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扇風機の風を感じるソファに座った優雅な犬
健康管理 / 病気
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2021.06.12

犬が快適に過ごせる適正な湿度とは?健康トラブルも解説【獣医師監修】

犬を飼育する上で、室温の管理が重要だということは有名ですが、湿度にまで気を配らなければいけないということはご存知でしょうか。湿度管理は、犬の健康管理をする上でとても大切なものです。
本記事では、犬にとっての適正な湿度や、湿度管理を怠ることで発生する弊害について解説していきます。湿度を適正に保つための方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:後藤 俊/ライター)

犬が快適に過ごせる適正な湿度

フカフカのベッドで退屈そうに過ごす犬

犬が生活する上で適正な室内湿度は、40~60%です。湿度が1度上がると、犬の体感温度も1度上がります。

室温に気を配っている飼い主さんは多いですが、湿度はつい見逃してしまいがちです。湿度は犬の体調に直結しているということを理解しておきましょう。

犬は湿度に弱い

犬の皮膚は人間に比べてとてもデリケートなため、湿度が高いと蒸れやすく、湿度が低いと乾燥しやすいという特徴があります。

したがって、室温が適切でも、湿度が適切でないと、体調不良の原因になってしまうのです。犬の健康トラブルを防ぐためにも、室内の湿度にはしっかり気を配ってあげるようにしましょう。

犬は湿度の変化で体調を崩すことも

グレーの毛布にくるまっているジャックラッセルテリア

犬は、湿度の変化によってどんな健康トラブルを発生させてしまうのでしょうか。湿度が高い夏場と、湿度が低い冬場に分けて解説していきます。

湿度が低い冬場の健康トラブル

湿度が低い冬場に考えられる犬の健康トラブルについて解説していきます。

皮膚の乾燥

湿度が50%を下回ってくると、乾燥によるひび割れやあかぎれといった皮膚トラブルが発生しやすくなります。また、乾燥によって痒みが生じ、身体を掻いてしまうといった仕草が見られるようにもなるでしょう。

身体を掻いてしまうと、傷口からの感染が原因で皮膚病に発展する可能性もあります。したがって、皮膚の健康を保つ意味でも、湿度が低い状態は避けてあげてください。

免疫機能の低下

湿度が低いことにより、呼吸器の粘膜が乾燥し、咳を発生させやすくなります。さらに、免疫機能が下がり、ウィルスへの感染リスクも高まるでしょう。

ウィルスによって咳の症状が悪化すると、肺炎といった呼吸器系の病気を併発する恐れもあります。また、呼吸器系の疾患をすでに抱えている場合は、症状を悪化させることにも繋がるので、十分注意してください。

湿度が高い夏場の健康トラブル

湿度が高い夏場に考えられる犬の健康トラブルについて解説していきます。

熱中症

湿度が60%を超えてくる状況では、熱中症のリスクが高まります。犬は身体全体が被毛で覆われているため、皮膚が蒸れやすく熱がこもりやすいという特徴があります。

熱中症は最悪死に至ることがあるため、十分気を付けなければいけません。夏場は特に、室温だけでなく、湿度の管理も徹底しましょう。

皮膚の雑菌が繁殖する

湿度が高いと雑菌が繁殖しやすくなるため、皮膚病を発症する恐れがあります。先程も解説したとおり、犬の身体は被毛によって蒸れやすくなっています。

人間にとっては快適だと感じる湿度でも、犬にとっては蒸れによって、皮膚の痒みや赤みを発生させる可能性があるということを理解しておきましょう。

呼吸器の異常

湿度が高い部屋はカビが発生しやすくなっているため、犬がカビを吸い込んでしまう可能性があります。カビを吸い込んでしまうと、呼吸器系の病気に発展する場合があります。

犬は人間に比べて床に近い場所で生活しているということを理解し、高湿度によるカビの発生を防ぐようにしましょう。

犬のために湿度を適正に保つ方法

空気清浄機が設置された室内で快適に過ごす窓辺のポメラニアン

犬が快適に過ごせるように、適切な湿度を保つ方法を紹介していきます。湿度を気にしたことがなかったという方は、ぜひ参考にしてみてください。

湿度計を用意する

湿度を管理する上で欠かせないものといえば、湿度計です。湿度計を部屋の見やすい位置に置いておくことで、湿度管理がしやすくなるでしょう。

室温計と湿度計を1つずつ用意すると場所をとるので、室温と湿度が一緒に表示される商品がおすすめです。

除湿機・加湿器を利用する

夏場は除湿機、冬場は加湿器を利用して、湿度の調整を行いましょう。犬のために加湿器や除湿機を購入する際は、アロマを利用できる機能などが無い、シンプルな商品が好ましいです。

アロマは犬にとって、安全なものであるかどうかがわかっていません。あくまで目的は、犬のための湿度調整だということを忘れないでください。

定期的なお手入れをしよう

除湿機や加湿器の手入れは定期的に行いましょう。タンクやフィルターが汚れていると、空気が汚れ、犬の体調不良を引き起こすことがあるからです。

除湿機や加湿器自体がカビの温床になってしまわないように、注意して利用してください。

換気をする

部屋の空気を定期的に入れ替えるようにしましょう。換気をすることによって、夏場は除湿、冬場は乾燥によるウィルスの蔓延を防いでくれます。

費用がかからず、簡単にできる対策ですので、普段の生活に取り入れてみてください。

まとめ

きれいにベッドメイクされたベッドの上で優雅に伏せする犬

犬が快適に過ごすためには、40~60%の湿度が適正だといわれています。湿度管理を怠ると、皮膚病や呼吸器系の病気の発症にも繋がるため、注意が必要です。

犬は人間に比べて低湿度や高湿度に弱いことを理解し、換気といった対策を行うようにしましょう。犬のために行う湿度管理は、私たち人間の健康にとっても良い行動です。

愛犬と飼い主共々、健康的な生活を送れるように、湿度管理を日常に取り入れてみてください。

  • 更新日:

    2021.06.12

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。