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2021.09.22

手づくりごはん|パートナーに優しいレシピ【第3部】|vol.11

パートナーに優しいレシピ|動物愛護法【2】飼い主に求められること

前回に続き、今回も動物愛護法についてお話ししたいと思います。今回のテーマは「法律が飼い主に求めること」です。
第7条、第39条をピックアップしてお届けしながら、地域の中での暮らしに役立つ情報をご紹介します。新たな発見もあったので、犬と人間の関係を改めて考える機会になれば嬉しいです。

#パートナーに優しいレシピ

さの さえこ/犬の東洋医学生活管理士

第7条「動物の所有者又は占有者の責務等」

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動物愛護法第7条では「動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しく は財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。」(第7条第1項より抜粋)と記載されています。

第7条は8項にわたっていて少し難しい言い回しが続きますが、簡単にまとめると次のようになります。

第7条で定められた飼い主の義務

  • 所有する動物の健康と安全を守る
  • 人に危害を加えてはならない
  • 人の財産(家などの所有物)を汚損、破損してはならない
  • 騒音や不潔な環境などで人に迷惑をかけてはならない
  • 人獣共通感染症感染症についての知識を持ち感染を防ぐ
  • 所有する動物が逸走しないよう必要な対策を取る
  • 終生飼育の努力
  • 多頭飼育と繁殖についての対策を講じる

最期まで愛犬と一緒に暮らしていこう

動物愛護法は、終生飼育を強く訴えています。やむを得ない事情が生じた場合には譲渡先を探すことが努力義務になっています。

愛犬の体調に異状があれば動物病院で適切な治療を受けさせることも飼い主の責務とされています。明らかに病気で体調を崩しているのに治療を受けさせないことは虐待とみなされて法律に抵触することもあります。

終生飼育が可能な繁殖対策を

終生飼育を可能にするためには、適正な環境で飼育できる経済的余裕や飼育場所が必要です。第7条では、多頭飼育崩壊が起こらないような繁殖の対策を取ることも求められています。

愛犬の避妊・去勢については飼い主さんの考え方もあるのでデリケートな問題ではありますが、手術を受けても受けなくても、一緒に暮らす愛犬たちが最期の時まで幸せに暮らせることだけは考えて行動したいですね。

周りの環境や人に配慮した行動を心がける

愛犬が人間の世界で無理なく生活していくためには、周囲の環境や人に苦痛や恐怖を与えないように配慮することも必要です。

私が住んでいるマンションでは、共用の廊下やエレベーターで犬がオシッコをすることが問題になったことがありました。犬のオシッコのせいでポストの足が腐食して倒れたり、庭の植物が枯れてしまったりすることもあるので、オシッコは特に気をつけたいですね。

また、愛犬のウンチを公園などの土に埋めたり、人の顔を舐めさせたりすることが、人獣共通感染症の原因になってしまうことがあります。環境省で発表されている30種以上の人獣共通感染症のうち、5種類ほどが犬とヒトとの間で発生するものになります。

自分自身も注意しなくてはいけませんが、周りの誰かが自分の愛犬が原因で病気になることがないようにしたいですね。

しつけていても対策しにくいことに注意を

しつけをして気をつけているつもりでも、思わぬところでトラブルになりそうなことがあります。

散歩をしていると、子供が突然ワーッとうちのコに駆け寄って来たり、高齢の方が大きな声を出しながらうちのコの頭の上から撫でようとしてきたりすることがあります。みなさん悪気はなくて、うちのコをかわいいと思って近づいて来てくれているのですが、犬としては恐怖を感じて攻撃的になってしまうことがあります。

避けられる時はうまくかわす、難しい時は愛犬が動かないようにしっかりリードを持つなどの対策も必要になりそうです。

第39条「マイクロチップ装着と死亡届」

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動物愛護法第7条と第39条では、自分の所有する動物がわかるような対策を取ることも求められています。

「動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置として環境大臣が定めるものを講ずるように努めなければならない。」(第7条第6項より抜粋)

「犬猫等販売業者以外の犬又は猫の所有者は、その所有する犬又は猫にマイクロチップを装着するよう努めなければならない。」(第39条の2第2項)

そして、登録された犬や猫に対して死亡した場合は死亡届を提出することが義務となっています。
「登録を受けた犬又は猫の所有者は、当該犬又は猫が死亡した ときその他の環境省令で定める場合に該当するときは、環境省令で定めると ころにより、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。」(第39条の8)

すべての犬にマイクロチップ装着を

現在、ペットショップやブリーダーなどの第一種動物取扱業者については、動物の引渡し時にマイクロチップの装着が義務付けられていますが、マイクロチップが入っていない子はまだまだたくさんいます。

そうした犬や猫にもマイクロチップを装着し、動物が逸走したり被災して飼い主と離れ離れになってしまっても戻れるようにしようということで、一般の飼い主にも努力義務として求められることになりました。

マイクロチップの登録や変更は速やかに行なわれなくてはならず、装着や登録、変更には手数料も発生します。ただ、迷子札では劣化や破損、紛失などの問題がありますが、マイクロチップは犬の首の皮膚に埋め込むためそうした心配がないことが利点として挙げられます。

環境省のホームページ「マイクロチップをいれていますか?」にとてもわかりやすい説明が載っていたので、まだマイクロチップを装着していない飼い主さんは一度ご覧になってみてくださいね。

愛犬の死亡届の提出は飼い主の義務

ペット保険に入っていれば、愛犬が亡くなった時にすぐ連絡を入れることになりますが、それと同時に愛犬を登録した自治体にも死亡届の提出が義務になっています。自治体から毎年狂犬病ワクチンの通知が来ることを考えると、死亡届は確かに必要なことですよね。

いつかうちのコが亡くなった時にそこまで頭が回るかどうか自信はありませんが、死亡届を提出することが最後の飼い主の役割だから、覚えておかなくちゃいけないな、と思いました。

各自治体でも動物との暮らし方を教えてくれる

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動物愛護法では、各自治体に動物愛護に関する専門の管理センターなどを設置することが謳われています。そのため、政令指定都市を中心に、各自治体で動物愛護センターや管理センターが運営されていて、愛犬のしつけ方、暮らし方、そして誰もが楽しんで参加できるイベントなどを開催しています。

周りに相談できずに困っていることや、その自治体としての独自のルール、被災時の避難情報など、みなさんが住んでいる地域で役に立つ情報がたくさん掲載されています。すぐには必要でなくとも、いざという時に「こんなページがあったな」と覚えておくだけでも便利ですよ。

主な自治体の動物愛護に関するページを載せてみます。これ以外にもご自身の住んでいる地域で同じような取り組みをしているので、参考にしてみてくださいね。

法律は犬と暮らすためのルールとマナー

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動物愛護法は、改正する度に具体的な例を挙げた規制が増えました。特に2019年の改正では、営利目的で動物を扱う第一種動物取扱業者に規制が集中しています。それでもまだ世界的に見ると課題も多く、改正が必要な部分もあるのが現状です。この先にまた改正があるとしたら、今度は私たち飼い主に対しての決まり事が増えるかもしれません。

でも、動物愛護法に定められていることは難しいことではなく 、犬と人間が同じ社会で幸せに暮らすために必要なことばかりではないかと思います。法律だと思うと尻込みしてしまいそうですが、犬と暮らす上でのルールやマナーと考えて受け入れられたらいいのかもしれませんね。

最後に、動物愛護法の全文と今回の動物愛護法の記事を書くに当たり、参考にした書籍をご紹介します。難しい法律をとてもわかりやすく書いてあったので、興味があればぜひ手に取ってみてくださいね。

  • 更新日:

    2021.09.22

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ライター・専門家プロフィール
  • さの さえこ
  • 犬の東洋医学生活管理士2級、ドッグライター
  • 子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。 この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。