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健康管理 / 病気

2021.05.30

【獣医師監修】犬にアナフィラキシーが起きたらどうする?主な症状と原因

アナフィラキシーショックと言えば蜂が有名ですが、人だけでなく犬でも稀に見られる症状です。蜂以外にも原因は様々なものがあり、ショック状態が続けば命の危険に繋がる事もあります。
この記事ではアナフィラキシーの症状と原因、予防・治療法について解説していきましょう。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:しろ/フリーライター)

犬のアレルギー反応の一種!皮膚以外に現れる症状は?

犬 アナフィラキシー

アナフィラキシーとは、体内で過剰なアレルギー反応が起こった状態を指します。ショックと呼ばれる緊急性の高い症状から比較的軽いアレルギー症状まであり、目で見て分かる皮膚の腫れだけでなく急激な体調の変化が見られる事も。
まずは犬のアナフィラキシーの詳細と具体的な症状について見ていきましょう。

犬のアナフィラキシーとは

犬のアナフィラキシーはI型アレルギーと呼ばれていて、人間と同じく抗原がIgE抗体と反応する事で起こります。IgE抗体がアレルゲンを認識し肥満細胞に情報を伝達すると肥満細胞はアレルギーの元となる物質を体内に放出し、炎症等様々な症状が引き起こされます。
アレルギーは食べ物や薬物等の様々な抗原が体の中で異物として認識される症状です。

アナフィラキシーはその反応が過剰で最悪の場合死に至る事もあり、症状は皮膚に出てすぐ分かる事もあれば抗原が何度か侵入して初めて発症する場合もあります。

犬のアナフィラキシーの症状

犬のアナフィラキシー症状は大きく「急性」と「軽症」の2つに分けられます。

急性アナフィラキシーでは、激しい嘔吐・下痢、痙攣、呼吸困難、昏睡等のショック症状が見られ、対処が遅れると命に関わります。

軽症のアナフィラキシーは、アレルギーでよく見られる皮膚の痒みや腫れ、蕁麻疹等が現れ、場合によっては症状が体調不良、鼻炎、気管支炎等他の病気と見分けがつかない物もあるので注意が必要です。

犬のアナフィラキシーの原因は何がある?

犬 アナフィラキシー

犬のアナフィラキシーの原因としてよく見られるのはワクチンや薬物ですが、それ以外にも食べ物や生物の毒等があります。

感染症や運動がきっかけになる場合もありますが、ここでは主要な「薬・ワクチン」、「食べ物」、「生物の毒」について具体的な例を挙げながら説明していきます。

薬・ワクチン

よく人の予防接種でも注射の後激しい運動を避けるように言われたり、しばらく様子を見てから帰ったりしますがそれは犬の場合も同じです。

接種が義務付けられている狂犬病のワクチンや混合ワクチン、抗生剤、それ以外にも麻酔薬、抗がん剤等はアナフィラキシーを含む副反応を引き起こす事があります。
確率は低いですが、発症するかどうかは予測する事が出来ないので十分な注意が必要です。

食べ物

抗原になる食べ物はよく聞く穀物や肉だけでなく、牛乳や果物、添加物等様々な物があります。そのため、リスクを低くするためには「普段口にしない物は食べさせない」事が大切で、特に人間の食べ物は避けた方が無難です。

ドッグフードの種類を変えたり新しい食材を食べさせる時は、体調に変化がないかよく見守るようにしましょう。

生物の毒

生物の毒としては蜂やヘビ毒が挙げられます。

散歩中に茂みの中に潜んでいたヘビを踏んでしまったり、飛んでいる蜂に興味を持って飛び掛かると相手を刺激してしまい思わぬ事故の原因になります。必ずしもアナフィラキシーを起こすとは限りませんが、皮膚の腫れや体調不良が現れる事があるのですぐに動物病院に連れて行くようにしましょう。

犬のアナフィラキシーの治療法と予防策

犬 アナフィラキシー

基本的に犬のアナフィラキシーの治療は病院で行います。急性アナフィラキシーの場合対処が遅れる程危険ですが、軽症であっても正しい治療をしなければ症状が悪化する可能性があるのです。
最後に、アナフィラキシーに対する治療法と予防するためにポイントについて紹介していきましょう。

アナフィラキシーになった時の治療法

犬がアナフィラキシーショックを起こした場合は症状を和らげるためにエピネフリンという薬を使用します。比較的症状が軽ければステロイド剤等を注射して経過を見守り、場合によっては入院する事もあるでしょう。

呼吸に異常が見られる場合は酸素吸入や気管支拡張薬で治療する等、重症度に合わせた対応が求められます。症状が落ち着いてもしばらくは再発の可能性があるので、無理はさせず安静に過ごさせましょう。

アナフィラキシーを予防するポイントは?

最も効果的なのはアレルギーの原因である抗原を避ける事ですが、日頃からアナフィラキシーを予防するためには、抗原を接種する、口にする、触れる時に「犬の様子をよく観察する」事が大切です。

食べる必要のない物や外での危険を回避するのは勿論の事ですが、治療や新しい食べ物を口にする時は犬から目を離さず、普段の様子をよく知る飼い主が必ず傍で見守るようにしましょう。

犬がアナフィラキシーを起こしたらすぐに病院へ!

犬 アナフィラキシー

犬のアナフィラキシーはいつ起こるか予測出来ないため、発症したらすぐに動物病院を受診しましょう。適切な治療や再発を防ぐためには原因の特定が重要なので、飼い主は発症前の行動をしっかり伝えられるようにしておきましょうね。

  • 更新日:

    2021.05.30

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。