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豆柴と豆柴の赤ちゃん
連載 / ブログ
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2021.06.20

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと【第2部】|vol.19

豆しば暮らし|子育ては大変!

出産と子育て用の段ボール箱から、今日もメロンの子供たちが飛び出してきます。
まだ目も開いておらず、ちゃんと歩くことすらできないのですが、好奇心だけは一人前。

#柴犬 / #豆しば暮らし

笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語【第2部】の連載第19話です。

毎日が追いかけっこ

慌てて箱から出てきたメロンは、子供を捕まえて箱に戻します。
やっと全員戻したと思ったら、また誰かが飛び出して行って…。

「キリがないねぇ、メロン」

しっかりしてきた後ろ足だけを頼りに、雑巾掛けのような格好で、子供たちは駆け回ります。
でも、まだ目が開いていないため、すぐにあちらこちらにぶつかってコテン。

痛くはないか、ケガをしていないか。
子供たちを舐めて確かめ、そっとくわえて連れ戻すメロンの顔は、優しいお母さんのそれでした。

「ハルカが歩くようになったら、私もこうなるのかなぁ。メロンが先輩になるとはね」

ハルカちゃんを抱っこして、ママがクスクスと笑います。

母子共に逞しく

子供に乳をあげる犬

やっと子供たちがおとなしくなりました。

ママがそっと箱を覗いてみると、子供たちはメロンのお腹に集合。
ゴクゴクとおっぱいを飲んでいます。
メロンは目を閉じて、幸せそうにしていました。

チャイムが鳴り、ママのお母さんが訪ねて来ました。

「いらっしゃーい」

玄関のドアを開けると、お母さんがいきなり大爆笑。

「え? どうしたの?」

「ちょっと、アレ見て!」

振り返ったママも、大爆笑。
そこにはメロンの姿がありました。

人間大好きなメロンは、パパやママが帰って来た時、誰かが訪ねて来た時、嬉しくて嬉しくてたまりません。
いち早くお迎えしようと、玄関に駆けつけます。

その習慣は、たとえ授乳中であっても変わらず…。
メロンは、子供たちをおっぱいにぶら下げて、駆けつけて来たのです。

「おっぱいを離さない子供たちもすごいよ! やっぱりメロンちゃんの子だねぇ」

「鈴なりになっちゃって、根性あるよねぇ」

「ラグビーのタックルみたいだよ」

母は強し

ママがお茶を淹れていると、メロンは再び箱の中へ。
子供たちのねんねの時間です。

お腹いっぱいになった子供たちは、メロンにくっついてスヤスヤと眠っていました。
メロンも、束の間の休息の時間。
子供たちを抱きかかえるようにして、爆睡しています。

「メロンちゃん、立派なお母さんだね。眠っている間も、子供たちを守ろうとしているんだよ」

ハルカちゃんを抱っこしながら、箱を覗いていたお母さんが言いました。

「そうだね。母親として、教わることが多いよ」

「それにしても…メロンちゃん、痩せたねぇ」

「ごはんはしっかり食べているんだけどさ…」

メロンが食べているのは、授乳期用の栄養豊富なごはん。
ですが、子供たちは皆やんちゃで食欲旺盛です。
摂取するカロリーよりも、消費するカロリーがはるかに上回っていました。

お母さんは、微笑んで言います。

「子育ては本当に大変だけど、それを乗り越えられない母親はいない。だから、母は強しって言うんだよ」

  • 更新日:

    2021.06.20

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。