大規模災害が起きた際には、愛犬を連れて安全な場所に逃げることが最優先となりますが、災害が起きたときに愛犬と一緒にいられるかどうかは分かりません。
今回は、環境省発行の「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」に掲載されている『同行避難のフロー図』をもとに、飼い主さんの外出時に愛犬と別々に被災したとき、外出時に一緒に被災したとき、自宅で一緒に被災したときのそれぞれのケースを想定して、災害発生時に無事に避難所まで行き、数日間を無事に過ごす上で日頃から備えておきたい物資を考えていきます。
同行避難のフロー図によると、「飼い主さん自身が外出していて愛犬が家にいる状態で被災をしたとき」は、自身の健康状態や周囲の状況を考慮し、問題なく帰宅できるようであれば、安全に注意しながら帰宅をします。このとき自宅で不安な気持ちを抱えながら過ごす愛犬の命を守るためにやっておくべき物品の備えにはどのようなものがあるでしょうか?

飼い主さんの不在時に震災が起きたとき、小型犬であれば室内に頑丈な屋根付きのシェルターを、大型犬なら机やスペースを確保しておくと、いざというとき愛犬が逃げ込める場所を作っておくことができます。
ハードタイプやソフトタイプなど、クレートのタイプはさまざま。それぞれのメリットがあるため、愛犬の大きさや家の中で置く場所を考慮しながら準備しておきたいところ。シェルター付近には転倒するような家具は置かないことが前提となりますが、天井の空いたサークルだと落下物や家具の転倒から身を守れないため、災害用に準備するなら単独で使える頑丈なクレートタイプがオススメです。クレート本体の強度が高く、長年支持されている頑丈なクレートと言えばペットメイト社の「バリケンネル」。IATA航空輸送基準もクリアしている丈夫さと安定感が売りで、小型犬~大型犬用までサイズ展開も豊富。別売パーツを買い替えしやすいのも嬉しいポイントです。普段から扉を開けておけば災害時に活躍してくれそうです。
全8サイズ展開の強化プラスチックを使用したハードタイプのクレートです。10kg以上の中~大型犬向けサイズ(L80~L120)には、ストッパー付きの専用キャスターの取付が可能で取っ手が2つ付いているため、室内での移動も楽チン。サイドのバックルにはロック機能があるため、移動途中に外れる心配もありません。
交通機関のマヒや渋滞などで飼い主さんが自宅に帰宅するまでに時間がかかることも想定されます。その場合に備えて、愛犬用の飲み水は複数個所に多めに用意しておくと安心です。電気が必要なタイプのウォーターボウルであれば、災害時には電気の供給が電池に切り替わって水が流れ続けるものを選びたいですね。
科学技術で飼い主とペットに最高の心地よさを提供する「PETKIT(ペットキット)」の自動給水器(3rd世代)は、普段はコンセントからの電気で稼働しますが、万が一停電してしまったときにも電池で稼働してくれる安心の逸品。不純物除去をしてくれる4層のフィルターシステムによる浄水機能と、噴水式の循環機能を兼ね備えています。
震災のときには建物がゆがんで扉や窓が開かなくなってしまうことも。普段から家の中をフリーに過ごしている愛犬の場合には、扉が完全に閉まらないようにストッパーなどを設置しておきたいところです。また家具の置き場所には配慮した方が良いでしょう。
飼い主さんが自宅に戻るまでの間、もしかすると地震等の影響で家屋の一部が損壊し、パニックで愛犬が隙間等から逃げ出してしまうかもしれません。そんなときには自宅にいるときも首輪+迷子札を付けておくようにすると、万が一、愛犬が行方不明になってしまったとしても見つかる可能性が高まります。
また、マイクロチップ義務化の影響もあり、徐々にマイクロチップの装着数は増えてきています。最終的には飼い主さんの判断となりますが、災害時の備えとして装着を検討されてみてはいかがでしょうか?
「被災した際、自宅に帰るまでに時間を要して愛犬の様子を確認することができないことが何よりも不安だった」と語るのは、実際に2016年の熊本地震でポメラニアンの愛犬と被災された飼い主さん。
自宅に家族がいる場合には家族に連絡を取って愛犬と家族の無事を確認すればOKですが、家族が不在で仕事場が遠いとき・遠方に外出しているときには、自宅の様子が見れるペットカメラがあると少しは気持ちが落ち着くかもしれませんよね。
災害時や普段のお留守番で優秀な機能を発揮してくれるのは、ペットカメラの定番品とも言える「Furbo ドッグカメラ」。愛犬が吠えたとき・家事やガス漏れを検知したとき等に自動で検知してスマートフォンに通知をしてくれる機能が備わっています。自宅の置き場所には精査が必要ですが、広角160℃のレンズが幅広い視点で愛犬のことを見守ることができると言えます。
ただし、充電式ではなく、電源に繋がっていない状態では愛犬の様子を確認することができないため、ブレーカーが落ちた際などには利用できない点には注意が必要です。
愛犬と別々に被災したときの備えまとめ
続いて「外出時に愛犬と一緒に被災したとき」です。外出中は特にさまざまなケースが考えられますが、家の塀や電信柱・自動販売機などが崩れたり倒れたりする可能性も。安全な場所に移動する際はカバンや上着で頭を守り、愛犬のリードもしっかりと短く握ることが求められます。
今回は近場でのお散歩中に被災したことを想定しながら、自宅に帰れず外出先から安全に避難所に向かう際に必要な物資の備えを考えていきます。

外出中の災害で命を守るための行動ポイント
日頃から愛犬との外出と言えば「お散歩」がメインになりますよね。そして毎日のお散歩時もきっと飼い主さんのお散歩バッグには色々なものが入っているはず。さて、散歩中に大きな震災が起きたことを想像すると日頃からお散歩バッグに忍ばせておきたいものは何があるでしょうか?普段の散歩時に持っておきたいもの+αを考えてみました。
お散歩バッグに常時入れておきたい基本セット
上記の「お散歩バッグの基本セット」は災害時にも役立つこと間違いなし。普段のお散歩で荷物が重たいのは避けたいところですが、もし余裕があれば災害時にも重宝しそうな物品として以下のものが候補に挙げられます。
各種証明書の写真や愛犬の情報を記した連絡帳は、愛犬を救護シェルターなどに一時的に預けるときに必要になることがあるため、持っておくと安心です。原本を持っておくのはちょっと…という方は写真に撮っておくのがオススメ。愛犬連絡帳は、そのまま渡せるように普段から散歩バッグに忍ばせておきたいですね。
万が一愛犬が迷子になってしまったときに役立つのが愛犬の写真。意外と犬を飼っていない人に犬種名や特徴を伝えても通じないものです。普段からあらゆる角度から愛犬の写真を撮っておくと役に立つでしょう。
普段から飲んでいる常備薬があって常温保存でOKならお散歩バッグに少し忍ばせておくといいかもしれません。加えて病歴や服用回数などのメモを添えておけると万が一飼い主さんの身に何かあったときに愛犬の命を守ることに繋がりそうです。
災害時の同行避難の際、抱くことができない大型犬は特に、ガラスや瓦礫が散乱した場所を歩かなければいけないことも考えられます。そんなとき犬の靴があれば愛犬の足元を守ってあげることができます。厚生労働省の人とペットの災害対策ガイドラインでも避難用品として犬の靴が例に挙げられています。犬の靴を買って準備しておくだけでなく、普段から履けるように慣れさせておくことが大切ですね。
愛犬の足元をしっかりと守ることを目的に開発された「いぬくつ」は、底面から足先にかけてラバー素材でカバーし、摩耗が激しいつま先の生地を二重縫製で強化した丈夫な設計がポイントです。
一般的なアウトドアブーツと比較して、靴の丈が長いことが特長で、二重巻きの面ファスナーでしっかり足首を固定できます。身体を抱えることが難しい大型犬用のサイズ展開もあります(全8サイズ展開)。
愛犬連れで車で遠出することがあれば、滞在先の近くの動物病院や避難所をチェックしておくと安心です。もしもに備えて車載用防災セットを準備している方も少なくありません。渋滞で全く身動きが取れなくなることも考えると、普段のお散歩バッグに加え、「非常時持ち出し品」「備蓄品」を車に積んでおきたいところです。
また愛犬用のシートベルトを使っている方もいらっしゃると思いますが、いざという時に備えて、愛犬を入れておけるクレートの準備も必要になりそうですね。
お散歩バッグに入れておきたい+αの備えまとめ
車に積んでおきたい備えまとめ

最後に「自宅で愛犬と一緒に被災したとき」です。愛犬と一緒に自宅にいるときに災害が起きたら、災害時の状況・避難勧告の情報をよく聞いた上で、避難が必要な場合には愛犬を呼び寄せて一緒に同行避難を行ないます。このとき「非常用持ち出し品」を玄関などに準備しておき、素早く持って逃げられるようにしておくことが推奨されています。
「非常用持ち出し品(1次持ち出し品)」は、避難時にすぐに持ち出すべき最低限の備えで、被災時・非常時の最初の1日目をしのぐための防災グッズと言われます。安全な場所に避難する上で頭や足元を守る避難用品や最低限の食料などの物資が挙げられ、家庭の玄関先や寝室・勤務先など1日の多くを過ごす場所に備えておきます。
それでは、具体的にどんな物品の備えが必要になるのでしょうか?見ていきましょう。
非常用持ち出し袋を準備する際のポイント
上述の通り、お散歩バッグの中に普段から入れておきたい一式のグッズである、予備のリードやペットシーツ等は災害時にも役立ちます。自宅に置く際は、毎日使うお散歩バッグ一式とまとめて保管し、避難時に一緒に持って行けると導線がスムーズになりそうですよね。もちろん「非常用持ち出し品」用として、予備のリード等を別で準備しておく方法も◎です。
震災時に周囲の落下物などから飼い主さん自身の頭を守るために、お散歩バッグはチャック付きで頭を守るときに使っても中身がこぼれないものがベターです。また愛犬をホールドする必要があることを考慮すれば、両手が空くような肩にかけられるタイプやリュックタイプが良さそうですが、愛犬のキャリーやクレートと「非常用持ち出し品」と一緒に持つことを考えて形状を決めたいところですね。
大規模な災害が起こった場合、支援の手が行き届くまでに3日以上かかると言われているため、少なくともその間は自力でしのげるよう準備しておくことが必要。特に療法食などの特別食を必要としている場合には、さらに長期間分の用意が必要となります。愛犬の健康状態に合わせて優先して備えておくようにしましょう。
救援物資は普段利用しているドッグフードと同じものが手に入るとは限りませんので、愛犬が好き嫌いなく救援物資を利用できるように日頃からさまざまなものにトライさせておくことが求められます。手作り食の方もたまにはカリカリを食べさせておくと安心ですね。最近では比較的長期間の保存が可能なウェットタイプのドッグフードもあります。
飼い主さんと愛犬で分け合うことができる栄養満点の非常食。常温保存で1年は保管することができます。グルテンフリーの玄米やアレルギーの少ない馬肉・たんぱく質の多い大豆・国産野菜を抱負に使用しているため、家庭での手作りご飯に近い味わいになっていると好評です。人間用の非常食に加えて愛犬用も…となるとたくさんの種類を準備しなくてはならなくて大変ですが、こちらの商品であればどちらかの食料が足りないときに補完し合えそうですよね。
愛犬用の食器は普段使用している陶器やプラスチックのものではなく、コンパクトで軽量なものを選ぶと邪魔になりません。また使い捨てのものにラップを敷いて複数回使用することも可能です。
携帯にとっても便利な折りたたみ式の小型フードボウルです。その重さはなんとたったの80g!超軽量で、折りたたみ式・手のひらサイズにコンパクトにまとまる仕様のため、防災グッズとして重宝します。防水加工も施されているため、パパっと洗って使うことが出来ます。フック付きなので、普段のお散歩バッグに付けておくのもいいですね。
愛犬用の非常用持ち出し品まとめ
震災が起きた際には当然飼い主さん自身も無事に避難し、1日目を過ごす必要があります。各自治体や省庁でリスト化されている人間用の「非常用持ち出し品」には以下のようなものが挙げられています。ペット用よりも遥かにたくさんの種類の「防災セット」が販売されていますので、その中から「非常用持ち出し品」としてオススメの商品をご紹介します。
防災用品のトップメーカーと防災士が共同開発した防災セットです。リュックの中身が用途別にポーチに分けられており、「各ポーチに何が入っているか?」「賞味期限がいつか?」を一目でチェックすることができます。リュックの中身に余裕もあるので、貴重品などを入れる場所も確保できそうです。こちらのセットには以下の「非常用持ち出し品」のうち(※)印が付いた用品がリュックの中に含まれています。重さも1人分で約5.3kgと抑えられているため、愛犬との同行避難に嬉しいですよね。
【貴重品】
【情報収集用品】
【避難用品】
【非常食品】
【寝具】
【救急用品】
【衛生用品】
自宅で被災し、愛犬と同行避難をするときは、愛犬と一緒に「非常用持ち出し品(1次持ち出し品)」を持って避難所まで安全に移動できることを考える必要があります。このとき「非常用持ち出し袋」の重さや形態が重要な観点となります。
小型犬をキャリーバッグやクレートに入れて避難する場合は合わせて非常用持ち出し袋を無理なく持つことが出来ること、大型犬を歩かせて避難する場合は片手が空いていることや愛犬に引っ張られてもよろけない重量であること等が大切な要素となります。

防災グッズと言うと、ついついアレもコレもとリュックに詰め込みたくなってしまいますが、まずは愛犬と安全に避難できることが最優先となります。様々なシチュエーションで実際に震災が起きたことを想像しながら、状況に合わせて必要な物品を考えてみてください。愛犬と暮らす方にとって「非常用持ち出し袋」を持ちながら愛犬と歩けるかどうか・愛犬を抱えられるかどうかは重要なポイントと言えます。ぜひ普段のお散歩などの時間に避難訓練をして防災グッズの量やバッグの形状を調整してみてください。
ドックドッグでは、2021年9月の防災月間に30日間連続で「犬の防災」に関するオリジナル情報配信してまいりました。
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「愛犬のための防災特集」記事一覧