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毛の弱ったクリーム色の犬
健康管理 / 病気
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2021.10.25

【獣医師監修】犬の毛がハゲるのはなぜ?脱毛の原因と考えられる病気

「いつの間にか愛犬の毛がハゲていた!」なんて経験をしたことはありませんか?犬の毛がいきなり抜ける原因は、生理現象の他に、恐ろしい病気のサインという可能性もあります。
本記事では、犬の毛が抜ける原因と、考えられる病気について紹介していきます。すでに愛犬の毛がハゲているように感じる方は、病気の早期発見ができるように、ぜひ参考にしてみてください。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:後藤 俊/ライター)

病気以外で犬の毛が抜ける原因

獣医師の膝の上に抱えられた毛の弱った茶色いミニチュアダックスフンド犬

なぜ犬の毛は抜けるのでしょうか。まずは病気以外に考えられる原因を解説していくので、毛がハゲているのを発見した際に、心当たりとなる項目がないかをチェックしてみてください。

換毛期

犬は年に2回、春と秋に換毛期を迎えます。換毛期とは、季節に合わせて被毛が生え変わる時期の名称です。

換毛期の最中は抜け毛が多く、毛並みにもムラができることから、ハゲているように見えてしまうことがあります。しかし、換毛期は自然に発生するものなので、病気を心配する必要はありません。

ストレス

犬は過度なストレスを感じた際に自分の体を引っ掻いたりするため、毛が抜けてしまうことがあります。足や太ももを引っ掻いたり、噛んでいるようであれば注意が必要です。

ストレスを与える原因になっているものを取り除いてあげましょう。

栄養不足

犬の被毛には亜鉛やビタミン、タンパク質といった栄養素が必要になります。それらの栄養素が足りていないと被毛が上手く成長せず、結果的にハゲているような状態になることがあります。

偏った食生活をさせている場合は注意が必要です。

老化

犬も人間と同じように、歳を重ねるほど薄毛になっていくことがあります。老化することで、新陳代謝が落ちたり、ホルモン機能が低下してしまうからです。

しかし、抜け毛の原因を老化だと思い込み、放っておくいたら実は病気だったということもあるため、注意が必要です。

犬の毛がハゲているときに考えられる病気

皮膚炎を起こしてお腹が赤くただれた白いトイプードル犬

犬の毛がハゲているのを発見した際に考えられる病気を紹介していきます。症状についても解説していくので、愛犬の状態に当てはまっていないかを確認してみてください。

犬の膿皮症

膿皮症(のうひしょう)とは、犬の皮膚に常在しているブドウ球菌と呼ばれる菌が、犬の免疫機能の低下などで異常に増殖し発症する皮膚病です。主に赤みやかゆみといった症状が現れます。

また、犬が発症している箇所を掻いたり噛んだりしてしまうことで、ハゲたような状態になってしまいます。犬種に関わらず発症する可能性のある病気なので、日頃から犬の行動ををよく観察しておきましょう。

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犬の毛包虫症

毛包虫症(もうほうちゅうしょう)とは、ニキビダニやアカラスとも言われる寄生虫が原因で、健康な犬の皮膚にも見られるこの寄生虫が毛穴で異常増殖することで発症する皮膚炎です。主な症状として、目や口、足の周りの毛がハゲることが挙げられます。

かゆみや炎症はほとんどなく、見た目の変化で気づいてあげなければいけません。皮膚バリアがまだ弱い子犬や、免疫力が低い老犬が発症しやすいといわれています。

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犬アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎とは、免疫機能がアレルギーの原因物質(アレルゲン)に過剰反応することで生じる皮膚炎です。

食べ物やハウスダストなど、様々なものがアレルゲンとなるため、アレルギー検査をしないことには原因の特定が難しい病気です。

主にかゆみが症状として現れるため、噛んだり引っ掻いたりすることによって毛がハゲてしまうことがあります。

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犬のクッシング症候群

クッシング症候群とは、副腎の分泌機能に異常が起き、コルチゾールが多量に分泌されることで発症する病気です。症状としては、主に多尿や脱毛が挙げられます。

かゆみは発生しないため、体を掻いてもいないのに毛がハゲている場合は注意が必要です。高齢な犬ほど発症しやすいといわれています。

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犬の甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)とは、犬の喉のあたりにある甲状腺の機能が低下する病気です。症状としては、急に元気がなくなったり、過剰に寒がったりするといったことが挙げられます。

また、体幹部分や尻尾の毛がハゲるといった症状も現れるため、見た目と行動の変化を十分に観察しておきましょう。

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犬の毛がハゲたときの対処法

犬 ハゲる

犬の毛がハゲているのを発見した場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。自己判断で解決しようとせず、原因を探ることが大切だからです。

原因が特定できれば、獣医師の指導の元で治療を進めていくことができます。手遅れということにならないように、早期発見、早期治療に努めましょう。

どんな状態なら動物病院に受診すべき?

以下のような症状がある場合は、今回紹介した病気以外の病気を発症している場合があります。下記の症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ受診しましょう。

  • 地肌がくっきり見える
  • 部分的にハゲている
  • ハゲた部分に赤み、黒ずみがある
  • かさぶたが目立つ
  • ハゲている部分をよく掻く、舐める

ハゲる原因を特定することが大切

ふさふさの毛並みのトイプードル犬が眠っている"src="/magazine/dogs/hh_4131_04.jpg"

犬の毛の状態は、現在の健康状態をわかりやすく示してくれます。ハゲているなと感じたら、原因解明のため、動物病院へ受診するようにしてください。

ハゲている原因が病気ではない場合もありますが、原因を特定しないことには、予防や対策をとることもできません。また、病気であった場合も、早期発見することで、治療による良い経過が望めるようになります。

僅かな行動の変化や、見た目の変化に気づけるように、普段から愛犬の姿をよく観察しておきましょう。

  • 公開日:

    2021.10.24

  • 更新日:

    2021.10.25

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。