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健康管理 / 病気
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2021.05.02

犬が跛行するときの原因3つ!併発する病気の可能性も?【獣医師監修】

犬が正常に歩けず、足を引きずったり、あまり足を地面につけないような仕草をしたことがありませんか。このような歩き方を跛行と言い、外傷で原因がわかるケースやさまざまな検査をしないと病気の原因が突き止められない場合もあります。今回は犬が跛行しているときの原因や対処法などをご紹介していきます。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:つちや りょうこ/ドッグライター)

犬が跛行する場合に考えられる原因3つ

犬 跛行

犬が跛行する原因を見ていきましょう。

考えられる原因【1】かまってほしいなどの精神的なことから生じる仮病

足の痛みや違和感がないにも関わらず、犬が跛行をしているときは精神的な部分から生じる仮病の場合があります。全ての犬がするとは限りませんが、以前足を痛めたときに家族に心配されたり構ってもらったりした経験を覚えていると見られるようです。犬が飼い主にもっと注目してほしいという気持ちからわざと跛行をすると言われています。

考えられる原因【2】外傷

交通事故や落下事故など、外から強い衝撃を受けてできる外傷が原因で跛行するときがあります。その場合は骨折や脱臼、靭帯損傷などのケガが疑われます。屋外だけに限らず、ソファーや飼い主の膝の上から降りた場合など屋内でも起こりうるので注意しましょう。

考えられる原因【3】病気

犬が跛行する時は病気が原因の可能性があります。先天性や遺伝的な問題で病気が発症して骨や関節が正常に形成されなかったり、異常を感じたりすることも。またさまざまな要因で関節に炎症が起き、その足をかばうために跛行するとも言われています。

犬の跛行する場合に考えられる病気5つ

犬 跛行

犬が跛行するときはどんな病気があるのでしょうか。可能性のある症例をご紹介します。

併発する症状【1】片足を上げてスキップする

このような症状がある場合は以下のような病気が考えられます。

考えられる病気【1】膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは、後ろ足の膝のお皿が正常な位置から外れて脱臼している状態を言います。初期の段階では無症状のことが多く、見過ごしやすい病気です。軽度であれば屈伸や歩くことで自然に治りますが、重度になると歩行が困難になります。

併発する症状【2】運動後に挙上をし、触られるのを嫌がる

運動後、跛行と一緒に挙上をし、触ると嫌がる様子が見られたら、以下の病気が考えられます。

考えられる病気【2】前十字靭帯断裂

膝にある前十字靭帯に大幅な体重の増加や、急ターンや転倒など動きによって急激な負担がかかると発症します。触ると痛がったり強い痛みを訴えたりしますが、痛みは軽減されるタイミングもあるようです。 しかし症状が良くなったからと言って放置して慢性化してしまうと、半月板損傷や慢性関節炎などさらなる関節の状態の悪化を起こしかねないので早めの診断が必要です。 きちんと完治させるには手術が必要になります。

併発する症状【3】お散歩など動くのを嫌がったり、触られることを嫌がる

犬が跛行して遊びたがらないなどの症状が見られた場合は、以下のような病気の可能性があります。

考えられる病気【3】変形性関節症

シニア犬によく見られる変形性関節症。関節の表面にある軟骨が変形したり摩耗したりすることで炎症が起き、痛みを生じます。レントゲン検査や整形外科学的検査で早めに診断を受け、運動や食事の管理、生活環境の改善が必要となります。

併発する症状【4】排便困難や麻痺

このような症状がある場合は以下のような病気の可能性が考えられます。

考えられる病気【4】椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは全ての犬に発症する可能性がある病気ですが、とくにミニチュア・ダックスフンドに多く見られる病気です。痛みの他に麻痺や排便困難、さらには命を落としてしまう場合もあります。症状は胸腰部に多く見られますが、頚部のときもあります。程度によって外科手術または内科治療を行います。 回復率が下がらないように動物病院で重症度判断を行って、治療時期を見極めることが重要です。

併発する症状【5】ジャンプをしたがらない、座るのが遅い

犬の跛行に加え、ジャンプをしたがらない、座るのが遅いなどの症状がある場合は以下の病気が考えられます。

考えられる病気【5】馬尾症候群

馬尾症候群は脊髄や神経根などの圧迫によりさまざまな神経症状を伴う症候群で、腰付近に痛みを伴うことが多く、跛行も次いで多くみられる症状です。 先天性と後天性があり、中型?大型犬に多くみられます。

犬が跛行するときに必要な対処法とは

犬 跛行

さまざまな症状や病気によって対処法が異なるので、犬に適した治療を受けましょう。

対処法【1】仮病のときは犬とのコミュニケーションの時間を増やしてみる

犬が仮病を使うのは飼い主のことを好きな証拠です。またはもっと優しく接してほしいと願っているかもしれません。病院を受診して仮病と分かったら、すこしスキンシップを持つ時間を増やしてもいいかもしれません。 ただし、あまり調子に乗って飼い主さんの都合そっちのけで、かまってもらうよう要求するのであれば、しつけの一環として厳しくする必要があります。 適度な距離感を見極めましょう。

対処法【2】外傷や病気はそれぞれの治療法で処置する

外傷や病気で犬が跛行する時は、まず動物病院の診断を受け、症状に合わせた治療を受けましょう。症状が軽度の場合は内科的治療が施される場合が多く、病気や緊急を要するときは手術を行う外科的治療を行う可能性があります。 跛行が見られる外傷や病気は痛みを伴う可能性が高く、痛みがずっとあることは犬にとって負担になります。 出来るだけ早めに受診をしてあげることをお勧めします。

犬が跛行をしていたら早めに動物病院へ

犬 跛行

犬が跛行したときはさまざまな原因があるため、気付いたらすぐに動物病院へ行くようにしましょう。早期発見や早期治療で手術の回避ができたり、症状の進行が抑えられたりするかもしれません。犬の歩き方にも気を配って、健康的な生活を送れるようにしてあげたいですね。

  • 更新日:

    2021.05.02

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。