%が2歳未満で、他の腫瘍と違って若年齢に多く発症するのが特徴です。

犬の組織球腫の治療法

クリーム色の毛の犬に飼い主が皮膚に組織球腫の薬を塗っている

犬の組織球腫は数週間から3ヶ月で退縮するケースがほとんどで、治療を行わず経過観察を行う場合が多いです。しかし、組織球腫が大きくなって退縮しない場合は手術で切除する場合もあります。

治療にかかる費用

組織球腫の切除が必要になった場合は2~6万円程度の費用が必要になります。組織球腫は経過も良く、日帰りで手術できる場合が多いため、治療費も他の腫瘍と比べると低いのも嬉しいポイントですね。

犬の組織球腫の予防法

黒と茶色の毛の犬の体を撫でている飼い主

犬の組織球腫は原因がはっきりとわかっていないので、予防をすることが難しいです。そのため、日頃からボディタッチをしっかりと行い、しこりをいち早く発見することが大切です。

組織球腫は緊急性が低くく、治療しなくてもいい場合が多いのですが、組織球腫に似た腫瘍には早急な治療が必要な悪性腫瘍もあるので、しこりを見つけたら、必ず動物病院で受診するようにしましょう。

再発する可能性

組織球腫の中の持続性再発性組織球腫は、再発する可能性が比較的高いのが特徴です。しかし、ほとんどの場合は再発することもなく、経過もいいので、過剰に心配する必要はありません。

犬の組織球腫との向き合い方

黒と茶色の毛の犬が遠くを見つめている

犬の組織球腫は現在でも原因がはっきりとわかっておらず、予防も難しいです。しかし、発症しても特別な治療を必要としない場合が多く、何もしなくてもそのままなくなるケースがほとんです。そのため、緊急性も要せず、過剰に心配する必要はありません。

しかし、組織球腫に似た腫瘍には治療が必要な悪性腫瘍もあるので、必ず動物病院に受診し、自分で判断をしないようにしましょう。

参考文献
  • 更新日:

    2022.01.11

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。