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犬種図鑑
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2021.11.02

日本テリアは超希少な犬?ルーツから飼い方まで|犬種図鑑

日本原産の犬種といえば、柴犬や秋田犬などがすぐに思い浮かぶと思いますが、日本テリアという犬種もいるのをご存知でしょうか?日本テリアは長い歴史があるものの頭数が非常に少ないので、容姿や特徴をよく知らないという方もいるのではないかと思います。
そこで今回は、日本テリアの歴史や外見・性格の特徴、しつけのポイント、かかりやすい病気などの基本情報をまとめてご紹介します。

文:新井 絵美子/動物ライター

日本テリアの誕生の歴史・ルーツ

日本の犬の種類

日本テリアは一体どんな犬なのか、まずは誕生の歴史などから見ていきましょう。

名前のルーツ

日本テリアの犬種名は、日本が原産であることに由来して名付けられています。しかし、昔から日本にいた土着犬ではなく、欧米から持ち込まれたテリア種と日本在来の小型犬を交配して誕生した犬種です。また、神戸で品種改良されたことに由来し、「神戸テリア」と呼ばれることもあります。

活躍の歴史

日本テリアの歴史は、1700年代頃まで遡ります。当時、ヨーロッパで人気を集めていたスムースフォックステリアに容姿が似ていることから、この犬種が日本に持ち込まれ、日本テリアのルーツになったと考えられています。この頃は、貿易船内の食品を守るために、ネズミを捕る役目を果たしていたようです。

のちに愛玩犬として改良されていき、昭和になってから日本テリアの繁殖が盛んに行われるようになりましたが、2度にわたる大戦の影響で頭数が激減してしまいます。戦後、再び育種・繁殖されましたが洋犬の人気が高まり、以前ほどの人気を取り戻すことはできませんでした。現在も頭数が少なく、絶滅が危ぶまれています。

分類される犬種グループ

純血犬種の登録などを行っているジャパンケネルクラブの犬種グループの中で、日本テリアが分類されているグループは、「第3グループ:テリア」です。小動物の狩りをする犬として活躍していた犬種たちが、このグループに分けられています。

日本テリアの外見の特徴

日本原産の犬ではあるものの、柴犬のようにメジャーではないため、どんな容姿なのかピンとこない人も多いかと思います。ここでは、日本テリアのサイズや被毛についてなど、外見の特徴をご紹介します。

適正体重・標準体高

  • 平均体重:4~5kg
  • 平均体高:30~33cm

筋肉がよく締まったスリムな体型をしています。生まれて間もないうちに第3、4尾椎骨あたりで断尾することが犬種標準(断尾が禁止されている国は除く)となっているので尻尾が短いです。

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ここがチャームポイント

日本テリアのチャームポイントは、テリア種らしい元気いっぱいなところと、愛玩犬らしい甘えん坊なところの両方を持ち合わせているところです。また、小型犬ならではのかわいさがありますが、凛々しさが感じられるところも魅力の1つです。

被毛の特徴

コートのタイプやお手入れ方法などについて見ていきましょう。

コートタイプ

艶やかで滑らかな手触りの毛質をしています。毛の長さが2mm程度と非常に短く、皮膚に密着しているような被毛です。毛が短いと生え変わるサイクルが早いので、抜け毛はそれなりに生じます。

代表(標準)毛色

毛色は、頭部がブラック、ホワイト、タン(黄褐色)の3種類で、ボディはホワイトがベースです。ボディにブラックやタンのマーキングが入るのも認められています。

お手入れ方法と注意点

毛が短くトリミングの必要もないので、被毛のお手入れはそれほどかかりません。3日に1回くらい、ラバーブラシでブラッシングをしてあげましょう。ブラッシングには、抜け毛を取り除く以外にマッサージの効果もあるので、血行が促進され皮膚の健康維持にもつながります。

散歩などで被毛が汚れたときは、水やぬるま湯に濡らして固く絞ったタオルで拭いてあげればきれいになりますが、月に1回はシャンプーをするようにしましょう。

日本テリアの性格の特徴

テリア種は、獲物に臆さないで狩りができる性格であることも重視して生み出された犬種なので、気が強い気質を持っています。しかし、日本テリアは愛玩犬として改良されたせいか、テリア種ならではの気の強さは色濃く見られません。では、どんな性格の特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。

明るく活発な性格

遊ぶことが大好きな活発な性格です。明るく愛玩犬らしい人懐っこさがあり、飼い主に愛情深く接してくれます。甘え上手で飼い主に構ってもらったり、一緒に寝たりすることを好みます。

警戒心が強く、ときに臆病になることも

知らない人や他の犬には人見知りすることもあります。とはいえ、自分から攻撃的な態度を取るようなことはなく、慣れれば友好的に接することができます。

また、警戒心が強い一面があるのも特徴です。そのため、知らない場所などでは、臆病になってしまうこともあります。

こんなしつけが必要

日本テリアの性格を踏まえ、以下のしつけを行うようにしましょう。

子犬のうちから社会性を身につけさせる

神経質で過度に警戒心が強い性格になってしまうと、問題行動を起こしやすくなります。そのため、子犬のうちから家族以外の人や他の犬、家の外の環境などに慣れさせ、社会性を育んであげましょう。

犬も人間と同様、年齢が若ければ若いほどさまざまなことに適応しやすく、子犬期のなかでも生後3週齢~生後3ヶ月の社会化期は、まだそれほど警戒心が芽生えていません。社会化期の過ごし方は、将来の性格形成に大きく影響するので、特にこの時期にさまざまな経験をさせることが非常に大切です。

理解しやすいように的確に指示を出す

日本テリアは気の強さも頑固さも少なく、しつけはそこまで苦労しないほうだと言われています。飼い主の意図することを理解できる賢さも持っているので、的確に指示を出し、一貫した態度でしつけをすれば、教えたことを覚えてくれるはずです。

日本テリアの平均寿命と気をつけたい病気

動物病院

ここでは、日本テリアの平均寿命と気をつけたい病気について見ていきましょう。

平均寿命

日本テリアの平均寿命は、12~14歳ぐらいと言われています。小型犬の平均寿命が14歳程度(※1)なので、長生きすることが期待できるでしょう。寿命は食事や運動、生活環境にも大きく左右されるので、しっかりと健康管理をすることが大切です。

気をつけたい病気

頭数が非常に少ないので、かかりやすい病気に関して明確にわかっていません。そのため、一般的に小型犬がかかりやすいと言われている、以下の病気に気をつけたほうがよいと言われています。

関節疾患

股関節形成不全などをはじめとした関節疾患に注意が必要です。過度にジャンプ運動をさせない、段差が大きい場所を日常的に歩かせない、体重管理をして適正体重をキープするなど、関節に負担がかからないようにして予防しましょう。

大好きだったはずの運動をしなくなったり、足を引きずるようにして歩くようになったりなどの様子が見られたら、関節に炎症を起こしている可能性があるので動物病院を受診しましょう。

水晶体脱臼

水晶体脱臼はその名の通り、水晶体が正常な位置から外れてしまう眼疾患です。遺伝的にテリア種がかかりやすい病気と言われているので、日本テリアも気をつけておきたいところです。

発症すると角膜の白濁や炎症、目の充血などの症状が見られます。水晶体脱臼により緑内障や網膜剥離などを引き起こす恐れもあるため、目の状態がおかしいと感じたら、速やかに動物病院へ連れて行きましょう。

日本テリアは希少性が高く入手が難しい犬種

日本テリアは希少性が高く、2019年度におけるJKCへの登録数は57頭だけです。育てたことがあるという人も決して多くはないので、実際の性格の特徴やかかりやすい病気など、具体的な情報がまだまだ少ないのが現状です。日本テリアを迎えたい場合は専門ブリーダーを探し、特質などをよく確認するようにしましょう。

参考文献
  • 更新日:

    2021.11.02

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ライター・専門家プロフィール
  • 新井 絵美子
  • 動物ライター
  • 2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。 過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。