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2021.10.27

自宅で犬にスケーラーを使うのがおすすめできない理由2つ!知っておきたい基礎知識【獣医師監修】

年々ひどくなっていく愛犬の歯石、自宅で取ってあげたい、と思ったことはありませんか?インターネットではスケーラーを使った犬の歯石取についても紹介されていますが、原則として自宅でスケーラーを用いて歯石取りをすることはおすすめできません。
ここでは、犬に使用されるスケーラーの基礎知識や、動物病院で行った方が良い理由、自宅でできる歯石対策についてご紹介します。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

犬に使われるスケーラーは主に2種類

歯の治療に使うスケーラー

スケーラーは歯石を除去するために用いられる器具で、犬に使用するスケーラーには、主に「ハンドスケーラー」と「超音波スケーラー」の2種類があります。
それぞれ、次のような特徴があります。

ハンドスケーラー

ホームセンターなどでも販売しているもので、金属の棒のような持ち手の先に刃先がついたものがハンドスケーラーです。先端の刃の部分で、歯石をこするようにして削り取ります。
動物病院では鎌形スケーラーや掻爬(そうは)型スケーラーなど、異なる形状のハンドスケーラーを使い分け、歯の間や根元の歯石も確実に取り除きます。

超音波スケーラー

超音波スケーラーとは、非常に短い周波の波動を微振動に変換し、歯石を崩すように剥がしていく機器です。使用時は先端から水が出続けることにより、安全に歯石を取り除くことができます。
パワーがあり、歯の裏側や間の歯石除去も短時間で効率よくケアできますが、使いこなすには病院のスタッフでも訓練が必要です。

犬のスケーラーケアは動物病院で

歯の治療に使うスケーラー

スケーラーを用いた犬の「歯石取り」を自宅で行うことは、おすすめできません。
その理由は主に次の2つが挙げられます。

理由【1】全身麻酔が必要

スケーラーは刃物であり、動く犬の歯石を取ることはケガと隣り合わせの危険な作業と言えます。スケーラーの使用は犬が動かないことを前提条件としているので、全身麻酔をかけることが一般的です。
犬の年齢や健康状態によっては、全身麻酔が大きな負担になることもあるので、獣医師とよく相談しましょう。

理由【2】表面に見える歯石しか取れない

歯石が沈着している部分では歯と歯肉の間に歯周ポケットが形成され、歯周ポケットの中にまで歯石が沈着します。そして、歯周ポケットの中の歯石の方が固く、取れにくいとも言われています。歯周ポケットに入り込んだ歯石は、歯肉の後退や歯がぐらつく、抜け落ちるといった症状を引き起こします。

動物病院以外での歯石取りでは、専門のトレーニングを受けていないスタッフが施術をおこなうこともあるため、保定に力が入りすぎて顎の骨を骨折させてしまうなどの大きな事故の危険が伴い、歯も見た目上はきれいになりますが、根本的に歯石を除去することはできないと言えるでしょう。

スケーラーを使わず自宅で犬の歯をケアする方法

犬の歯と歯茎

歯石取りに便利なスケーラーではありますが、先述しているとおり自宅での使用はおすすめできません。それでも、自宅で歯石を落とせる方法が無いわけではありません。
ここでは、歯石取りに効果が期待できるデンタルケアグッズを3つご紹介します。効果には個体差があるようですが、試してみではいかがでしょうか。

獣医師も推奨「LIBAⅢ」

「ミネルヴァ LEBAIII(リーバスリー)」は、口腔内の生理環境を整えることで、歯の清潔と歯茎の健康を保持する液体歯磨きです。スプレーすると、唾液と混ざり口の中全体にいきわたります。スプレーを嫌がる子は、スポイトを使って口の中に垂らして使用します。
動物病院でも推奨されており、口コミでも歯石がポロッと落ちると評判です。

天然ゼオライトを使用「マジックゼオ プロ」

「マジッグゼオ プロ」は、原材料に厚生労働省により食品添加物として認可されている天然ゼオライト、および特許技術によりマイナスイオンがたっぷり入った水を使用していて、飲み込んでも安心です。
マジックゼオ(粉末)とマジックミスト(液体)を混ぜ合わせ、綿棒や歯ブラシに十分につけて歯の表面を磨きます。歯石に浸透すると柔らかくなるので、爪などで剥がします。

ジェルで簡単ケア「リデンタ犬猫用 歯石ケア ジェル」

「リデンタ犬猫用 歯石ケア ジェル50mL」は、ジェルタイプなので犬の歯と歯茎にさっと塗るだけでケアできます。
ポリフェノールの中で最も抗酸化作用が強いプロアントシアニジンを豊富に使用しています。

犬にスケーラーを使わなくて済むよう、日頃からケアしよう

犬の歯と舌

歯石取りでスケーラーを使うには、基本的に全身麻酔や専門的な知識が必要です。痛い思いをさせてしまうことで次から口を触らせてくれなくなってしまったり、使い方によっては愛犬を傷つけてしまうこともあります。
スケーラーを使わなくて済むよう、日頃から歯ブラシなどでデンタルケアをして、歯の健康を維持することが大切です。
歯石がたくさん付いてしまったときには、動物病院に相談してくださいね。

  • 更新日:

    2021.10.27

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。