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犬の生態 / 気持ち

2021.05.04

犬が触ると唸るのは人が怖いから?犬が唸る原因や見分け方を解説

触った拍子に犬が「グー」と唸ると「アレ?嫌なのかな?」と気になりますよね。また、いつもは唸らない子であれば「どこか痛いのかな?」と心配になってしまう方も多いはず。犬が触って唸るときには、いくつかの理由があるので、その理由を知り、犬が唸る理由を見極めることが大切です。ここでは、犬を触ると唸る原因や見極め方に加え、犬が唸った時の対処法についてご解説していきます。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:ルエス 杏鈴/犬訓練士)

犬を触ると唸るのはどうして?

犬 触ると唸る

犬が唸るのは犬にとってはコミュニケーションの一環で、人に自分の気持ちを伝えようとするためです。犬がなぜ唸るのかを知り、犬の気持ちをさらに理解してあげられるようにしましょう。触られたときに唸る犬の気持ちとして考えられる感情を見ていきます。

1.警戒心や恐怖心

犬は警戒心や恐怖心を感じているときに相手に「触らないで!」と伝えるために唸る場合があります。犬が警戒心や恐怖心を感じて唸っている場合は触り続けることが犬にとってストレスになり、エスカレートすると犬が人の手を噛んだり逃げてしまったりする原因にもなるので注意が必要です。

2.独占欲

犬がおやつを食べたりおもちゃで遊んだりしている最中に触ると唸るのは「これは僕のものだ!触らないで!」という独占欲が原因です。また、おやつやおもちゃだけではなく、お気に入りの布団やベッドに対して独占欲を感じて唸ってしまう犬も多いです。

3.怪我や病気

犬を触ると唸るのは怪我や病気が原因になっている場合もあります。触られて痛みを感じてしまうと犬は「触らないで」と家族に伝えるために唸り声をあげます。

4.興奮して遊んでいる

犬は興奮して遊んでいるとき触ると唸ることがあります。犬が遊んでいる最中にうなるのは「楽しい!」という気持ちを表現しているのですが、そのまま興奮し続けると本噛みや無駄吠えに発展してしまう場合もあるので注意が必要です。

5.甘えている

犬は甘えていたり気持ちいいときに、猫のようにグルルルルと唸ることがあります。お腹を撫でいる時などに気持ち良さそうに目を細めて唸っているのであれば「もっと撫でてて」と甘えているのでしょう。

触ると唸る際の犬の感情・状態の見分け方は?

犬 触ると唸る

触ると犬が唸る、その理由を知っていても、見分けがつかなければ適切に対処することがもできません。ここでは、触ると唸る犬の感情・状態の見分け方についてご解説していきます。

犬が唸った時の状況を考えよう

触ったときに犬が唸った場合には、まず1番に犬が唸った状況を考えましょう。唸る前に犬がしていたことや過ごしていた場所を考えることで唸る原因が見分けやすくなります。犬が唸る原因が分かりやすい状況にはこのようなものがあります。

見分け方リスト

  • おやつを食べているときに触ると唸った→独占欲
  • 動物病院で獣医が触ると唸った→警戒心や恐怖心
  • 引っ張りっこをしている最中に触ると唸った→興奮して遊んでいる
  • 怪我をした足を触ったときに唸った→怪我や病気

犬のボディーランゲージに注目しよう

犬が触ったときに唸る状況を考えても、犬が唸った原因が見分けられない場合は犬のボディーランゲージに注目をしてみましょう。ボディーランゲージ(和訳:体言語)はその名の通り、犬が体全体で相手とコミュニケーションをとるために使用する「言語」です。犬は人間のように言葉で相手に自分の気持ちを伝えることができないので、体全体でその気持ちを表現してくれますよ。

こんなボディーランゲージには要注意!

唸る他にもこのようなボディーランゲージを発見した場合は要注意です!

犬が以下のようなボディランゲージを見せている場合は警戒心、恐怖心、独占欲などの気持ちが原因で唸っている場合が多いです。また、はじめは静かに唸っているだけでも触り続けているうちに上記のボディランゲージにエスカレートしていく場合も犬が何らかのストレスを感じているサインなので注意しましょう。

注意が必要なボディーランゲージ

  • 鼻にシワを寄せて歯を見せている
  • 背中の毛を立たせている
  • 動かずに固まっている
  • 尻尾をお腹の下に巻いている
  • 耳を後ろに寝かせている

遊びやリラックスしているときのボディーランゲージ

遊んでいる犬はプレイバウ(頭を低く下げた状態でお尻をあげる)をしたり、軽い足取りで歩いたり、全体的に陽気で楽しそうな動き方をします。また、遊んでいる犬は少し大袈裟な大きな声で唸る場合もあるのが特徴的です。

また、犬がリラックスをしている際には体の力が抜けており、目を細めている場合が多く見られます。

犬に触ったら唸るときの対処法はある?

犬 触ると唸る

犬が触ると唸る場合には、適切に対処することが大切です。唸る行為を叱ってしまう方法もあるのですが、この方法だと唸る行為をやめさせられたとしても、恐怖や独占欲などの原因には対処できていないので、犬が感じているストレスを軽減させることはできません。ここでは、犬が唸った際の適切な対処法をご解説していきます。

信頼関係を強化しよう

警戒心や恐怖心が原因で犬が唸るのであれば、まず犬と人の信頼関係をしっかりと強化することが大切です。恐怖心が原因で唸る犬は「人は怖くない」ということを理解することで時間と共に唸らなくなります。そのために、人は犬を傷つけたり嫌な気持ちにさせることは避け、犬が心地よく生活できる環境づくりをすることが大切です。

体を触られるのに少しずつ慣らそう

犬が体を触られるのに慣れていなくてボディチェックなどを嫌がるのであれば、信頼関係を強化した後に、犬が体を触られるのに少しずつ慣らしてあげるようにしましょう。

まずは短時間だけ犬の体を優しく撫でてあげながらおやつをたくさん与えます。その次の日にも犬の体を優しく撫でながらおやつを与えるのですが、前日よりは撫でてあげる範囲を少しずつ広くしていくようにしましょう。このように、犬におやつを与えながら触る場所を少しずつ増やしていくことで、犬が感じる警戒心や恐怖心を少しずつ解消してあげることができます。

遊んでいるときに唸るのはNG?それともOK?

遊んでいる最中に触って犬が唸るのは犬にとって遊びのなので特に対処する必要はありません。しかし、犬が遊んでいる最中にはあまりにも興奮して甘噛みや本噛み、無駄吠えなどの他の問題行動に発展するようであれば、唸っている段階で遊ぶのをストップし、犬が落ち着いてから遊びを再開するようにしましょう。

犬を触る唸る場合は信頼関係を見直そう!

犬 触ると唸る

ここでは、犬を触ると唸る原因、見分け方、対処法などについてご解説していきました。犬が唸るのは嫌な気持ちを感じついる時だけと思われがちですが、興奮して遊んでいたり、甘えているときにも唸ることがあるのでしっかりと見分けることが大切です。また、犬が唸る場合はそれを叱らず、まずは犬との信頼関係を見直すようにしましょう。

  • 更新日:

    2021.05.04

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。