magazine

リュックに入る犬
住まい / 生活
鉛筆アイコン

2021.09.01

ドックドッグ企画「愛犬のための防災特集」DAY1

9月は防災月間!愛犬の災害対策を一緒に考えてみませんか?

「もしもの時、愛犬を連れて避難できるかな?」「防災グッズって何をどれくらい準備しておけばいいの?」と疑問や不安は募っても、なかなか災害対策が万全という方は多くないかもしれません。2019年にドックドッグが実施したアンケート調査では、約9割の方が愛犬との災害に不安を感じていると回答。一方、愛犬のための防災ができていると答えた方は約3割に留まりました。
そこで、9月の防災月間では「愛犬のための防災特集」として、実際の飼い主さんの体験談や過去の実例をもとに、「犬との防災」を考えるヒントとなる情報を毎日配信していきます。
第1回目となる今回は、過去に日本で発生した自然災害と当時の犬たちの状況、そしてそこから学ぶ教訓について触れたいと思います。

#犬の防災

docdog編集部

なぜ9月が防災月間なの?

9月1日は「防災の日」。そして9月は「防災月間」と国によって制定されています。

その理由は、1927年に起きた関東大震災、そして9月が台風シーズンであることが背景にあります。防災の日をきっかけに、災害に対する知識を深めて心構えを育成するために、内閣閣議で「9月1日を防災の日」とすることが了解されたため、毎年9月は防災月間になったと言われています。

毎年1回こういった時期があると、備蓄用食品の賞味期限をチェックしたり、飼い主さんにとっては愛犬との防災を考えるいい機会になりそうですよね。

これまでの自然災害でペットたちが直面した状況

日本では、規模の大小はあるにせよ自然災害は決して少なくありません。2011年3月11日の東日本大震災から10年。その間にも地震や台風などの自然災害が日本を襲い、多くの人々の生活に被害を及ぼしてきました。

内閣府発表の令和3年版の防災白書「我が国における昭和20年以降の主な自然災害の状況」によると、2011年以降もほぼ1年に1回以上のペースで何らかの自然災害が発生しています。

いつ起きるか分からない自然災害。本当の恐ろしさは、経験した方にしか分からない部分もありますが、その体験・記録から学んだ教訓はこれからの「防災」に活きるはず。

そこでここからは、過去30年以内に日本で起きた自然災害の事例、当時のペットたちが直面した状況をご紹介し、そこから学べる教訓・記録をまとめてみました。

1995年|阪神・淡路大震災

阪神・淡路大震災

阪神・淡路大震災は、1995年1月17日に兵庫県を中心に発生したマグニチュード7.2の都市型大地震です。兵庫県の報告によると、約4,300頭の犬、そして5,000頭の猫が負傷したり、飼い主とはぐれたりして被災したとされています。

「ペットも一緒に」のキッカケとなる事例

家屋の倒壊や火災が随所でみられたため、震災後には瓦礫の中をさまよったり、倒壊した家屋で飼い主を待ち続けたりする犬猫の姿があちこちで見られたと言われています。

この時、日本ではじめて飼い主とはぐれた動物たちの大規模な救護活動が行われました。阪神・淡路大震災は、「ペットも一緒に」という動物救護の考えが社会的に認知されるようになった事例と言えます。

被災したペットの救援活動も

震災後には、地元の獣医師会や日本動物福祉協会阪神支部が中心となって立ち上げた「兵庫県南部地震動物救援本部」により、大規模な動物救護活動が行われました。

地震発生後に飼い主とはぐれた動物や、被災者が飼育を断念せざるを得なくなった動物たち計1,556頭が保護され、その後も約1年4か月にわたり里親を探す活動がおこなわれました。

そして、1,556頭のうち1,045頭が新たな飼い主のもとで生活をはじめ、356頭が元の飼い主との暮らしを取り戻したと記録されています。

迷子になっても見つけられる準備を

この事例から学べる教訓としては、迷子になった愛犬・愛猫を探せるよう、飼い主が日頃から迷子札・鑑札の着用をさせ、愛犬の特徴がわかる写真を準備しておく必要があるということです。

また、海外のシェルターなどですでに取り組まれているように、動物たちを長い期間でも保護できるよう、仕組みや体制を整えていくことも大切と言えるでしょう。

避難所生活でのトラブルも

内閣府の報告によると、阪神・淡路大震災ではピーク時に約31万人が避難所生活を送ったと報告されています。日本愛玩動物協会によって実施された調査結果によると、約8割の避難所で何らかのかたちでペットと飼い主が共に暮らしていたとされています。

その一方で、約7%の避難所ではペットの持ち込みが禁止されていました。また約5%の避難所では、アレルギー・鳴き声・臭い・不衛生などを理由に、飼い主と動物嫌いの人とのトラブルが深刻化し、解決に苦労していたとされています。さらに、1例ではありますが、避難生活45日目にペットの飼い主が全員、避難所から退去せざるを得なくなった例も報告されています。

ここから、ペットと避難生活をすることによる難しさについても、十分に理解しておく必要があると言えます。

2000年|有珠山噴火

有珠山噴火

2000年、北海道・洞爺湖の南に位置する「有珠山」で発生した噴火は、最大で15,815名の方が避難指示・勧告の対象となった大規模な災害となりました。幸いなことに、噴火前に迅速な避難が行われたことなどもあり、人的被害はありませんでした。

しかしこの時、避難区域では300頭以上の動物が取り残されていた(※)と言われています。そのことが一部メディアで取り上げられ、動物保護を求める要請が殺到。

この災害を通じて、災害時にペットと同行避難することへの意識がより高まったと言えるでしょう。

参考文献

2011年|東日本大震災

東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、沿岸部を中心に津波被害による多くの犠牲者が出た大規模災害です。地震発生時に、テレビニュース等で津波の発生有無が頻繁に放送されるようになったのは、この震災の後からではないでしょうか。

死亡した犬は3千頭以上

東日本大震災で死亡した犬の頭数は、3,000頭以上にものぼると報告されています。一方で、猫には登録制度がないため、被災状況がほとんど分かっていません。それまでの震災と違って、動物管理センターに収容される動物数が多くなかったことから、津波によって多くの動物が犠牲になったと考えられています。

また、一度避難した後にペットを助けに行って津波に巻き込まれる事例も見られたり、避難所生活でのトラブル、飼い主とはぐれた動物の救護活動など、さまざまな問題が浮き彫りになりました。そして、地震・津波・原発事故による被害が広域にわたったことから、広域災害時の救援の難しさが表面化し、原発市域に残された動物の野生化も大きな問題となりました。

飼い主がわかるものを装着させよう

東日本大震災における主な被災地である10自治体(青森県・岩手県・宮城県・仙台市・福島県・郡山市・いわき市・茨城県・栃木県・千葉県)に対し、環境省が実施したアンケート調査によると、飼い主不明として動物救護センターに保護されたペットのうち、所有者がわかるものを装着していたのは、犬で699頭、猫で39頭だったということです。

その中で、迷子札・鑑札(または狂犬病予防注射済票)を装着していたのは、犬で約12%、猫で0%であり、飼い主が判明した割合は100%となっています。一方で、首輪のみを装着していた犬のうち飼い主が判明したのは、0.5%と非常に少ない結果となりました。

災害が発生したときに、愛犬と一緒にいられるかは分かりません。そのため、いざ離ればなれになっても再び愛犬と会うことができるように、やはり迷子札や鑑札、マイクロチップの装着(及び登録)を行ない、対策することは重要です。

飼い主自らが情報を入手しに行くこと

東日本大震災を受けて、環境省のガイドラインが策定され、多くの自治体で防災計画の見直しが行われています。その中で、避難時に犬を置き去りにせず、犬も一緒に避難することが原則とされている一方で、避難場所で愛犬と一緒に過ごせるかどうかは避難所の定めによって異なる(もしくは決まっていない)のが現状です。

ペットの飼育は全世帯に当てはまることではないため、なかなか早期に議論を進めて分かりやすく情報開示している自治体は多くありません。そんな中、飼い主が備えられることは、自分たちで積極的に情報を入手しに行くことと言えるのではないでしょうか。

2016年|熊本地震

熊本地震

記憶に新しい2016年4月に発生した熊本地震では、震度7以上の地震が複数回観測され、大きな被害を及ぼしました。この災害では、5年前に発生した「東日本大震災」から教訓を得て、多くの被災者によってペットとの同行避難が実施されたと言われています。

しかしながら、家屋倒壊の不安から車中やテントへの避難者が多く、エコノミークラス症候群や熱中症対策が問題となりました。また、同行避難後、ペットの受入れ体制が十分でない避難所もあり、飼養環境の確保等が課題として見えてきました。

この災害での教訓を活かし、更に2年後、環境省はガイドラインを改訂。飼い主が自らペットを守る「自助」の考え方を基本とするほか、同行避難の考え方などを改めて整理しなおした「人とペットの災害対策ガイドライン」が配布されています。

これまでの自然災害から学ぼう

犬と飼い主

地震や台風など自然災害のリスクは、この先の10年、20年も人々の生活を脅かし続ける可能性があります。そうしたリスクを低減するためには、過去から学び、備えることが大切です。まだ「犬の防災」を検討したことがない!という方は、ぜひこれからどう備えるのかを、過去の実例を参考に考えてみてはいかがでしょうか?

9月は防災月間!

9月の防災月間中は、毎日お昼の12時半ごろに「犬の防災」に関する情報配信をしています。
記事がアップデートされたら以下のページに掲載していくので、ぜひ過去のアーカイブもチェックしてみてくださいね!

参考文献
  • 更新日:

    2021.09.01

いいなと思ったらシェア