東日本大震災が発生した当時、岩手県沿岸部で暮らしていた私たちは、自宅で被災しました。そして、当時15歳(享年18歳)だったミックス犬と一緒に、避難所や応急仮設住宅での暮らしを経験しました。
今回は、実際の体験談を交えながら、被災を通じて先代犬から学んだこと、現在の愛犬のために心がけて実践していることを伝えたいと思います。

我が家の先代犬「ポンタ」はミックス犬の男の子で、震災発生当時15歳でした。ポンタは15歳のわりに歯や足腰もしっかりしていて、朝夕の散歩が大好きな犬でした。
その日の外の気温は寒かったですが、太陽の日は暖かくて外でまったり昼寝をしている時に「東日本大震災」が発生しました。
それは、過去に経験したことがない地震の揺れ。現場には今までにない緊張感が漂っていました。
消防団の方々が水門を閉め、河川から津波の被害を受けないように作業をし、その後は海の様子を観察していました。そうするうちに海水面がどんどん上昇し、2メートル、3メートル、4メートル。ついに、今までなら「これくらいで落ち着くだろう」と考えてきた高さをも超え迫ってきます。上昇が止む様子はありません。
現場から「退避命令」が出ました。様子をうかがっていた住人たちも、「逃げよう」という言葉で避難しはじめます。それでも「少し高い所に避難しては様子をみる」を繰り返して、半信半疑で移動しています。
そのとき、重大な事が起きました。私たちが暮らす場所は、湾と湾に挟まれた地形の半島です。両サイドの湾には、1960年のチリ地震津波の被害をきっかけに整備された防波堤がありました。
その防波堤が両方とも決壊したのです。気がつけば、黒い津波が電信柱の8分目くらいまで達して押し寄せてきます。
そして私たちがいた場所は、本土から孤立しました。地震発生から2時間のあいだの出来事でした。
停電と断水、食糧の不安、知人友人身内の安全の心配、愛犬の管理場所といろんなことが一度に頭の中をかけめぐりました。現実を理解できなくて、なにも考えられない状態です。
そして、「これから、どうしたらいいの?」という会話が聞こえてきます。

岩手県沿岸部で地震と津波に見舞われた経験から、今も犬と暮らす我が家で実践していること・準備していること、そして心構えについても触れておきます。
自治体の避難場所やハザードマップの確認して、実際に歩いてみることです。
東日本大震災では、多くの人が避難先で被災しています。実際、私たちは指定された場所へ避難しませんでした。その理由は、被災する前から「避難ルートに無理があるのでは?」という話があり、地域の人たちと事前に話し合っていたからです。その結果、私たちの地域で亡くなった方はいらっしゃいません。
地域コミュニティー内で、愛犬を含む自分たち家族の理解者をできるだけ多く作っておくことをおすすめします。
散歩中や出先で、そして指定避難所付近で近所の人に会ったら「おはようございます」「こんにちは」の会話をするだけでも構いません。いつどこで被災するかわかりませんし、会話を交わした人たちと避難所でいっしょに過ごすことになるかもしれないからです。
被災時に助かった知識は、「生きる術」とちょっとした工夫です。飲み水の作り方、火の起こし方、新聞紙を使った防風具の作り方、段ボールで作った簡易トイレなど。
私の場合、究極かもしれませんが、映画「マッドマックス」の世界に放り込まれたような気分でした。

被災当時に不便さを感じたことを教訓に、現在、買い替えて使用しているグッズをご紹介します。
それはハーネスです。愛犬の名前、連絡先のメモ紙やICチップを忍ばせられる物がよいです。
ラフウェアのハーネスは、実証試験が実施されて救護犬も使用しています。災害の規模や被災状況によりますが、愛犬を抱きかかえたりできますし、愛犬の足の保護や愛犬の安全確保につながります。また、首輪抜けによる事故防止や迷子防止にもなります。
避難所では、愛犬もストレスがたまります。ストレス解消のためには、散歩が必要です。
災害の状況によっては、足場が悪い所や道路の状態が悪いことも多いので、散歩から帰った時に肉球クリームで愛犬の足の保護や管理をすることができます。
伸縮リードが手から外れないよう、手首とリード本体を固定するためのストラップです。
伸縮リードを使用するメリットは、片手で簡単にリードを巻き取れることから、場面に合わせた長さで使用できる点ですよね。ただ、片手がふさがった状態で使用するため、うっかり落としたり、手から外れるときがあります。それを防いでくれるのが、こちらのストラップです。

東日本大震災を経験して、事前の確認と早い決断、そして普段からのコミュニケーションが大切だと感じています。私が被災した当時は、それらを生かすことができませんでした。
「早い決断」ができれば、もっと余裕を持って愛犬の食糧や常備薬、クレートなど運べたと思います。事前によく確認し、早めに決断し、そして普段からコミュニケーションを心がけることこそが、愛犬の防災だと私は考えています。
ドックドッグでは、2021年9月の防災月間に30日間連続で「犬の防災」に関するオリジナル情報配信してまいりました。
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