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健康管理 / 病気
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2021.10.28

高齢犬や病院が苦手な愛犬に!落ち着いた環境で受診できる往診専門の動物病院の実態って?

『動物病院に行くのを察知すると愛犬が逃げてしまいます…。』という声は、多くの飼い主さんから寄せられる悩みのひとつ。慣れない診察台に薬品の独特な香り、知らない人や犬猫との距離も近く、過去に痛い思いをしたことがないコであっても、その緊張感から落ち着かない様子を見せることがありますよね。
そこで、今回は全国に1万2,000カ所以上もある動物病院(農林水産省統計より)の中から、自宅に往診してくれるアニホック往診専門動物病院(以下アニホック)さんを取材し、その実態を探ってみることにしました。果たして、往診専門サービスは病院が苦手な愛犬の救世主になってくれるのでしょうか?

文:ドックドッグ編集部/取材協力:株式会社TYL 取締役/アニホック往診専門動物病院責任者(獣医師) 藤野 洋

往診専門の動物病院ってどんなところ?

獣医師が猫の診察をしている様子

動物病院と言えば、患者となる愛犬と飼い主さんが病院に足を運ぶのが一般的な形式となりますが、獣医師が自宅に来てくれる往診サービスとは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?まずは往診サービスのポイントをざっくりと掴んでいきましょう。

【1】通院の手間が省ける

獣医師往診サービスとは、患者となる愛犬・飼い主さんの自宅まで獣医師が訪問し、自宅で診療を行なうサービスのことを言います。
近年、医療の高度化・飼育環境の向上などによりペットの長寿化が進んでおり、自宅療法やターミナルケア・介護をする人が増えていますが、中・大型のシニア犬ともなると動物病院に連れて行くことすら一苦労。そんな中、往診サービスであれば、通院の手間が省けるため、愛犬にとっても飼い主さんにとってもストレスや負担を軽減できると言えます。

【2】待ち時間がなくてスムーズ

実は、動物病院の1頭当たりの平均診療時間は約60分とされています。予約ができない病院だと、定期的に投薬が必要な犬でも毎回待ち時間がありますが、ほとんどの往診サービスは「完全予約制」なので、待ち時間ゼロで診療を受けることが可能です。
愛犬に吠え癖があって動物病院の待合室で他の方からの視線が気になる方にとっても嬉しいサービスと言えそうですね。

【3】落ち着いた環境で診察が受けられる

往診サービスの最大のメリットは、何と言っても落ち着いた環境で獣医師の診察が受けられるということかもしれません。病院に行くのを怖がる・診察台に乗ってくれない等、病院が苦手なコはたくさんいます。中には動物病院に行くと毎回ストレスで体調を崩すコも。
往診サービスであれば、普段から過ごしている自宅に獣医師さんや看護師さんが訪問して診療をしてくれるため、愛犬にとっても緊張せずに診察を受けられる上に、愛犬の生活環境を含めて密に獣医師に相談することが可能です。

【4】病院でしか出来ない治療・診察もある

このように、とっても便利な往診サービスではありますが、動物病院のように検査機器や設備が十分に整っていないため、基本的に外科手術や麻酔・レントゲン検査などは実施不可となっています。一度、往診で獣医師さんに来ていただいた後に、精密な検査や手術が必要と判断された場合には、設備の整った動物病院の再受診を推奨される形となります。

ただ実際に愛犬の何らかの症状に不安を感じて動物病院に行った場合でも、当日に検査・処置できる項目は限られていることも多くなっていますので、いずれの場合にも可能な範囲で、事前に愛犬の症状や希望をできるだけ細かく伝えることが通院回数を減らすことにおいては肝心と言えます。

獣医師往診サービスはどんな人におすすめ?

様々なメリットがある獣医師往診サービスですが、まとめると特に以下のような方におすすめのサービスと言えます。

往診サービスをおすすめできる方

  • 大型犬・多頭飼いの方
  • 仕事が忙しく、時間が取れない方
  • 体調が悪い等、家を出にくい方
  • 移動手段がない方
  • 移動時間や待ち時間が苦痛な方
  • 愛犬が病院や他の犬が苦手な場合
  • 愛犬の環境変化による負担が大きい場合

往診専門の動物病院「アニホック」とは?

獣医師往診サービスのポイントをざっくりと確認できたところで、続いて往診専門の動物病院アニホックの責任者兼獣医師である藤野さんにお話を聞いてみました。

docdog 丸山佳那

アニホックさんでは、どのようなサービスを展開されているんですか?

獣医師・藤野さんの顔写真

アニホック往診専門動物病院は、患者様(ペット)のご自宅までお伺いし、ご自宅もしくは往診車での診療を可能とするサービスです。獣医師往診サービスの基本は理解いただいたところだと思いますので、以下にアニホック(以下当社)特有のメリットをご紹介しますね。

往診車での診療も可能

一般的に往診サービスと言うと、愛犬と飼い主さんのご自宅の一部をお借りして診療を行わせていただくことになりますが、当社の場合は、専用の往診車での診療も可能となっています。
この往診車には、様々な医療機器を搭載し、出来る限り動物病院に通院するのと変わらない獣医療を提供できる体制を整えています。自宅に入られることに抵抗のある方やプライバシーが気になる方は、近くの駐車場などに往診車を止め、診療を行わせていただきます。

往診車内で診療をしている様子

診療前からLINEで無料相談ができる

当社では診療前から診療後までLINEで当社に在籍する獣医師に無料相談が可能です。また、2回目以降はご希望に応じてオンライン診療も実施しております。
診療だけでなく、ペットシッター事業やトリミングサロンとの提携もしているため、高齢化したペットの介護やトリミングなどの日常ケアまで一貫してサービスを提供することができます。

提携病院の紹介が可能

往診を行なった上で、レントゲン検査や入院管理が必要と判断した場合は、提携病院へご紹介をさせていただきます。患者様のデータを引き継がせていただきますので、再びイチから診療を受けるよりもスムーズにご案内することができるかと思います。

血液検査が可能で結果も早い

往診専門動物病院では、血液検査が出来ないことも多いのですが、当社では可能です。また、通常結果がでるまで2~3日かかりますが、アニホックは専用の機械を使って当日その場で検査結果を出せるため、病気の早期発見に繋がります。

検査中の獣医師
参考リンク

往診専門の動物病院「アニホック」の利用実態とは?

docdog 丸山佳那

たくさんのメリットがある獣医師往診サービスですが、実際のところ、どんな方が利用されているのでしょうか?あと少し聞きにくいのですが、可能であれば気になる料金のことも…。

獣医師・藤野さんの顔写真

ハイ、大丈夫ですよ。アニホックは都内23区を中心に、2021年5月に開始したサービスではありますが、コロナ禍において需要も高まっており、多くの方にご利用いただいております。ひとつずつご紹介していきますね。

診療件数は拡大中!

直近の診療件数は、おおよそ月間60~70件ほどになっています。高齢で病院に連れて行くことが難しいペットや、動物病院や他の動物がいる環境にストレスを感じやすいコの診療が多い傾向にあります。また、診療内容としては慢性疾患で通院が難しくなってしまった症例やターミナルケアが多くなっています。

利用は専用のWEBフォームまたはお電話で!

診療を希望される方はおかげさまで増えてきておりますが、体制も整えておりますので、専用のWEBフォームからご予約をいただくことで、最短即日でサービスをご利用可能です。ただし、当日予約の場合は、お電話でご予約いただいた方が迅速に対応できます。

往診料はかかるが、通常の動物病院と同程度

往診サービスと言うと「値段が高いのでは?」と気にされる方も多いのですが、当社の場合は、往診料金5,500円・駐車料金(実費)はかかりますが、基本的な治療費は、通常の動物病院の料金と同程度に設定しています。
ホームページに症例や料金表を記載しているので、症状に合わせてご確認いただければ大幅に想定以上の料金になってしまうことは防げるかと思います。またペット保険(2021年10月5日時点でアイペット・アニコムのみ)の利用も可能です。

参考リンク

ペット業界での働き方も変えるかも?

往診専門の動物病院「アニホック」の運営主体である株式会社TYLは、もともと獣医師や動物看護師のキャリア事業が強みの企業。最後に、この先のサービス拡充やキャリア事業などに対する将来の展望についても聞いてみました。

全国展開も視野に

現在は都内23区を中心に埼玉南部・神奈川北部で往診サービスを提供していますが、その後の需要拡大があると判断できれば、地方大都市を中心に全国展開を目指しています。

また、往診以外にもペット医療を中心に周辺関連事業に拡張展開していくことで、ワンストップサービスの提供と相互利用によるシナジー効果を高めたいと思っています。
具体的には、往診のほかオンライン診療・相談サービス、ペットシッター、サロンサービス、施設のある動物病院の運営などを手掛けていきたいと考えています。

獣医師や動物看護士の働き方も柔軟に

獣医師・動物看護師は長時間労働も多く、特に女性が8~9割を占める場所であるにも関わらず、産休・育休後の復帰が難しいとされています。また女性だけでなく、給与の面や働き方の面であまり良くない労働条件で働いている方も多く、早期退職に繋がり人材の定着に頭を悩ませる病院も少なくありません。

私たちは、ペット業界の従事者の雇用環境から良くすることこそが、業界の発展につながり、ひいてはペットのためになると考えています。

そのため、アニホック往診専門動物病院では、女性でも働きやすい環境作り、正当な評価制度などを用いて、「ペットのために役に立ちたい」と思っている方々が夢を諦めず働ける環境づくりをしていきたいと考えています。

docdog 丸山佳那

最後にドックドッグの読者の方にお伝えしたいことがあれば是非コメントをお願いします!

獣医師・藤野さんの顔写真

アニホック往診専門動物病院は往診だけでなく、オンライン相談も可能です。利用者は犬猫だけでなくうさぎやフェレットなど幅広く対応しており、症例も高齢のペットだけでなく、2歳以下の子達も受診していますし、「病院に行くほどでもないかもしれないけど、専門家に相談したい」といった、しつけやフードに関するお悩みからサポートさせていただいております。是非、何かお困りごとがありましたら、お気軽にお問合せいただければと思います。

愛犬のために複数の選択肢があると安心

今日も走る往診車

今回は往診専門の動物病院アニホックさんへの取材を通して、獣医師往診サービスの実態を探ってみました。もしかすると今の愛犬や飼い主さんにとって必ずしも必要のあるサービスとは言えないかもしれませんが、急な体調不良や夜間での対応等を踏まえ、相談できる先・選択肢を増やしておくことはとても大切です。必要に応じて、動物病院と獣医師往診サービスの使い分けができるようになるといいかもしれませんね。

  • 更新日:

    2021.10.28

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ライター・専門家プロフィール
  • 丸山 佳那
  • docdog プロデューサー 兼 ガジェット担当編集者
  • 東京在住、ガジェット好き編集部員。「いつも真っ直ぐな愛情を届けてくれる犬」と「犬のココロに寄り添える人々」が織りなす『犬と人の幸せな関係性』がいつか世界中を幸せにできると信じて。愛犬と“ふたり”で作るヘルシーな日々を応援すべく、今日も愛すべき犬たちと読者の皆さまに届くように、心を込めた執筆・デザインにこだわります。「犬種図鑑」も好きです。