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柴犬 小説
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2021.09.05

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと【第3部】|vol.11

豆しば暮らし|異変

「ママ! メロンが、メロンが!」
ハルカちゃんが、泣きながら家に駆け込んで来ました。

#柴犬 / #豆しば暮らし

笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語【第3部】の連載第11話です。

はじまり

小学生になったハルカちゃんは、学校がお休みの日に、メロンの散歩を任されるようになりました。
今日は土曜日。
お友達と遊びに行く前にお散歩へ。

近所の高校の校舎の脇を歩いていると、突然メロンが転びました。
何かにつまずいた訳でもなく、ハルカちゃんがリードを勢いよく引っ張った訳でもありません。
しかも、転んだまま動かなくなってしまいました。

「メロンはどうしてるの?」

「高校生のおねえさんが見てくれてる!」

ハルカちゃんとママが駆け付けると、メロンはおねえさんに抱っこされていました。左の後ろ脚をぎゅっと縮めています。

何かがおかしい

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おねえさんにお礼を言い、ママは急いで病院へ。
メロンを車に乗せた時には、もう脚を縮めてはいませんでした。

先生は、メロンの脚を押したり引っ張ったりしましたが、痛がる様子は見られません。
レントゲンをとっても、骨に異常はありませんでした。

「メロンちゃん、もう10歳ですからね。老化によるものでしょう。お薬をお出ししますね」

それから数日、メロンはぎこちない歩き方をしていました。
ですが、薬が効いてきたのか、すっかり元通りに。
ドッグランに行っても、問題なく走っています。
それでもママは、モヤモヤしていました。

今までと違う、何かがおかしい。
見た目ではわからないけど、何かが…。

血液検査

パパもハルカちゃんも、そんなことはないと言うのですが、ママはどうしてもスッキリしません。

「血液検査をしてもらおうかな」

「えー、考えすぎじゃない?」

「何もなければ、それで安心できるでしょ? 念のためだよ」

病院で採血し、結果を待ちます。
名前を呼ばれ、診察室に入りました。
特に問題はありません、その一言を期待しながら。

「お母さん、血液の数値に異常が見られます」

深刻な表情で、先生は説明をします。

「それだけではありません。これを見ていただけますか? メロンちゃんのリンパ球です」

プリントされた画像を、ボールペンで丸く囲い始めました。

「これが正常な形。でも、こちらは…」

「あれ? 何だかヘンテコリンな形をしてますね」

「そうなんです。一部のリンパ球が変形しています」

「変形…? なぜ、そんなことになるんですか?」

先生の目は、真っ直ぐにママを見つめています。

「正直に申し上げて、わかりません。メロンちゃんの体に異変が起こっているのは分かるのですが、それが一体何なのか…。それも今の段階ではわからないのです」

ママは、目の前が暗くなってくるのを感じました。

  • 更新日:

    2021.09.05

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。