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黒い毛の犬の瞳のアップ
健康管理 / 病気
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2021.12.09

犬の硬化症とは?愛犬の瞳が白く見えるのは白内障だけじゃない!

犬が年を取ってくると、瞳が白く見えるようになることがあります。そんな犬の眼を見ると、「白内障が始まった」と思う方も多いのではないでしょうか。実は、犬の瞳が白く見えるのは白内障に限ったことではありません。白内障と同じように、瞳が白く見える「核硬化症」という病気があることをご存知ですか?
今回は、犬の核硬化症の初期症状、原因、かかりやすい年齢、治療法などについて詳しく解説します。

文:西村 百合子/ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士

犬の核硬化症ってどんな病気?

黒の毛の犬が獣医師に核硬化症かどうかの診察を受けている

犬の瞳が、青みを帯びて白く見えるようになったら、それは核硬化症かもしれません。

初期症状とチェック項目

核硬化症は、犬の瞳の中心部分にある水晶体が白く見えるようになる症状です。一見すると白内障とよく似ているため、間違えることも多くあります。

白内障との違いは、水晶体の変性によって瞳が白濁する白内障に対し、核硬化症では水晶体の繊維が圧縮されることによって青白く見えるようになるところ。

また、白内障では急速に瞳が白濁し、進行すると視覚障害や炎症などの症状が現れますが、核硬化症では視覚に影響はありません。

しかし、白内障と核硬化症の区別は素人では判断しにくいため、以下に挙げる白内障の初期症状をチェックして、白内障が疑われる場合は、すぐに動物病院で治療を受けることが大切です。

白内障のチェック項目【1】視力障害はあるか?

白内障の初期段階では、暗くなると見えにくくなる症状が現れます。そのため、薄暗い中で物や家具にぶつかる、歩きたがらないなどの症状や夕方や夜の散歩に行きたがらないなどの症状がある場合は白内障を疑います。

白内障のチェック項目【2】瞳全体が白濁していないか

白内障は、進行とともに瞳全体が真っ白になってきます。また、炎症がある場合には、目をつぶることが増えたり、白目部分が充血するなどの症状が現れます。この状態では痛みを伴うことが多いため、すぐに犬の眼科専門病院を受診することがおすすめです。

なお、さらに炎症が進行すると、緑内障に移行することがあるため注意が必要です。

他の犬や人にうつる?

核硬化症は加齢によって発症するため、感染症ではありません。そのため、他の犬や人にうつることもありません。

犬が核硬化症になる原因は

茶色と白の毛の犬が口を開け遠くを見つめている

白内障とは異なり、犬が核硬化症になる原因は一つです。

原因は加齢によるもの

犬が核硬化症を発症する原因は加齢によるもの。核硬化症は、加齢とともに水晶体の核が圧縮され固くなる病気のため、視力障害などを併発することはありません。

かかりやすい犬種や年齢は?

白内障ではかかりやすい犬種がありますが、核硬化症は全ての犬種に発症する可能性があります。多くの犬が5~6歳ぐらいになると、水晶体の老化によって核硬化症を発症するとされています。

犬の核硬化症の治療法

黒と白の毛の犬が獣医師に核硬化症かどうか目を検査をしてもらっている

核硬化症は、老化現象の一つでもありこれによって視力が失われることもないため、特別な治療法はありません。ただし、白内障と区別がつきにくいため、瞳が白く見えるようになったら動物病院で検査をしてもらうことがおすすめです。

治療にかかる費用

特に治療の必要がない核硬化症ですが、白内障が疑われる場合には、瞳孔を開く薬を使う眼底検査や、目の内部を見るスリットランプ検査、眼圧測定、超音波検査などの専門的な検査を行います。

また、糖尿病を発症していないかなど全身の病気を確認するための血液検査を行う場合もあります。検査内容によって費用は異なりますが、2万円~5万円程度と考えておきましょう。

犬の核硬化症の予防法

こげ茶色の毛の犬が核硬化症の目薬をさしてもらっている

老化によって発症する核硬化症には、目薬をさすなどの決め手となる予防法はありません。しかし、白内障の併発を防ぐために早期発見が大切です。

犬の核硬化症の予防に亜鉛が有効?

亜鉛は、犬に欠かせない微量必須ミネラルの一つです。亜鉛は、犬の体内でのたんぱく質や炭水化物の代謝や酵素機能、細胞の複製などに関わる栄養素。また、ビタミンAを運搬するのに不可欠で、皮膚や被毛の健康維持に役立つ栄養素としても知られています。

この亜鉛を摂取することで、核硬化症が改善されたという症例が報告されています。現代の犬は、慢性的な亜鉛不足となりやすいため、サプリメントなどで亜鉛を摂取することも核硬化症の予防法として有効となる可能性が考えられます。

犬の核硬化症との向き合い方

ベージュと黒の毛の犬が飼い主に頬を撫でられている

核硬化症と白内障の違いは瞳の透明感だと言われますが、一般の飼い主にはわかりにくいもの。
目安は、瞳全体が真っ白く濁ったように見える場合は白内障、核硬化症の場合は、瞳が青みがかった白色に見え濁ってはいないことが特徴です。
核硬化症は加齢によって発症するため、治療対象にはなりませんが、白内障などへ進展しないように、定期的な検査を受けることがおすすめです。
まずは、愛犬の瞳の色に変化がないか、こまめに気を配ってあげることが大切です。

参考文献
  • 更新日:

    2021.12.09

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ライター・専門家プロフィール
  • 西村 百合子
  • ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士
  • ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。 現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。