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しつけ

2021.05.10

愛犬に「ちょうだい」を教えよう!誤飲トラブルを防ぐ便利なコマンド

お気に入りのおもちゃやオヤツに夢中になっている愛犬から、それを取り上げるのって難しいですよね。家の中なら問題ないかもしれませんが、ドッグランなどでほかのコのおもちゃを取ってしまったり、お散歩途中で拾い食いをしてしまった時など、「ちょうだい」のしつけができていれば大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
今回は、家庭犬トレーナーの資格を持つ筆者が実際にやってみた、マスターするととても便利な「ちょうだい(離して)」の教え方をご紹介します。

文:Qt/家庭犬トレーナー

2つの「ちょうだい」がある

「ちょうだい」のおねだりポーズをする犬

「ちょうだい」というコマンドは、実は2つの異なった意味で使われています。音だけで聞くとどちらか分からないので混同しやすいところ。簡単にご紹介します。

1.おねだりポーズの「ちょうだい」

上記の写真のように、後ろ足で立ち、前足を合掌させるようなポーズは通称「ちょうだい」ポーズと呼ばれています。おねだりしている感じがとてもかわいく微笑ましいのですが、後ろ足だけで直立する姿勢は、犬にとってあまり楽な姿勢とは言えません。特に胴の長いダックスやコーギーには腰への負担が大きいため、あまりやらせない方がよいでしょう。

2.くわえているものを離してもらう「ちょうだい」

もう1つは、愛犬がくわえているものを離してもらうコマンド「ちょうだい」です。「オフ」とか「おしまい」というコマンドで教えている飼い主さんもいらっしゃいますね。今回は、こちらの「ちょうだい」の教え方についてご紹介していきます。

どうして犬はおもちゃやオヤツに固執するの?

おもちゃを離さない犬

愛犬からおもちゃを取り上げようとして、ウーと唸って威嚇されたり、最悪の場合は噛まれてしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
「ちょうだい」のトレーニングは、「おすわり」や「待て」などと比べると比較的難易度が高いと言えます。そして、その理由は犬の習性に関係があります。トレーニングを始める前に、まずは犬の習性や愛犬の気持ちを知っておきましょう。

独占欲は本能的なもの

愛犬が何かを取り上げられそうになったときに唸り声をあげるのは、そのコの独占欲のあらわれです。誰かに渡したくない、独り占めしたいという、いわば犬の本能の部分。
特に「食」に対する独占欲は強くあらわれる傾向にあるので、「ちょうだい」のトレーニングをする際にはオヤツを取り上げるのではなく、おもちゃを使って練習を始めましょう。

おもちゃの管理は飼い主さん主導で

愛犬の独占欲は、もともと持っている性格やそれまでの育て方によっても大きく左右されます。特に、愛犬が自分の意志で自由におもちゃを出して遊べる環境で過ごしている場合は、「このおもちゃは僕のもの」と思ってしまっている可能性が高く、「ちょうだい」を教えるのに手こずることも。まずは、遊ぶときにだけおもちゃを出すようにして、おもちゃは飼い主さんの管理下にあるということを認識させておきましょう。

愛犬に「ちょうだい」を教える前に

ボールを離さない犬

ここからは、愛犬に「ちょうだい」を教える前の準備をご紹介していきます。

特別なオヤツを用意

ちょうだいを教える前の準備として、愛犬が大好きな「スペシャルオヤツ」を見つけておく必要があります。おもちゃよりも魅力的でなければいけないので、普段あげているオヤツとは別の特別なオヤツを用意しましょう。愛犬の興味を引きつける、ジャーキーなどのニオイの強いものがおすすめです。

ご褒美はおもちゃでもOK

「ちょうだい」のトレーニングは、基本的には愛犬と「物々交換」をするイメージで進めていきます。愛犬に今遊んでいるおもちゃを放してもらうかわりに、それよりももっと魅力的なオヤツをあげるという方法で、「これを放すといいものがもらえる」ということを覚えてもらいます。

そのためには、オヤツは愛犬にとって魅力的でなければいけません。オヤツに興味がないコの場合は、ほかの大好きなおもちゃをご褒美にして物々交換をしてもらいましょう。

おもちゃ選びも重要

最初のトレーニングに使うおもちゃは、ロープ状のものが適しています。愛犬が一人で抱え込んでしまうぬいぐるみやボール状のものは、放してもらうのが難しく難易度高めなので、「ちょうだい」をある程度マスターした後の応用編として使ってみるのがおすすめです。

いざ「ちょうだい」を実践してみよう!

ロープのおもちゃを引っ張る犬

「ちょうだい」のゴールは、飼い主さんが取り上げるのではなく、愛犬が自分から離してくれるようになること。そのために必要なのは飼い主さんの根気と心の余裕です。愛犬と楽しみながらゲーム感覚でトレーニングしていきましょう。

トレーニング手順

  1. ロープで引っ張りっこをして遊んでいる途中で、飼い主さんが引っ張る手をピタッと止めます。
  2. そして、反対側の手に持っているオヤツを見せて「ちょうだい」と声をかけます。
  3. 愛犬がオヤツに興味を示し、ロープを離したところで「いいコ!」「よくできたね」と褒めてオヤツをあげましょう。
  4. 愛犬がオヤツを食べ終わったら、またロープ遊びを再開します。

「ちょうだい」を教える際の注意点

最初は、おもちゃを離してくれないかもしれません。そういう場合には、交換するオヤツを変えてみたり、ほかの家族に別のおもちゃを持ってきてもらって愛犬の気をそらすという手もあります。離してくれないからと言って、強引に引っ張ったり、怒ったりするのはNG!こちらのイライラは愛犬にも伝わってしまいますし、何より「ちょうだい」のトレーニングに悪いイメージを持ってしまうので、それは避けたいところです。

繰り返すことで徐々にマスター

上記の1~4を繰り返し、おもちゃを離せば褒められると愛犬に学習してもらいましょう。慣れてきたら、オヤツをあげる頻度を減らし、最終的にはオヤツなしでも「ちょうだい」ができるようになることを目指します。

「ちょうだい」ができれば誤飲トラブルが防げる

おもちゃで遊ぶ犬

「ちょうだい」をマスターする最大のメリットは、誤飲が防げるようになること。お散歩の途中で拾い食いをしてしまった時などに「ちょうだい」ができれば事故を未然に防ぐことができます。ただし、家ではできるコでも、いつもと違う環境ではなかなかうまくいかないのが実情です。家でできるようになったら、外やお友達のお家でも練習して、さらに1ランク上の「ちょうだいマスター」を目指しましょう!

  • 更新日:

    2021.05.10

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ライター・専門家プロフィール
  • Qt
  • 家庭犬トレーナー
  • 動物愛護の中間支援団体での活動を経て、より多くの人と動物の幸せな生活を支えるお手伝いができればと、家庭犬トレーナー1級やペットロスケアアドバイザーなど複数の資格を取得。 シニア期にさしかかった2匹の愛犬とのゆったりとした幸せな日々に感謝しながら、今日も仕事とライティングのWワークに励みます。