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犬の尻尾
犬の生態 / 気持ち
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2021.06.17

犬の尻尾には骨がある?尻尾の構造と種類・役割まで徹底解説

犬の尻尾は右へ左へ自由自在に動くことから、「どこまでが骨なのかな?」と疑問に思った経験はないでしょうか?
本記事では、犬の尻尾の構造や種類について解説していきます。また、尻尾が骨折してしまった際に起きる症状や対処法も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。 犬の尻尾に関する知識を深め、もし骨折が起きても、いち早く対応できるようにましょう。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:後藤 俊)

犬の尻尾に骨はある?尻尾の構造を解説

尻尾を丸めた犬の後ろ姿

犬の尻尾には、付け根から先端にかけて「尾骨」と呼ばれる骨が通っています。尾骨は尻尾の長さに応じて6~23個程度が繋がっており、先端にいくほど細くなっているのが特徴です。

そして、尾骨の中心を脊髄神経が通っており、尾骨の周りにはある筋肉を支配しているため、犬は尻尾を振ったりすることができるのです。

犬の尻尾の種類

犬の尻尾は、形状の違いによってそれぞれに名前が付いています。代表的なものを以下にまとめました。

犬の尻尾の種類

  • カールドテール(巻き尾):上向きに巻いた尻尾。柴犬など
  • ボブテール:尻尾が無い、または断尾で短くなった尻尾。ウェルシュ・コーギーなど
  • スクリューテール:らせん状の尻尾。ボストン・テリアなど
  • ブルームテール(飾り尾):羽状の飾り毛があり、垂れ下がった尻尾。ゴールデン・レトリーバーなど
  • オッターテール:カワウソの尻尾に似た、根本が太く、先端が細い尻尾。ラブラドール・レトリーバーなど
  • セイバーテール(立ち尾):剣に似た形状にカーブした尻尾。ビーグルなど
  • スクワーラル・テール(リス尾):リスの尻尾に似た、ふわふわした毛で覆われた尻尾。パピヨンなど

犬の尻尾の3つの役割

尻尾をピンと立てた柴犬

犬の尻尾には主に3つの役割があります。それぞれ解説していきます。

1.感情表現

犬の尻尾は感情を表現する部分でもあります。「犬が尻尾を振っているときは喜んでいる証拠」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

警戒しているときは尻尾が上向きに真っ直ぐ立つなど、その時々の感情を読み取るのに活用できます。

2.体のバランスをとっている

犬は走っている際や急にターンをする際には、尻尾も一緒に動かし、転倒しないようにバランスをとっています。

地上だけでなく、水を泳ぐ際にも尻尾を起用に使い、泳ぐ方向のバランスをとります。これは犬だけでなく、多くの動物に見られる特徴です。

3.寒さ防止

犬は尻尾を体温調整にも役立てています。寒い日などに、犬が体を丸めている姿を見たことはありませんか?あれは尻尾を体に巻きつけ、体温を上げるための行動です。

また、尻尾で鼻を塞ぎ、冷気を吸い込まないようにもしています。犬にとって、尻尾は寒さを防止に欠かせないものなのです。

犬の尻尾も骨折する!原因や症状を解説

じゃれあう2頭の柴犬

犬の尻尾には骨が通っているため、当然ながら骨折することもあります。犬の尻尾が骨折するのにはどんな原因があるのかについてや、骨折してしまった際に起きる症状について解説していきます。

犬の尻尾が骨折する原因

尻尾の骨折は、交通事故や転倒といった、外側から強い力が加わることによって起きることがほとんどです。高齢犬の場合は骨密度が低く、些細な衝撃で骨折することもあるため、注意が必要です。

飼い主さんが尻尾を踏んでしまったり、尻尾をドアに挟んでしまうことでも骨折してしまうため、室内犬でも骨折の危険があることを理解しておきましょう。

犬の尻尾が骨折した際の症状

尾骨の骨折は、骨部分のみのものと内腔の脊髄神経に影響するものとに分けられ、多くの場合痛みが伴うため、以下のような症状が現れます。わかりやすく尻尾の形が変形していれば、飼い主さんも気づきやすいですが、見た目からだけでは骨折だと気づきづらい場合もあります。

尻尾を骨折したときに見られる主な症状

  • 尻尾を曲げられない
  • 歩きづらそうにする
  • 排泄ができなくなる

骨折を痛がらない場合も

尻尾が骨折していたとしても、症状が軽度で、普段の生活をする程度では痛みを感じていないケースもあります。

そういったときは、尻尾を触った際にビクッと反応するときがあるため、スキンシップによって骨折を発見することも大切です。僅かな行動の変化からも骨折の可能性を疑うようにしましょう。

犬の尻尾が骨折した場合の対処法や治療費を解説

動物病院で医者の処置を受ける犬

犬が尻尾を骨折させてしまった際の対処法と、治療にかかる費用を解説していきます。万が一に備え、骨折が起きてもすぐに対応できるようにしましょう。

犬の尻尾が骨折した場合の対処法

犬の尻尾が骨折していると感じたら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。もし、すぐに動物病院へ連れていけない場合は、尻尾に固い木などをきつくない程度に固定しましょう。この処置により、骨折の影響が脊髄神経へ及ぶのを防ぐことができる場合があります。

尻尾を固定することで、一時的に負担を減らすことができます。しかし、この処置は犬が尻尾を触られても平気なときに限ります。嫌がっているのに無理やり固定しようとするのはやめましょう。

また、痛みから攻撃的になっていることも考えられるため、十分注意して尻尾の固定を行ってください。

放置は厳禁

尻尾の骨折が軽度なものだと自己判断し、放置するのはやめましょう。骨折は症状の大きさに関わらず、動物病院で治療してもらう必要があります。

犬が平気そうにしていても、時間がたってから症状が悪化することが十分ありえます。時間が経ちすぎると、元の形に戻らなくなるといったトラブルも起きるため、早期の治療を心がけてください。

犬の尻尾が骨折した場合にかかる治療費

尻尾の骨折の際にかかる治療費は。受診する病院や症状の程度によって変動します。手術を必要とする場合と、痛み止めやギプス固定といった内科治療のみの場合にかかる治療費の目安は以下の通りです。

●手術・入院あり:約120,000円~180,000円
●内科治療のみ:約10,000円~30,000円

愛犬の尻尾を日頃から観察しよう

丸めた尻尾が印象的な犬の後ろ姿

普段から愛犬の尻尾を観察しておくことで、僅かな異変にも気づけるようになります。いつもより尻尾が上がっていなかったり、変な方向に曲がっている場合は、骨折を疑いましょう。

骨折を発見した際は、すぐに動物病院で治療してもらうことが大切です。治療が早くできるほど、良い経過を望めるようになります。

尻尾の骨は他の骨に比べて小さいことから、僅かな衝撃でも骨折してしまいます。愛犬の尻尾が危険にさらされないよう、日頃から気を配ってあげてください。

  • 更新日:

    2021.06.17

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。