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尻尾を足の内側に丸める犬
犬の生態 / 気持ち

2021.05.06

【獣医師監修】犬が尻尾を丸めるのはどんなとき?尻尾から気持ちを読み取ろう

犬は、さまざまなボディランゲージによって感情を表しますが、尻尾を丸めるのも感情表現の1つです。そのため、どのようなときに尻尾を丸めるのか知っていれば、愛犬の気持ちを察して適切に接してあげることができます。そこで今回は、犬が下向きに尻尾を丸めるときの心理について解説します。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子)

犬が尻尾を丸めるときの心理とは?

尻尾を足の内側に丸める犬

犬の感情は尻尾にもよく表れ、嬉しいときに尻尾を左右に大きく振ったりするのは、一般的に知られています。では、下向きに尻尾を丸めているときは、どんな心理状態なのでしょうか?

不安や恐怖、警戒の気持ちの表れ

画像のように、犬が尻尾を丸めて股の間に巻き込んでいるときは、不安や恐怖、警戒といったネガティブな気持ちになっているときです。

例えば、以前に散歩中に自分より大きな犬に吠えられ、怖い思いをした経験などがあると、遠くから他の犬が近づいてくると怯えて尻尾を丸めてしまうことも少なくありません。

また、社会化不足の場合も、インターホンや外の世界のさまざまな音、家族以外の人など、見ない・聞きなれないものに対して過度に不安な気持ちになり、尻尾を丸めることがあります。

いずれにせよ、尻尾を丸めるときは非常に怯えている状態なので、とにかく落ち着かせてあげることが大切です。

服従・降参の合図

尻尾を丸める仕草には、服従や降参の合図の意味もあります。他の犬の前で尻尾を丸める姿を見せる場合は、「攻撃するつもりはありませんよ」という気持ちの表れです。

また、飼い主さんに叱られているときに、尻尾を丸めて股の間に巻き込んでしまうこともあります。これは、「もう許して」という降参の気持ちが込められています。必要以上に叱ると信頼関係が崩れる原因になるので、このような状態になっていたら叱るのをやめるようにしましょう。

尻尾が下がっているときもネガティブな感情のサイン

不安がっている犬

尻尾が下がっているときも、不安や恐怖などのネガティブな感情を抱いているサインです。怯えてその場で動けなくなってしまう犬もあれば、あまりの不安や恐怖で攻撃的な態度を取る犬もいます。

他の犬や見知らぬ人を傷つけてしまわないよう、愛犬を安心させて平常心を取り戻すように心がけましょう。

尻尾を下げて震えているときは病気の可能性あり

不安や恐怖の対象となるものが見当たらない環境にいるにもかかわらず、愛犬が尻尾を下げて震えている場合は、以下のような病気の可能性があるので注意が必要です。

・椎間板ヘルニア
・馬尾症候群
・尻尾の骨折 など

痛みを伴うことからうずくまっている、抱き上げようとすると「キャン!」と鳴くなどの様子が見られます。尻尾だけでなく体全体を観察し、いつもと違うと感じるようであれば動物病院を受診しましょう。

尻尾を丸める愛犬に対して飼い主さんができることは?

トイプードルを触る飼い主さん

不安や恐怖、警戒の気持ちから尻尾を丸めるとき、飼い主さんはどのように対応すればよいのかを覚えておきましょう。

他の犬から違うことに意識を向けさせる

散歩中などに他の犬が怖くて尻尾を丸める場合は、愛犬の意識を違うことに向けさせるようにしましょう。そのためには、ボーロなどのひと口サイズのおやつや、ジャーキーなどの小さくちぎって与えられるおやつを活用するのが1つの手です。

まず他の犬が道路の向こう側からやってきた際に、愛犬にアイコンタクトを取りながらオスワリをさせましょう。そして、犬が通り過ぎるまで少しずつおやつを与えます。こうすることで、おやつのほうに意識が向き犬に対して無関心になるので、不安や恐怖の気持ちになってしまうのを防げます。

社会化トレーニングをする

社会化不足により、さまざまなことに過剰に反応して怖がる場合は、社会化トレーニングをして怖がりを克服していきましょう。本来、警戒心が芽生えてなく適応力が高い子犬の社会化期に、いろんな経験をさせて他の犬や家族以外の人、外の世界の音などに慣れさせます。

しかし、社会化期を過ぎても、社会化トレーニングをしてさまざまなことに慣れさせ、恐怖心を克服することは可能です。ただし、生後6ヶ月頃からは警戒心が強くなっていくので、特に成犬の場合は、怖がりな性格を克服するのに時間がかかります。

社会化不足の犬においては、他の犬や人への接し方、散歩時の歩かせ方など、気をつけるべきことがあり、その犬の性格やペースに合わせて徐々にトレーニングをする必要があります。そのため一度、獣医師やプロのドッグトレーナーなどに相談して、やり方を教えてもらってから取り組むほうが安心と言えるでしょう。

尻尾の動きで愛犬の気持ちを察してあげよう

尻尾を上に丸める犬

犬の尻尾の動きに込められた意味を知っておくと、愛犬の気持ちを察してあげられます。尻尾を丸めて股の間に巻き込んでいるときは、とても怖がっている状態なので、落ち着かせることを最優先に考えてあげましょう。

また、尻尾が下がっているときもネガティブな感情の表れですが、ブルブルと震えている様子も見られる場合は、病気の可能性もあります。何かおかしいと感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。

  • 更新日:

    2021.05.06

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。