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自分の尻尾を噛む犬
健康管理 / 病気
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2021.06.03

【獣医師監修】犬が自分の尻尾を噛むのはなぜ?考えられる原因や対処法まとめ

愛犬が自分の尻尾を噛んでいるような場合は、なんらかのトラブルを抱えていることが考えられます。放っておくとどんどんエスカレートしてしまうことがあるので、早めに対処することが大切です。この記事では、犬が自分の尻尾を噛む理由や対処法について解説します。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:新井 絵美子/動物ライター)

犬が自分の尻尾を噛む理由とは?

犬の尻尾のクローズアップ

犬が自分の尻尾を噛んでいるのは、なんらかの問題があるサインです。適切に対処するために、まずは尻尾を噛む理由を知っておきましょう。

1.ストレスが溜まっている

ストレスが溜まっていると、自分の尻尾を追い回して噛むことがあります。ストレスの原因はさまざまですが、ストレスになりやすい要因としては、以下が挙げられます。

尻尾を噛んだからといって、ストレスの原因が取り除けるわけではありませんが、不安や恐怖などの気持ちを紛らわせようとして、尻尾を噛む行動を取ってしまうこともあります。

ストレスの要因(例)

  • 運動量が足りていない
  • コミュニケーション不足
  • 社会化不足
  • 引っ越しなど、生活環境の大きな変化

2.皮膚炎を起こしている

皮膚炎の強い痒みにより気にして噛んでいる可能性もあります。 考えられる原因は様々ですが、例えば細菌感染やノミやダニなどの外部寄生虫の感染などが考えられます。

ノミやダニの好適な環境条件は、気温18~27度、湿度70%くらいです。そのため、4~11月まで月1回、駆除薬を投与することが推奨されています。駆除薬により予防をするようにしましょう。

病気が原因で犬は尻尾を噛むこともある!

お尻のあたりを気にする犬

犬は以下のような病気が原因で、尻尾を噛むこともあるので注意が必要です。

常同障害

ストレスにより気を紛らわせるために、一時的に尻尾を噛むことは決して珍しことではありません。しかし、1日に何度も行うようであれば、常同障害が疑われます。

常同障害とは、ストレス状態がずっと続いたり、過度の不安でどうしたらよいかわからなくなったときなどに、常に同じ行動(今回の場合は尻尾を噛む行動)を繰り返していないと気持ちが落ち着かなくなってしまう精神疾患です。

常同障害の治療は、薬物療法や行動修正法により回復を図ります。尻尾を噛みちぎってしまうこともあるので、早めに動物病院を受診しましょう。

常同障害により尻尾を噛む行動が多い犬種

常同障害により尻尾を噛む行動は全ての犬に起こり得ますが、以下の犬種に多く見られる傾向にあります。

  • 柴犬
  • ポメラニアン
  • ジャックラッセルテリア
  • ミニチュアブルテリア など

神経症状

神経症状により、異常な興奮で尻尾を追いかけて噛むことがあります。

急に起き上がって尻尾を噛んだり、呼びかけても止めることが出来ないくらい執着をして噛む場合は、無意識下での神経症状による可能性があるので、早めに獣医師の診察を受けたほうがよいでしょう。

皮膚病

皮膚病により尻尾に炎症が起きている可能性もあります。放置していると二次感染を引き起こし、治るまでに時間がかかってしまいます。何度も尻尾を噛む場合は、炎症が起きていないかチェックしましょう。

犬に自分の尻尾を噛むのをやめさせる方法

犬 尻尾 噛む

尻尾を噛む場合は、以下のように対処してやめさせるようにしましょう。

ストレスの原因を取り除く

ストレスが原因と思われる場合は、ストレスの原因を取り除くことで、尻尾を噛まなくなることが期待できます。

運動不足の場合は、散歩時間を長くする、定期的にドッグランで思いっきり走らせるなどをしてあげましょう。特に、狩猟犬や牧羊犬として活躍していた犬種などは運動欲求が高いので、運動量が足りないとストレスになりやすい傾向にあります。

また、留守番をさせることが多い場合や、生活環境が大きく変化した場合などは、愛犬が不安な気持ちにならないよう、積極的にコミュニケーションを取るように心がけることが大切です。

ストレスの原因を探り、その原因に応じて対処するようにしましょう。

エリザベスカラーを装着する

エリザベスカラーを装着して、尻尾を噛めないようにするのも1つの対処法です。柔らかい素材のものやクッションタイプなどを選んであげれば、ストレスになりにくいでしょう。

特に、強いかゆみを伴っている場合は頻繁に噛もうとすることが多いので、エリザベスカラーを着ければ尻尾が傷つくのを防げます。

愛犬が自分の尻尾を噛む場合は要注意サイン!

犬 尻尾 噛む

愛犬が自分の尻尾を噛んでいるときは、要注意サインです。軽視せずに適切に対処して噛む行動をやめさせるようにしましょう。

また、ストレスにより常同障害に発展し、出血するほど執拗に尻尾を噛む場合は、飼い主さんだけで治すのは難しいと言えます。早めに動物病院を受診するようにしましょう。

  • 更新日:

    2021.06.03

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。