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柴犬 小説
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2021.06.27

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと【第2部】|vol.20

豆しば暮らし|ベビーサークルの攻防

お座りもハイハイもできるようになったハルカちゃん。
家事などで、ママがどうしても目を離してしまう間は、ベビーサークルの中で遊んでいます。
その場所を、虎視眈々と狙う者たちがいました。

#柴犬 / #豆しば暮らし

笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語【第2部】の連載第20話です。

最近のブーム

それは、メロンの子供たち。

目がぱっちりと開き、足もしっかりとしてきた子供たちは、もうやりたい放題です。
パパやママに怒られることもしばしば。
その度にメロンは、うちの子がご迷惑をおかけして申し訳ありませんとでも言いたげな神妙な顔で、きちんとお座りしていました。

ここ数日、子供たちがハマっているのはジャンプ遊び。
ソファによじ登り、肘掛けの上から飛び降りるのです。

それを飽きもせず繰り返していました。

面白いのは、きちんと順番を守ること。
後から飛び降りた子が先にソファによじ登っても、ソファの上で順番待ちをしています。 

また、上手くよじ登れない子や、ジャンプをためらう子がいれば、みんなで助けたり教えたり励ましたり。

「我々が忘れかけた美徳が、君たち日本犬には備わっているんだねぇ」

感動しながらも、アクティブすぎる子供たちを心配したママは、ソファの周りに座布団を敷き詰めました。
着地した時の柔らかい感触がクセになって、さらにジャンプ熱を加速させてしまうとも知らずに…。

いざベビーサークルへ

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ソファを制覇した子供たちが、次に狙うはベビーサークル。
程よい柔らかさのマットとふかふかのタオルが敷かれ、おもちゃがたくさんあるあの場所が、子供たちには楽園のように思えるのでしょう。

幸い、子供たちはとても小さく、ベビーサークルの柵の隙間を難なく通ることができました。

ここが、ここが夢にまでみたエル・ドラード…。

しかし、そんな子供たちを待ち構える者がいました。
ベビーサークルの主、ハルカちゃんです。

侵入してきた子供たちを、目を輝かせて見つめたと思ったら…小さな手でむんずと掴みました。
そして、遠慮なくぶん投げます。

子供たちは、きれいな放物線を描いて座布団の上へ。
ですが、このためにジャンプ遊びをして鍛えていたのかと思うほど上手に着地をするので、大事に至ることはありませんでした。

「ウェーへーへーへー」

普段は可愛い声で笑うハルカちゃんが、なぜかこの時だけは、大魔王のような声で笑います。
その周りで、メロンがオロオロ。

とったどー!

それでも子供たちは諦めません。

みんなが寝静まった夜、そっと起き出して、主のいないベビーサークルへ。
ぶん投げられることなく、思う存分遊びました。

「ちょっと、誰がやったのコレ?!」

翌朝一番に、ママの声が響き渡ります。

ベビーサークルにはウンチがゴロゴロ。
ちびっ子軍団参上を知らせるマーキングです。

「もう! あんたたちは!」

文句を言いながら後始末をするママをよそに、子供たちは元気いっぱいジャンプ遊び。
その横で、申し訳なさそうにうなだれるメロンが、ちんまりとお座り。

この攻防は、それから1週間続きました。

  • 更新日:

    2021.06.27

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。