犬のお腹が痛い原因として考えられるものは、病気や誤飲などがあります。原因によっては死に繋がる可能性があるものもあり、気をつけなければなりません。
胃の中が空気や液体、食べ物などでいっぱいになったり、胃の入り口と出口がねじれてしまったりすると、お腹が痛い症状がみられることがあります。
胃拡張捻転症候群と呼ばれ、すぐに受診をして処置をしてもらわないと、死に繋がる可能性があります。
内臓臓器に炎症が起きると、犬はお腹を痛がることがあります。内臓と一口に言っても膵炎や胆のう炎、肝炎など幅広くありますが、特に膵炎や胆のう炎は犬の病気として増えているようです。
程度がひどかったり、長期にわたってしまうと命の危険に繋がる可能性があります。
犬はおもちゃなどの食べ物でないものを間違って飲み込んでしまうことがあります。間違って飲み込んでしまったことに気が付かず、胃を通り越えて腸まで達すると、腸閉塞が起こり、お腹が痛い症状や吐く症状がみられます。
適切なタイミングで受診および処置をしてもらうことをおすすめします。
犬のお腹が痛い場合に考えられる病気は主に4つ挙げられます。
お腹の痛みの症状とともに、吐き気や元気がないなどの症状や、特にお腹の前の方が膨れている場合には、胃に問題が起きていることが考えられます。
胃拡張や胃捻転は、グレートデンやシェパード、ゴールデンレトリバーなど胸の深い大型犬に多くみられる病気です。
加齢で胃を支える靭帯が緩んでくることや、食べ物や飲み物を急いで摂取してしまうこと、食べた後すぐ遊びたがることなどにより、空気を一緒に飲み込んでしまうことが原因と考えられています。
胃が膨らんで血液の流れが悪くなると、ショック状態になったり胃の壁が壊死したりと命にかかわる重大な病気です。
食事を3回に分けたり、食事の前後で遊ぶのを控えたりすることが予防につながると言われています。
お腹が痛いときの症状とともに、嘔吐や発熱などの症状が見られることがあります。脂肪分が多い食べ物をたくさん食べた後にこれらの症状が見られた時には、下記の病気の可能性が考えられます。
急性膵炎は突然起こる病気で、はっきりした原因はわかっていません。膵臓には消化酵素を分泌する働きがあり、それがうまく行われなくなり膵臓組織を自己消化してしまうのが膵炎です。
中年から老年の肥満傾向がある犬に見られやすいほか、遺伝的に脂質代謝異常があるミニチュアシュナウザーなどにもよく見られます。
主に食事を止めて膵臓を休ませる治療をしますが、改善が見られないときには輸血が必要になることもあります。珍しい病気ではありませんが、悪化すると命の危険があり、再発や慢性化もしやすい病気です。
人間と同じ食事を与えることはせず、脂肪分に気を付けてフードをあげることが予防につながります。
犬が膵炎を起こしお腹が痛いときには、前足を伸ばして胸を床につけたような祈りのポーズを示すことがあるようです。このようなときには注意してみましょう。
お腹が痛い以外の症状に加えて、上記の症状が見られるときには、胆嚢粘液嚢腫という重大な病気の可能性があります。
胆嚢粘液嚢腫は、胆汁をためる胆嚢という袋にゼリー状の物質が溜まる病気です。進行すると胆嚢炎(たんのうえん)や胆嚢破裂(たんのうはれつ)などの重篤な病気を併発します。
胆嚢粘液嚢腫は無症状の期間が長く、症状が見られ始めたころには重症化していることが多い病気です。中年から高齢犬でよく見られ、またシェットランドシープドックやミニチュアシュナウザー、アメリカンコッカスパニエル、チワワなどが好発犬種として挙げられます。
症状が見られた時には重症化していることが多いため、外科的な手術が必要になりますが、リスクの高い手術になるようです。
犬のお腹が痛いときの症状に加えて、激しく何度も吐いたり便秘になっていたりする場合は、腸に何か詰まってしまっていることが考えられます。
犬は、食べ物ではないものを間違って飲み込んでしまうことがあります。木やプラスチック、ボールなど、消化されないものが胃を通り越えて腸で詰まって起こるのが腸閉塞です。そのほか腫瘍が原因のこともあります。
激しい痛みにより背中を丸くするようなしぐさをするときには、すでに状況が進んで腸に穴が開いて出血していることも考えられ、危険な状態です。
犬の周りには危険なものは置かないようにしたり、何かくわえたりしていないかよく観察しておくことが予防につながりますよ。
言葉で訴えられない犬が、お腹を痛がるようなポーズやしぐさをするときには、診断や治療が必要な状態かもしれません。
犬がお腹を痛がっているときには、すでに症状が重くなっていたり、重大な病気だったりする可能性が高いです。外科的な治療が必要になることもあり、できるだけ早く正確に処置しないと命にかかわることもあるため、症状が見られた時にはまず受診してください。
言葉で何かを訴えられない犬のお腹が痛いときの症状は、見分けるのが難しいです。おかしなポーズをとっていたり、吐いたり元気がないなどの症状が同時に見られるときには、早めに受診してあげましょう。
また食事や環境で予防できることもあるため、日ごろから気を付けることも大切です。