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飼い主に肉球にワセリンを塗り込まれる白黒の可愛い犬
お手入れ
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2021.08.05

【獣医師監修】犬にワセリンは使えるの?メリットやおすすめの商品を紹介

ワセリンは保湿やケガなどどんなことにも使いやすい保湿剤です。犬にも使ってみたいものの、使えるのか不安な方もいるのではないでしょうか。また使えるとすれば、どんな効果があるのでしょう。
今回はワセリンがどんなものなのか、犬に使える理由やおすすめの商品などを紹介していきます。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:かしま あやの/ドッグライター)

そもそもワセリンとは

ピンクの背景に青い蓋のワセリンが置いてある

ワセリンは、石油を精製した保湿剤です。皮膚の表面に油膜を張ることで皮膚からの水分蒸発を防ぎ、乾燥防止の効果が得られます。

成分

ワセリンの成分は天然由来の石油です。石油と言っても、肌に刺激がある不純物はほとんど取り除かれたものです。精製度に応じて色が異なるのが特徴で、純度が低いものは黄色、高いものは白色をしています。

犬にワセリンがおすすめな理由5つ

ベッドの上で前足を舐めるかわいい子犬

犬にワセリンがおすすめな理由は以下の5つです。

【1】低刺激

ワセリンは肌に刺激があるミネラル成分を取り除いており、刺激が少ないと言われています。精製度が高いものほど不純物が少ないため、犬にも安心して使用できるでしょう。酸化しにくいため、防腐剤などが無添加の製品が多いのもポイントです。

しかし、初めて使用する場合には使用後に問題がないか見てあげてください。

【2】安全

ワセリンは安全性が高い石油が原料で、医療現場でも使用されています。副作用が起こることもほとんどなく、手に付着したワセリンが口に入ってしまっても、体に吸収されにくいため問題はないとされています。

犬にワセリンを塗ると、なめる心配がありますが、多少なら問題ないでしょう。もし犬がワセリンをなめてしまった後に、下痢などの症状が続くようであれば動物病院を受診してくださいね。

【3】匂いがしない

ワセリンには匂いがありません。犬にクリームを塗るとすぐなめてしまいますが、ワセリンは匂いがしないためなめにくいこともあるようです。匂いに敏感な犬にはうれしい点ですね。

【4】コスパが良い

ワセリンはほんの少量でも良く伸びるため、コスパが良いという点も魅力です。酸化しにくいため、衛生的に使用すれば使用期限まで安心して使えるでしょう。

【5】用途が広い

ワセリンは人のスキンケアに使用できるほか、犬の肉球ケアから皮膚や鼻の乾燥防止など、幅広く使用できるアイテムです。軽い傷のケアなどにも使用でき、飼い主さんと犬が一緒に使えるのも魅力です。犬に使った後に人が使う場合は手を洗ってから使うようにしてくださいね。

こんな犬にはワセリンがおすすめ

乾燥してカピカピになった犬の鼻

下記のような犬やシーンにはワセリンがおすすめです。

【1】肉球が乾燥しがちなコ

肉球は外部からの刺激を受けやすいため、乾燥しやすい場所です。ワセリンは保湿効果が高いため、肉球が乾燥しやすい犬の乾燥防止に役立ちます。

【2】シニア犬

シニア犬は肉球の乾燥をはじめ、皮膚や鼻などさまざまな場所が乾燥しやすくなります。ワセリンを塗ることは、簡単にできる家庭でのケアのひとつです。肉球や鼻などの乾燥が気になり始めたら使ってみるのもおすすめですよ。

【3】散歩後

散歩後に刺激や負担のかかった犬の肉球ケアにも、ワセリンは有効です。表面が固く血管が少ない肉球は、病気になると治りにくい場所です。特に長時間散歩する犬の場合には、ワセリンでしっかりケアしてあげましょう。

【4】室内で滑りやすいコ

犬の肉球は滑り止めやクッションの役割を果たしています。乾燥してしまうと硬くなり角質化するため滑りやすくなってしまいます。室内でよく滑ってしまうという場合は、保湿効果があるワセリンなどで保湿してあげると、滑りにくくなるかもしれません。

【5】アウトドア前後

たくさん走った後の肉球のケアや、ケガをしてしまったときの傷の保護にもワセリンは使用できます。海や川遊びなどアウトドアが好きな飼い主さんや犬には、ワセリンがひとつあると便利ですね。

犬用におすすめのワセリン商品5つ

飼い主の手で肉球にワセリンを塗り込まれるこげ茶の犬

犬におすすめのワセリンを紹介します。

【1】容量展開が幅広いヴァセリン

薬局でもよく見かける「ヴァセリン ペトロリュームジェリー」は、アメリカから輸入されている黄色ワセリンです。少量タイプは散歩の際に持ち運ぶのにも便利なほか、衛生面が気になる方には、犬用人用と分けて使うこともできます。乾燥が気になる箇所が多い犬や、シニア犬などで頻繁に使う場合には大容量のものもおすすめです。

【2】最も不純物が少ない白色ワセリン

「サンホワイトP-1」は、市販されている白色ワセリンの中でも最も不純物が少ないと言われているワセリンです。刺激性が少ないので、敏感肌や乾燥によるトラブルが気になる犬にも安心して使えます。

【3】酸処理しない精製方法を用いたワセリン

酸処理を伴わない精製方法で不純物を取り除いている「ワセリンHG」は、刺激が少なく肌にやさしいワセリンです。チューブタイプや容量が違うものもあるので、使いやすいタイプを選べます。

【4】べたつきが少ないピュアワセリン

「プロペト ピュアベール 100g」はワセリンの中でもべたつきが少ないのが特徴です。伸びがいいため、肌にも負担をかけずに使用できるのがうれしいですね。添加物が一切加えられていないため、なめてしまう犬にも安心して使えるピュアワセリンです。

【5】新生児から使える安心のワセリン

新生児期から使用できるベビーワセリンは、パラベンや香料を使用しない白色ワセリンです。口唇など薄いところにも使用できるため、犬の皮膚にも安心して使用できます。

犬の皮膚や肉球ケアにもワセリンはぴったり

飼い主に肉球にワセリンを塗り込まれる黒い犬

人にも使い勝手のいいワセリンは、幅広いシーンで使え、犬にもぴったりのケア用品です。精製度の違いはあるものの、全体的に副作用が少なく安心して使用できそうですね。いろいろな商品が発売されているので、犬や飼い主さんのニーズに合った商品を見つけてみてください。ひとつ常備していると何かと便利ですよ。

正しく使用して毎日のケアに役立ててあげられるとよいですね。

  • 更新日:

    2021.08.05

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。