息子が幼稚園の時、わが家にやってきた愛犬のミニチュアシュナウザー。私と夫、息子、愛犬の家族は北海道の札幌市で暮らしていました。愛犬が5歳になった2018年9月に経験した「北海道胆振東部地震」は、人の防災だけではなく犬の防災についても考えるきっかけになりました。
今回は、私が体験した地震の記憶をお伝えしながら、現在我が家が防災のためにどんな工夫をしているかお伝えしたいと思います。

我が家の愛犬は、真っ白なミニチュアシュナウザーの8歳の男の子です。名前は「シロ」といいます。
2018年の8月に5歳の誕生日をお祝いした約1か月後、「北海道胆振東部地震」を経験しました。恥ずかしいことに、我が家では災害に対する準備は何もしていないに等しい状態でした。
そんな中で起きた大地震。私たち家族は突然のことに戸惑うばかりでした。
震災が発生したのは、北海道では心地よい残暑が残る9月の午前3時すぎ。突然経験したことのない揺れを感じ、ベッドの上から動くことさえできませんでした。
揺れが収まると、急いで別の部屋で眠っている小学生の長男と愛犬の安否を確認しにいきました。電気をつけようとスイッチを押しても電気はつかず、暗闇の中を移動しました。愛犬は何事かと目を覚まして立ち上がっていましたが、長男は何事もなかったようにぐっすりと眠っていました。そして、愛犬と息子を夫婦の寝室に連れていき、外が明るくなるまで身を寄せ合うように過ごしました。
日が昇って朝を迎えましたが、電気がつくことはありませんでした。それでも、すぐに回復するだろうと思っていた私たち。それから3日間、電気が通ることはありませんでした。
電気は通っていないものの、水道が使えたのは不幸中の幸いでした。自宅もいくつかものが落ちた程度の被害だったので、避難所には移動せず、愛犬とともに自宅で過ごすことを選択しました。
少し落ち着いてから、愛犬の散歩がてら近所の様子を見に行きました。建物や道路に大きな被害は見られませんでしたが、店はほぼ営業を中止していました。慌てて自宅に戻り、食料やペットフードのストックがあるかどうかを確認し、ある程度備蓄があることが分かって安心しました。
お湯が使えないため、冷たい水で体を洗っているときに、ふと気づきました。「これがもし冬だったら」と。
私たちが住んでいるのは北海道の札幌市。真冬の寒さは想像を絶します。停電で自宅の暖房設備が使えなければ、暖を取ることはできません。もし水道が使えたとしても、寒さで水道は凍結して使えなくなっていたでしょう。
また、命も自宅も無事だったとしても、避難所への移動は避けられないはずです。その時、愛犬を連れていくことはできるのだろうか。キャリーに入れっぱなしになってしまうのだろうか。真っ先に頭に浮かんだのは人のことよりも愛犬のことでした。
この時から「人の防災」だけではなく「愛犬の防災」についても真剣に考えるようになりました。

上述のような体験から、災害発生時に愛犬の命を守るには、日ごろから備えておくことが何よりも大切だと考えるようになりました。
もしもに備えて、愛犬のために我が家で準備していることをご紹介します。
我が家では防災リュックを用意していますが、その中に愛犬用の持ち出しグッズも入れています。人のものと別に用意するよりは、一つにまとめてしまったほうが万が一の時に持ち出しやすいからです。
持ち出しグッズの内容を、以下にリストアップしておきます。おしりふきや大判タオルは、人も使えるので一石二鳥ですね。
愛犬に必要なものをセットにした「犬用防災袋」という商品も売られていますので、購入しておいてもいいと思います。
ペットシーツ・おしりふき・うんち袋などの消耗品、おやつなどの食糧、折り畳み式のごはん皿、古くなって使っていないハーネスとリード、犬用の靴、ワクチン接種の記録、防寒用の服、防寒用・キャリーを覆うための大判タオル
万が一、避難所に避難することになったときに、絶対に必要となるのはキャリーケースです。
大きくてかさばるので、倉庫や押し入れにしまっているという方も多いと思いますが、いざというときに取り出すには不便です。
我が家では愛犬のケージの中にキャリーケースを普段から入れる小さな小屋として置いています。万が一の時にすぐに持ち出せるのはもちろん、普段から愛犬をケージに慣れさせておくという意味でもおすすめです。
上述の震災の時に一番ヒヤッとしたのは、食料の備蓄を意識していなかったことです。たまたま人も愛犬も食料のストックがあったため難を逃れましたが、店が営業していないときに買い足すことは難しくなります。
避難所などに行けば、人用の食糧を手に入れることはある程度簡単かもしれませんが、犬用の食糧はなかなか手に入らないかもしれません。手に入ったとしても種類を選ぶことは難しいでしょう。
フードの種類が選べないということは、特にアレルギーがある犬や療養食を食べている犬にとっては死活問題になります。そのため、普段食べているフードは一袋多めにストックしておくと安心です。上述した持ち出しバッグに、数食分を入れておくのもおすすめです。

最近、インターネットなどでたくさんの種類の犬用防災グッズが販売されています。
商品がありすぎて選べないという方のために、震災を経験した私が、個人的に注目している商品3つを紹介したいと思います。
みなさんの愛犬の防災準備にお役立ていただければ幸いです。
上述したように、愛犬と避難所に避難する際にはキャリーケースやケージが必要になります。プラスチック製のキャリーは重さがあるので、避難所まで距離があるときは持ち運ぶのが大変です。
リュック型のものであれば、背負って移動でき、両手もあくので人もペットも安全に移動できます。
また、布やメッシュ素材なので、使わないときには小さく折りたためます。
床置きの際には拡張して広げられるので、愛犬のストレス軽減も期待できます。
ただ、愛犬の体の大きさによっては窮屈になってしまう場合があるので、選ぶときは大きさや耐荷重を確認するようにしましょう。
改正動物愛護法が成立し、今後はペットを販売する業者を対象に、犬や猫にマイクロチップを装着することが義務化されました。一般の飼育者は義務ではなく努力義務とされていますが、マイクロチップを入れていない愛犬はまだ多いでしょう。
災害時のパニックで愛犬とはぐれてしまったときに、マイクロチップが入っていれば再会できる可能性も高くなりますが、マイクロチップが入っていなくても、愛犬に迷子札をつけておけば万が一の時に役立ちます。
名前や電話番号、住所を記載できるものはもちろん、犬鑑札を入れられる商品もあります。
普段から迷子札をつけるようにしておくといざというときに安心です。
人が外出している間に災害が起こり、愛犬だけが自宅に取り残されるという可能性があります。そんな時に、愛犬の救助を依頼するステッカーです。
普段から玄関に貼っておくことで、この家は犬を飼っているということを近所の人々に知ってもらえるので、万が一の時に愛犬を救出してもらえる可能性が高くなります。
ただ貼るだけの防災なので、とても簡単ですね。

飼い主には愛犬を守る義務があります。災害時にその命を危険に晒すことは絶対に避けなければなりません。だって愛犬も大切な家族なのですから。
災害が起こってから準備するのでは間に合いません。
大切な家族を守るためにも、今からできることはしっかりと準備しておくようにしましょう。
9月の防災月間中は、毎日お昼の12時半ごろに「犬の防災」に関する情報配信をしています。
記事がアップデートされたら以下のページに掲載していくので、ぜひ過去のアーカイブもチェックしてみてくださいね!
「愛犬のための防災特集」記事一覧