
テチチとは西暦900~1168年ごろの間、古代メキシコのトルテック族によって飼育されていたとされる犬種です。
現代ではすでに絶滅していますが、その血はチワワに受け継がれているのではないかといわれています。
古代には写真の技術がなかったため、見た目の詳細特徴については断定できませんが、見た目を予想できるようなテチチに関する遺物がいくつか発見されています。
遺物からは下記ような特徴が見られるほか、性格については「吠えない犬」とされていることから、大人しかったと考えられています。
テチチの特徴
古代では犬を食料とする文化があったため、テチチは食用犬として飼育されていました。一方で、狩猟の際には一緒に連れて行くなど、猟犬としても活躍していたと考えられています。
トルテック族はテチチが未来を見たり、亡くなった人の魂を冥界に導いてくれる存在だと考えていました。
そのため、人が亡くなった場合はテチチも一緒に埋葬していたといわれています。生贄のような役割を持ち、古代のお墓からは人骨と一緒にテチチの骨も発掘されています。
現代からすると少しショッキングな話ですが、当時の人々にとってはそれだけテチチが神聖な存在だったということです。

テチチはチワワの見た目とよく似ていることから、チワワの祖先だと考えられています。
2013年に発表されたスウェーデンにある工科大学の研究チームの調査(※1)では、チワワのDNAの70%が古代メキシコの犬種に由来としていると結論づけています。
テチチだと断定しているわけではありませんが、テチチも古代メキシコの犬種であるため、繋がりがあると予想できるでしょう。
また、チワワはメキシコを原産国とする犬種であることからも、祖先がテチチがいたとしても自然なことだといえます。
チワワのDNAの残り約30%の由来については、米国外の犬種であること以外の詳細は不明となっています。チワワは品種改良によって誕生した犬種であるため、テチチだけが祖先とは断定できないのが現状です。
あくまで、テチチはチワワの祖先の一種として考えておくといいでしょう。

チワワが誕生するにあたり、テチチと交配した可能性がある犬種がいくつか報告されています。チワワの祖先として確定的な根拠は無いものの、それぞれどんな犬種なのかを紹介していきます。

チャイニーズ・クレステッド・ドッグとは、無毛で見た目がチワワに似ている小型犬です。中国の探検家や商人が南米に持ち込み、テチチと交配したことでチワワが誕生したのではないかといわれています。
名前に「チャイニーズ」とあることから原産国が中国だと思われがちですが、原産国については諸説あり、中には原産国がテチチと同じ古代メキシコだと主張するものもあります。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグも古代メキシコ人によって食用として飼育されていた歴史を持ち、テチチとの関連性が指摘されている犬種です。

ショロイツクインツレとは、紀元前から存在しているメキシコ原産の古代犬種です。テチチが存在した時期と同時期にメキシコにいたことからも、テチチとの交配があったのではないかと考えられています。
無毛で立ち耳、細長い足といった見た目はチワワを彷彿とさせます。さらに、古代のショロイツクインツレは、テチチと同様に死者の魂を冥界へ導く存在だとされていました。
こういった、チワワやテチチとの様々な共通点からも、チワワの祖先に関わりがあるのではないかといわれています。
マルチーズ・ポケット・ドッグとは、マルタ共和国を原産とする犬種です。すでに絶滅しており、直接姿を確認することはできませんが、1400年代のフレスコ画などに登場するその姿はチワワにそっくりなことで知られています。
そんなマルチーズ・ポケット・ドッグはスペイン人によって南米に持ち込まれ、テチチとの交配があったのではないかと考えられています。

チワワの祖先は1600年代頃まで存在していた、テチチという犬種なのではないかといわれていますが、その詳細はまだ謎に包まれています。
しかし、見た目の特徴が似ていることや、遺伝子研究の結果からもテチチを祖先とするのはほぼ間違いないように感じます。
テチチ以外にも祖先としての関係が予想される犬種が報告されているため、これからの研究で謎が明らかになっていくことを期待しましょう。