magazine

緑色の芝生の上に立つしっぽを丸めた可愛すぎる黒い柴犬
しつけ
鉛筆アイコン

2021.09.03

犬は序列をつけている?下に見られていると感じたときの対処法を解説

犬を抱っこしようとしたら唸ったり、おもちゃを回収しようとしたら咬み付いたり。「もしかすると犬に下に見られている?」と感じたことはありませんか?
ここでは、犬は序列をつけているのか、犬の序列意識を左右するもの、犬に下に見られていると感じたときの対処法についてご紹介します。

文:江野 友紀/認定動物看護士

犬は序列をつけている?

雪景色の中、遠くを眺める2頭のシベリアンハスキー犬

犬が家族に序列をつけているか否かについて科学的根拠はなく、専門家の間でも意見が分かれているようです。犬の序列については次のように考えられています。

犬が序列をつけると考えられてきた理由

犬に序列意識があるという認識が広まった背景には、犬の祖先であるオオカミの研究が関係しています。

オオカミは群れの中で順位付けがあり、1匹のオオカミを群れのトップにし、周りのオオカミはとトップのオオカミについて行くと食事が得られたり、危険を回避できる事を学びます。

オオカミの子孫である犬も同じような特性を受け継いでいると考えられ、しつけの上でも「人が上位にいなければならない」という考え方が広まりました。

近年、犬は序列化しないという考えが広がっている

犬が序列を作るという話は、犬をしつける上でとてもわかりやすかったため、世界的に有名になりました。しかし近年では、犬はその時々の状況に応じ、自分にとってどのような損得があるかで判断し、行動していると言われています。

例えば、ごはんやおやつをくれるお母さんは期待を持って指示を聞く、自分を擁護してくれない子供のいうことは聞かない、爪切りのときばかり身体を触るお父さんには抱っこさせないということがあります。

犬の序列意識を左右すると言われているもの

すまし顔でこちらを眺める茶色い柴犬

犬の序列意識には、犬種や不妊・去勢の有無などが影響を及ぼすと考えられています。

犬種

シベリアンハスキーや柴犬、ポメラニアンなど、オオカミに近い「原種グループ」に分類される犬は、比較的オオカミの習性が色濃く残っていると考えられているため、序列意識は強い可能性があります。

陽気でフレンドリーなパグやフレンチ・ブルドッグ、プードル、マルチーズなどに強い序列意識があることは考えにくいでしょう。

性別や不妊・去勢の有無

犬のマーキング(臭いをつけるための排尿)は、なわばり意識の強い犬が自分の存在をアピールするためにする行為です。メス犬よりもオス犬に多く見られることから、オスの方が上になろうとする意識が高いと考えられます。

また、繁殖期のオオカミには明らかなランキング意識が見られることから、未去勢のオス犬は序列意識が高い傾向があるようです。

犬に序列を下に見られている、と感じたら

緑色の芝生の上で飼い主の女性にお手をする可愛い小型犬

犬との関係がうまくいかない、下に見られているのではと感じるとき、犬と信頼関係が築けていない可能性があります。次のようなことに留意しながら、しつけを見直してみましょう。

好ましい行動はきちんと褒める

信頼関係を築く基本は、良い行動を取ったときにきちんと褒めることです。トイレが上手にできた、呼んだらすぐに来てくれたなど、日々の生活の中で褒めてあげるポイントはたくさんあります。出来て当たり前と思わず、その都度きちんと褒めてあげましょう。

叱るときは毅然とした態度で

好ましくない行動を取ったときは、きちんと叱ることも大切です。おもちゃを回収しようとして「ウーッ」とうなったとき、あきらめてそのままにしてしまうと「うなればおもちゃを取られない」と学習し、嫌なことをされそうになったらうなれば止めてもらえる、と覚えてしまいます。

悪いことをしたら「イケナイ!」「ダメ!」と毅然とした態度で叱り、状況によっては無視しましょう。

犬の要求には簡単に応じない

食事が欲しくて吠えたり、遊びたくて甘噛みしてきたとき、犬の要求に応じてしまうとその行動を強化してしまいます。犬のペースに完全に合わせるのではなく、飼い主さんの都合も踏まえながら食事を与えたり、お散歩に連れ出しましょう。

犬の要求に応じるときでも「オスワリ」「マテ」などの号令を出し、きちんと従ったときにだけ応じてあげましょう。

犬の序列を気にするより、導いてあげる飼い主になろう

緑色の芝生の上に寝転んで前足を飼い主に握られている茶色い犬

犬は信頼できる飼い主さんのいうことをよく聞くものです。好ましい行動を取ったときはその都度褒め、犬が迷わないよう一貫性をもってしつけることで、正しい方向へと導いてあげましょう。
正しい犬の習性を知って、お世話やしつけに役立ててくださいね。

  • 更新日:

    2021.09.03

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 江野 友紀
  • 認定動物看護士
  • 地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。 ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。 普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。 ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。