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茶色と白の毛の犬がリードを引っ張って交通事故に遭いそうになる
健康管理 / 病気
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2021.12.22

犬が交通事故に遭ったときの対処法は?法律上の対応も【獣医師監修】

犬は屋外での散歩を必要とする以上、交通事故の危険性と常に隣り合わせです。しかし、万が一交通事故が起こってしまっても、対処法がわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、犬が交通事故に遭ってしまったときの対処法を手順に沿って解説していきます。犬の命を守るために、普段からできる交通事故対策についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:後藤 俊/ライター)

犬が交通事故に遭った場合の対処手順

茶色の毛の犬が飼い主と一緒に散歩をしている

飼い主の目の前で犬が交通事故に遭った場合、いち早い対応が生死を分けます。急なことではありますが、パニックにならず、犬のためにもまずは落ち着いた行動を心がけましょう。

手順に沿って対処法を解説していきます。

手順【1】周りの安全を確保する

ほとんどの場合、交通事故は道路上で起こります。連続的な事故を避けるためにも、轢かれた犬を路肩に寄せるなど、まずは周りの安全を確保しましょう。

その際に、飼い主さんがパニックになって道路へ飛び出さないように気をつけてください。事故の連鎖を防ぎましょう。

事故に遭った犬を抱きかかえる際の注意点

犬が痛みによって興奮し、飼い主に対して噛み付いたり引っ掻いたりしてくることがあります。タオルや着ている服で腕を守り、飼い主さん自身も怪我をしないように気をつけましょう。

手順【2】警察へ連絡

事故が発生したら速やかに警察へ連絡しましょう。後に保険を利用する際などに、事故証明書を必要とする場合があるからです。轢いた側の人が近くにいる際は、その人に警察への連絡や対応を頼んでも大丈夫です。

後に飼い主さんも警察へ事故状況を説明しなければいけないため、どのようにして事故が起こったのかを覚えておいてください。

手順【3】動物病院へ連れて行く

動物病院へ連れて行く際には、犬の体を強く揺すったり、体位を無理やり変えたりせず、慎重に運んであげてください。

移動までに時間がかかる場合は、その間に動物病院へ電話しましょう。

自己判断の応急処置はNG

自己判断で心臓マッサージや人工呼吸を行うのはやめましょう。適切でない応急処置は容態を悪化させることに繋がるからです。

応急処置をするよりも、その時間を使って早く動物病院へ連れて行った方が効果的な治療を行えます。

手順【4】獣医師に事故状況を伝える

動物病院へ連れて行った際や、電話で獣医師と話す際には、事故状況や犬の容態を伝えられるようにしておきましょう。落ち着いて状況を伝えることで、獣医師もスムーズに治療が行えるようになります。
主に以下のことを伝えられるとベストです。

  • 外傷があるか(出血が続いてるか、骨折がありそうかなど)
  • 呼吸がいつもより早いか、遅いか
  • 自力で動けているか
  • ぶつかった対象物(車や自転車など)
  • どのようにぶつかったか(タイヤに巻き込まれた、ドアにぶつかったなど)

犬が交通事故で怪我・死亡したら過失割合や慰謝料はどうなる?

白の毛の犬が飼い主と一緒に散歩をしている

歩道に車が突っ込んできたといったような、轢いた側に明らかな過失がある場合を除き、飼い主の管理不届きによる交通事故では過失が7~8割となるのが一般的です。

また、その場合は損害賠償金を請求したとしても、飼い主側の過失と相殺となり、賠償金はほとんど支払われないか、支払われたとしても少額になることがほとんどです。

慰謝料は請求できる?

慰謝料は人間が怪我・死亡した場合に請求できるものです。法律上、ペットは「物」として扱われているため、原則として慰謝料は認められていません

轢いた側に明らかな過失がある場合、慰謝料の支払いを認めることはありますが、数万円程度と少額であることがほとんどです。

加害者になることも

犬の飛び出しによって人が乗った自転車を倒し、怪我をさせてしまった場合、飼い主の過失は8~10割になります。

そういった事故によって犬が死亡してしまったとしても、高額な慰謝料を支払わなければいけなくなるケースは少なくありません。

犬の交通事故を防ぐための対策

白と茶色の毛の犬が飼い主と一緒に散歩をしている

犬の交通事故は普段の対策によって遭遇する確率をグッと減らすことができます。万が一の可能性を無くすためにも、ここで紹介する方法を日常生活に取り入れてみてください。

リードを必ず着用・定期的な交換をする

どんなに人馴れした犬であっても、少しの環境の変化で思いもよらない行動をとることがあります。「うちの犬は大丈夫」と過信せず、散歩の際には必ずリードをつけるようにしましょう。

また、リードは必ず劣化するものなので、状態を見ながら定期的な交換も行ってください。

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車内であっても同様

犬を車に乗せる際も、シートとリードを固定するようにしましょう。ドアを開けた際に飛び出してしまい、そのまま交通事故に繋がる危険があるからです。

夜間の散歩は蛍光グッズを身につけさせる

夜間の散歩で万が一リードが外れてしまっても、車に乗った人が犬の存在を目視できるように、蛍光グッズを身につけさせておきましょう。

反射板付きの服や、首輪に取り付けられるライトなどがおすすめです。

呼び戻しのしつけをしておく

犬は追いかけると余計に逃げてしまいます。そこで、もしリードが外れてしまっても、名前を呼ぶだけで戻ってくるようにしつけておきましょう。

おやつを使うとさらに呼び戻しがしやすくなるので、散歩中におやつを持ち歩いておくのも効果的です。

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犬の交通事故はいつ起こるかわからないからこそ対策を

茶色と白の毛の犬が飼い主と河川敷で散歩をしている

もし犬が交通事故に遭ってしまっても、パニックにならず、落ち着いて対処をするようにしましょう。飼い主さんの対応次第で、犬の命を救えるかどうかが変わってきます。

しかし、最も大切なのは普段から交通事故の対策をしておくことです。散歩中はリードを着けるのはもちろんのこと、万が一はずれても呼び戻せるようにしつけておきましょう。

愛犬の命を守れるのは飼い主さんだけだということを理解し、普段から交通事故に巻き込まれないための生活を心がけてください。

  • 更新日:

    2021.12.22

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。