magazine

白いフローリングの上で暑そうに横たわって舌を出して眠るパグ犬
健康管理 / 病気
鉛筆アイコン

2021.07.30

熱中症になりやすい犬の特徴とは?犬種や年齢についてご紹介

暑い季節になると、人と同様、犬も熱中症になることをご存知でしょうか。犬は身体から汗をかけないことや、全身毛で覆われていることなどから熱中症のリスクが高く、飼い主さんが十分に注意してあげる必要があります。
ここでは、熱中症になりやすい犬の種類や年齢、飼育環境などについてご紹介します。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

犬の熱中症はどんな病気?

晴れ渡る青空の下で草むらの中で飼い主からペットボトルの水を飲まされる白いラブラドールレトリバー犬

犬の熱中症は、急な気温上昇などに身体が順応できず、体温が異常に上昇することで発症します。

熱中症の症状

犬が熱中症になると、口を開けてハァハァと激しい呼吸(パンティング)をする、目が血走る、舌や歯茎が真っ赤になる、身体を触ると熱い、大量のよだれなどの症状が現れます。

高体温が続くことで全身の臓器がダメージを受け、熱中症の症状が落ち着いた後も慢性的な腎不全や肝不全などの後遺症が残ることも珍しくありません。応急処置で回復したように見えても、必ず動物病院を受診することが大切です。

緊急度の高い症状

嘔吐や下痢、けいれん、チアノーゼ(酸素濃度の低下による酸欠により、舌や歯茎が紫色になる)、ぐったりする、血尿・血便、意識消失などの症状が見られる場合は、命に関わる危険な状態です。

この記事もチェック!

熱中症になりやすい犬の種類

床に伏せる黒のブルドッグ

短頭種や寒い地域原産の犬、黒い犬は熱中症になりやすいといわれています。

短頭種

ブレンチ・ブルドッグやパグ、ボストン・テリア、ペキニーズ、シー・ズーなどの短頭種、いわゆる「鼻ぺちゃ犬」は身体の構造上、熱い空気が体内に入りやすく唾液を気化して熱を逃すことが苦手です。身体に熱がこもってしまうため、熱中症のリスクが非常に高いと言われています。

寒い地域原産の犬

シベリアンハスキー、サモエド、アラスカン・マラミュート、グレートピレニーズなど、寒い地域原産の犬種は、日本の高温多湿な気候が苦手です。身体の保温のために分厚い被毛をもち、放熱しにくいため、熱中症に陥りやすくなります。

黒い犬

被毛が黒い犬や色が濃い犬は、日光の熱を吸収しやすく、容易に体温が上昇してしまいます。

熱中症になりやすい犬の年齢や体質

地べたに座りこむ黒い犬

熱中症のリスクが高い犬の年齢や体質についてご紹介します。

年齢

身体が未発達な子犬や、生理機能が低下した高齢犬は、体温調節が苦手なために熱中症になることがあります。

体型

肥満の犬は皮下脂肪が厚く、脂肪が断熱材となって熱がこもりやすくなります。また、首まわりにも脂肪が付いて気管を圧迫し、スムーズに呼吸できなくなることで体温調節が難しくなります。

持病がある犬

心臓病や腎臓病、呼吸器疾患などの持病をもつ犬も、熱中症のリスクが高いことがわかっています。

熱中症になりやすい犬の生活環境など

街路樹の生えるタイル張りの道を飼い主と散歩する白黒の犬

犬の熱中症には、その犬がもつ特性だけでなく、生活環境などが大きく関係しています。

高温多湿の環境

熱中症は、高温多湿な環境に身体が対応できないことで発症する病気です。室内でも容易に発症するので、暑い季節に犬をお留守番させるときなどは必ずエアコンや扇風機を使い、温度・湿度を管理しましょう。クールマットやクールバンダナなどの保冷グッズの活用もおすすめです。

車内でのお留守番は大変危険です。短時間であっても車に残さないようにしましょう。

暑い時間帯の散歩

夏の暑い日は、日光が当たったアスファルトの路面の温度が60度を超える高温になることがあります。人がお出かけできる温度と感じていても、地面近くを歩く犬は人以上に暑さを感じており、熱中症のリスクが高くなります

曇りの日や雨の日を選んでお散歩したり、天気の良い日であれば日中の散歩は控え、早朝や夜遅く、気温が下がってからお出かけしましょう。長時間のお散歩コースを選ばないことも大切です。

水分が摂りにくい環境

暑いときに水分補給できない環境にいたために、熱中症を発症してしまうケースもあります。

お留守番させる際には水を入れた器を複数の場所に用意したり、自動給水器を使用しましょう。一緒にお出かけする際も、いつでも水分補給できるようにペットボトルなどに水を入れて持ち歩きましょう。

熱中症になりやすい犬は飼育環境の見直しを

白いベッドの上で扇風機の風を浴びながら眠る白い犬

熱中症は命に関わる怖い病気ですが、飼い主さんの工夫で予防できる病気です。熱中症のリスクが高い犬は特に注意し、部屋の温度管理や散歩の時間を見直してみましょう。

熱中症は一刻の猶予も争う病気です。もし熱中症が疑われる症状が見られたら、身体を冷やす、水を飲ませるなどの応急処置をして、すぐに動物病院を受診しましょう。

  • 更新日:

    2021.07.30

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。