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薄く雪の積もる芝生の上で飼い主の足元で後ろ足がよろけるジャックラッセルテリア犬
健康管理 / 病気
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2021.11.19

犬の後ろ足がよろける原因は?考えられる病気と対処法【獣医師監修】

愛犬の歩き方がおかしく後ろ足がよろけるときは、何らかの病気が隠れている場合があります。そのため、早い段階で対処してあげることが大切です。
後ろ足がよろける原因や考えられる病気、適切な対処法を理解しておきましょう。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子/動物ライター)

犬の後ろ足がよろける場合に考えられる原因3つ

芝生の上を走るジャックラッセルテリア犬

愛犬の歩き方が不自然で後ろ足がよろける場合は、適切に対処してあげる必要があります。そのためには、何が原因として考えられるのかをまずは知っておきましょう。

考えられる原因【1】老化

老化により骨・筋肉・関節などの身体運動にかかわる運動器が衰え、しっかりと踏ん張れなくなることで後ろ足がよろけることあります。

犬の老化現象は後ろ足の衰えから始まることが多いと言われているので、普段から愛犬の様子を観察することを心がけ、異変に早く気づけるようにすることが大切です。

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考えられる原因【2】病気が関係している

脊椎・脊髄疾患や脳疾患、関節疾患などが原因であることも考えられます。後ろ足がよろける以外に異変がないかも確認しましょう。

考えられる原因【3】怪我

ドッグランや室内で遊んでいるときに転倒したり、勢いあまって壁にぶつかったりした際に、後ろ足が打撲や脱臼、骨折などをしてよろけているのかもしれません。

出血や腫れ、足を触ると「キャン」と痛がって鳴くなどの様子も見られる場合は、足を痛めている可能性が高いので動物病院を受診しましょう。

犬の後ろ足がよろける場合に考えられる病気3つ

緑色の芝生の上で飼い主の手を見つめるジャックラッセルテリア犬

病気が原因で後ろ足がよろける場合、他の症状が見られることも多くあります。どのような病気の可能性があるのか解説していきます。

併発する症状|足先を地面に擦って歩く

足先を地面に擦って歩く症状も見られる場合は、椎間板ヘルニアが疑われます。神経麻痺の症状が出始めていることで、軽度の歩行異常が見られます。

考えられる病気|椎間板ヘルニア

脊椎と脊椎の間には、クッションのような役割を果たす椎間板があります。椎間板ヘルニアは、この椎間板が飛び出して脊髄(神経の束)を圧迫し、痛みや麻痺などの症状を引き起こす病気です。

症状の進行度によって1(最も軽度)から5(最も重度)のグレードに分類されます。初期は痛みにより抱こうとすると「キャン」と鳴くなどの症状ですが、グレード2の段階になると後ろ足がよろける症状が見られます。

原因は大きく分けて、加齢によるものと遺伝的要因によるものです。加齢が原因の場合は全ての犬種に起こり得ますが、なかでもマルチーズやヨークシャーテリア、ミニチュアシュナウザー、ゴールデンレトリバーなどがなりやすいと言われています。

遺伝的要因で発症しやすい犬種は、ダックスフンド、ウェルシュコーギー、シーズー、ペキニーズ、ビーグルなどです。

日常的に大きな段差の昇り降りをさせない、カーペットなどを床に敷いて滑りにくくする、肥満にさせないなどが予防につながります。

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併発する症状|反応が鈍くぼーっとすることが増えた

名前を呼んでも反応が鈍く、ぼーっとすることが増えた場合は、脳の疾患を抱えている可能性があります。

脳のどの部分に異常があるかで症状は異なりますが、つまずく、一定方向に傾いて歩く、段差を昇りたがらない、震えなど、歩き方や様子の変化が見られるのがよくある症状です。

考えられる病気|脳腫瘍

脳腫瘍の原因は明確にわかっていせん。高齢での発症が多い傾向にあり、フレンチブルドッグやボストンテリア、ボクサー、ゴールデンレトリバーが好発犬種として挙げられます。

残念ながら予防法は確立されていないので、症状の早期発見・早期治療が重要です。

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併発する症状|散歩を嫌がる・座りたがる

大好きなはずの散歩を嫌がる、座りたがる、段差を避ける、長い距離を歩けないなどの症状も併発しているときは、股関節形成不全が疑われます。

考えられる病気|股関節形成不全

股関節形成不全は、股関節の形成に異常が生じて関節の噛み合わせが浅くなり炎症などを引き起こす病気です。

原因は約7割が遺伝的要因、残りの約3割が環境要因で、成長期における過度な運動や偏った食事などが関与しています。症状は生後5~12ヶ月齢に見られることが多く、大型犬の発症率が高い傾向にあります。

予防には、適切な食事と運動、適正体重の維持、床を滑りにくくするなどが有用です。

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犬の後ろ足がよろけるときに必要な対処法とは

芝生の上を走り回るジャックラッセルテリア犬

症状を悪化させないために、ここでは愛犬の後ろ足がよろけるときの対処法を解説します。

対処法【1】適度な運動やサプリメントで足の健康を維持

老化が原因の場合は、運動器の衰えをできるだけ防ぐために、愛犬の無理のない範囲で運動をさせることが大切です。足がよろるようになると歩くのが億劫になりがちですが、だからといって身体を動かさないとますます筋力が衰え、歩くのがつらくなってしまいます。

また、骨や軟骨の形成に欠かせないコラーゲンの産生が加齢に伴って減ってくるので、関節の健康維持に有用なコラーゲンやグルコサミン、コンドロイチンなどが含まれたサプリメントを摂取するのもよいでしょう。

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対処法【2】ケージに入れて安静にさせる

後ろ足がよろける状態で室内を動き回ると、どこがにぶつかったり転んだりして怪我をするかもしれないので、ケージに入れて安静にさせましょう。

対処法【3】速やかに動物病院を受診する

怪我や病気が疑われる場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。もう少し様子を見ても大丈夫だろうと思ってそのままにしていると、症状が進行して歩けない状態になることもあるからです。歩き方がおかしいと感じたら、早めに診察を受けましょう。

愛犬の後ろ足がよろける症状が見られる場合は早めに対処を!

砂利道を歩く黒い犬

病気が原因の場合、最初は後ろ足がよろける程度の症状であっても、治療のスタートが遅れると症状が進行し、自力での歩行や排泄が困難になってしまうこともあります。歩き方がおかしいと感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。

また、高齢になると後ろ足から老化が始まることが多いと言われています。運動器の衰えを防いで愛犬がいつまでも元気に過ごせるよう、運動の習慣を続けるように心がけましょう。

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  • 更新日:

    2021.11.19

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。