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舌を出して呼吸する犬
健康管理 / 病気
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2021.11.25

【獣医師監修】犬が過呼吸になる原因とは?考えられる病気や予防法をご紹介

飼っている犬が「普段の呼吸よりも回数が多い」「なんだか呼吸が早い気がする…」と感じた経験はないでしょうか。犬が普段と違い、ゼーゼーと苦しそうな呼吸をしているときはどんな原因があるのか心配になりますよね。何らかの病気が潜んでいることがあるため、早期発見がとても大切です。
今回は犬が過呼吸になってしまう原因と予防法についてご紹介します。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:つちや りょうこ/ドッグライター)

犬の過呼吸ってどんな病気?

動物病院で診察を受けるポメラニアン犬

犬の正常な呼吸数は小型犬で毎分25回程度、大型犬で毎分15回程度です。平常時の呼吸数が毎分35回を超えており、犬が苦しそうに荒く速い呼吸をしているときが過呼吸の状態と言えます。

初期症状とチェック項目

口を開けてハァハァと呼吸をしている場合や、荒く苦しそうな呼吸をしている場合は過呼吸の可能性があります。普段の呼吸と違うときは体に異常が起きているサインかもしれません。

平常時の呼吸の仕方や回数などと違う様子が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。

他の犬や人にうつる?

過呼吸は何らかの病気が原因で引き起こされるので、他の犬や人にはうつりません。

犬が過呼吸になる原因4つ

舌を出して呼吸するパグ犬

犬が過呼吸になる原因の病気をまとめました。参考にしてみてください。

原因【1】気管虚脱

気管虚脱は筒状である気官がつぶれてしまい、空気の通り道が狭くなることで呼吸が苦しくなる症状です。ガーガーという呼吸音が特徴で、他にもゼーゼーと鳴く喘鳴音や咳なども引き起こします。

症状が軽い場合は涼しい場所で安静にして様子を見ましょう。口の中の粘膜や舌が紫色になるチアノーゼが見られたら、早急に診察を受けてください。

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原因【2】軟口蓋過長症

上あごの奥にある軟口蓋が正常よりも長く伸び、息を吸う際に気道を塞いでしまうため、ガーガーといった呼吸音がします。

短頭種に多く見られる病気で、先天的なものが原因です。重症になると興奮時に呼吸困難になったりチアノーゼを起こしたりします。

原因【3】気管支炎・肺炎

ウイルスや細菌に感染して起こる気管支炎肺炎の症状が原因で、浅くて速い呼吸や胸を大きく動かす呼吸をすることがあります。特に子犬や老犬は重症化する可能性もあるので注意が必要です。

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原因【4】犬糸状虫症

蚊が媒介して感染する犬糸状虫症(フィラリア症)は、心臓や血管に虫が寄生することにより、肺と心臓の間の循環が上手くいかなくなることで肺の機能が滞り、呼吸困難に陥ることがあります。予防のために、予防薬の定期的な投与は欠かせません。

予防をせずにいて症状が見られた場合はフィラリア症に感染していて病気が進んでいる可能性が高いので早急に動物病院を受診しましょう。

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かかりやすい犬種や年齢は?

年齢に関わらず、トイプードルやチワワなどのトイ犬種やミニチュア犬種は気管虚脱になりやすいと言われています。パグやブルドックなどの短頭種も軟口蓋過長症になりやすいため、過呼吸を引き起こしやすく、注意が必要です。

犬の過呼吸の治療法

過呼吸のためマスクを獣医師につけられた犬

過呼吸はさまざまな病気が原因となって引き起こされます。根本となる病気を治療することが過呼吸を防ぐことに繋がります。

治療にかかる費用

治療費用は、動物病院によって様々です。

肺炎や気管支炎や軽度の気管虚脱などは内科治療で症状が緩和される可能性が高いですが、気管虚脱や軟口蓋過長は程度によっては外科的な処置が必要になります。その場合は呼吸器に特化した病院にかかる必要があり、高額になる可能性があります。

気管虚脱や軟口蓋過長が判明した場合、かかりつけの先生ではどのような治療方針になるのか、外科的な処置が必要な場合行ってもらえるのか、また費用はどのくらいになるのかなど、相談してみると安心です。

犬の過呼吸の予防法

動物病院で獣医師の診察を受ける柴犬

先天性の病気は残念ながら予防法はありません。そのため、症状が見られたときには治療を検討しましょう。

再発する可能性

治療をしても再び過呼吸を引き起こしている場合は、その様子の動画を撮影しておき動物病院の獣医師に相談しましょう。

気管が潰れる気管虚脱は、原因がはっきりと分かっていないため予防が難しい病気ですが、外科治療を行うと再発の可能性は少なく、根治を目指せます。

生まれつき喉元が狭い軟口蓋過長症は、軟口蓋の切除を行っても場合によっては再び伸びる可能性があります。

犬の過呼吸との向き合い方

舌を出して呼吸する黒い犬

過呼吸かどうか判断するためには、平常時の呼吸の仕方や回数をチェックしておくことが大切です。

呼吸の異常は病気の兆候である場合が多いため、獣医師に具体的な症状を伝えられるようにしておきましょう。いつもの呼吸と違ったら早めに病院を受診してくださいね。

  • 公開日:

    2021.11.04

  • 更新日:

    2021.11.25

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。