magazine

柴犬が舌を出して笑っている
健康管理 / 病気
鉛筆アイコン

2021.10.14

犬の舌が白いのは病気のサイン?疑われる原因や対処法【獣医師監修】

犬の舌の色が白いかなと思うことはありませんか?犬の舌の色は普段ピンク色ですが、いつもと違うときは気になりますね。犬の舌が白い場合には重大な病気が潜んでいる可能性があり、今すぐ対応したほうがいいかもしれません。
今回は犬の舌の色が白くなっている場合に考えられる、病気や対処法についてご紹介したいと思います。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:かしま あやの/ドッグライター)

犬の舌が白い場合に考えられる原因2つ

白いチワワが舌を出している

犬の舌が白くなっている際には、貧血や呼吸困難を起こしている場合が考えられます。

考えられる原因【1】貧血

犬の舌が白いときに考えられる原因で多いのは、貧血です。貧血と一口に言っても原因はさまざま。出血、腎臓病により赤血球が作られなくなる、免疫機能の異常により赤血球を破壊してしまう、寄生虫によるものなどがあります。

考えられる原因【2】呼吸困難

呼吸困難がひどく酸素が全身に行き届かないとき犬は酸素不足に陥り、舌の色が白くなる症状が見られます。白くなるだけでなく紫色を生じることもあるため、よく観察してみましょう。

犬の舌が白い場合に考えられる病気5つ

ビーグル犬が舌を出して笑っている

犬の舌が白い場合に考えられる病気には、重大なものが多くあります。

併発する症状【1】出血

犬が出血をして、さらに舌が白い状態になっているときは、貧血に陥っている可能性があります。

考えられる病気【1】失血性貧血

失血性貧血とは、出血が原因で起こります。交通事故など、ケガによる出血のほかに、体内の腫瘍から出血していることも。その場合、身体の中で起こっており、目に見えず発見が難しいため、食欲や活動性なども合わせて観察し、早めに受診することをおすすめします。

併発する症状【2】元気や食欲の低下、黄疸、尿の色が赤い

元気や食欲の低下に合わせ、黄疸や尿の色が濃く赤いなどの症状があるときには、玉ねぎ中毒の可能性が考えられます。

考えられる病気【2】ハインツ小体性溶血性貧血

ハインツ小体性溶血性貧血は、玉ねぎ中毒による貧血です。ネギ類の成分は犬によって有毒で、赤血球を破壊してしまいます。誤食してしまった場合、食べて30分以内なら吐き出させることができます。 個体差があり、少量を口にしただけでも症状が見られる場合もあります。 口にしてしまったことがわかったら、できるだけ早めに受診をしていただくことをお勧めします。 症状が見られた場合には、有害な成分を薄め、身体から排泄するための点滴が必要です。

併発する症状【3】元気が無くなる、食欲低下、疲労感

寒がったり、食欲がなくなったりするなどの症状は、いろいろな病気に見られる症状のため、血液検査で病気を特定します。

考えられる病気【3】免疫介在性溶血性貧血

免疫介在性溶血性貧血は、2歳から8歳程度の犬に多く発症すると言われる病気です。免疫反応の異常により引き起こされ、赤血球が破壊されることで貧血になります。抗生物質投与や感染、腫瘍などの原因によって引き起こす場合は、その原因を除去することが必要です。原因が分からない場合でも免疫抑制剤を使う治療で回復する可能性があると言われます。

併発する症状【4】発熱、尿の色が赤い

発熱や尿の色の変化が見られるときには、以下の病気を引き起こしていることがあります。

考えられる病気【4】バベシア症による貧血

バベシア症は、マダニの中に潜むバベシアという寄生虫が犬の体内に入り、赤血球を破壊し貧血に陥る病気です。発熱や尿の色の変化なども見られるので、舌の色と合わせて観察するといいでしょう。一度バベシアが入り込んでしまうと、完全に除去することは難しく、再発の可能性もあります。マダニの予防薬を使用するなど、予防に努めるのが大切です。

併発する症状【5】呼吸数が増える、動きたがらない

犬の舌の色が青白い症状に加え、呼吸の異常も併せて見られるなどのときには、心臓や呼吸器系に何かトラブルが起きていることも考えられます。

考えられる病気【5】心臓疾患

心臓疾患により、心臓の働きが悪くなると血液の渋滞が起こります。これにより肺動脈の血圧が上がり、肺に水が溜まってしまう状態を肺水腫といい、呼吸回数が増えたり舌の色が白くなったりします。肺水腫を引き起こしている心臓疾患は、進行してしまうと命の危険につながる可能性があるため、早めに受診して治療を進めてあげましょう。

犬の舌が白いときに必要な対処法とは

ラブラドールレトリバー犬が舌を出して笑っている

犬の舌が白いときは緊急性の高いケースが多く、家でできることは限られてしまいます。

対処法はいち早く動物病院を受診すること

犬の舌が白い場合、そのほとんどが緊急性の高い病気によるものです。命にかかわる病気の場合もあるため、できるだけ早く受診して治療に取り掛かってもらうのがいいでしょう。まずは目に見える部分での出血の有無や、箇所を確認し、出血をしている場合には、タオルやハンカチで傷口をしっかりと押さえるなどして止血し、病院を受診してください。受診を待つ間などは、楽な姿勢を取れるよう手伝ってあげるといいですよ。

犬の舌が白いのは病気のサインかも!

大きな犬が舌を出して笑っている

犬の舌が普段と比べて白くなっているときには、貧血をはじめ、重大な病気を引き起こしていることが考えられます。治療開始が遅くなると命にかかわることもあるため、早めに受診しましょう。犬の舌の色は、いつもは何気なしに見ていると思いますが、時々気にして見てあげてくださいね。

  • 更新日:

    2021.10.14

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。