magazine

子犬が仰向けになっている様子
健康管理 / 病気

2021.05.19

【獣医師監修】犬のお腹に湿疹がでたら?考えられる原因と病気まとめ

犬のお腹にプツプツとした湿疹があると、何かの病気なのでは?と心配になりますよね。湿疹のほかに、併発している症状によって、その原因を探れる可能性があります。今回は犬のお腹にできた湿疹について、考えられる原因と病気について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:ノムラ モエコ)

犬のお腹に湿疹がでる場合に考えられる原因

お腹を見せて仰向けになっている犬

犬のお腹に湿疹が見られた場合に考えられる原因は、主に3つあります。

考えられる原因【1】細菌や真菌などの感染によるもの

細菌や真菌などの感染が原因で、犬のお腹に湿疹が症状として現れる場合があります。皮膚病のひとつとされ、外傷や間違った日々のスキンケアが原因の場合もあります。

考えられる原因【2】寄生虫によるもの

健康な犬の毛穴にも存在するニキビダニと呼ばれる寄生虫が原因となる場合もあります。そのほかに外部からの寄生虫としては疥癬やノミ、ニキビダニといった寄生虫も挙げられます。一般的にかかることが多いとされるのが免疫力の低い子犬や高齢犬です。

考えられる原因【3】アレルギー

アレルギーが原因で、犬のお腹に湿疹が出る場合もあります。アレルギー症状として、発赤や着色などが一般的ですが、発疹や腫れにつながる場合もあります。

犬のお腹に湿疹がでる場合に考えられる病気

仰向けで診察を受ける犬

犬のお腹に湿疹が見られるときに以下の症状を併発していませんか?それぞれの併発している症状ごとに考えられる病気を解説します。

併発している症状【1】円形脱毛や水疱、かさぶた

湿疹をはじめ、円形脱毛や水疱、かさぶたといった症状が、頭部や顔面、前足に次いで、背中やしっぽ、お腹に発症している場合は以下の病気が疑われます。

考えられる病気|皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症を引き起こす原因の糸状菌は複数ありますが、およそ70%がミクロスポラム・カニスと呼ばれる真菌(カビ)が原因です。皮膚の角質層や角化細胞に侵入・増殖し、円状に進んでいくことが多く、円形脱毛となります。抵抗力の弱い子犬や、免疫力が低下している成犬はかかりやすい傾向にあるとされます。治療法は、投薬治療や薬用シャンプーなどです。人も感染する可能性があるため、すぐに受診しましょう。

併発している症状【2】フケやリング状の脱毛

皮膚にポツポツとした赤い湿疹や膿疱ができます。フケが出たり、リング状の脱毛ができたりする場合、以下の病気が考えられます。

考えられる病気|膿皮症

膿皮症とは、皮膚のバリア機能が低下することで、皮膚に常在していた細菌が、皮膚に侵入・増殖したものです。主な原因菌は黄色ブドウ球菌とされています。長毛種や短毛種、年齢などを問わずどの犬もかかる可能性のある病気です。お腹のほかに、脇や股、場合によっては全身に症状が起こることもあります。膿皮症と分かった場合は、抗生物質の内服や抗菌シャンプーを使用した治療を行うのが一般的です。

併発している症状【3】強いかゆみと大量のフケ

昼も夜も問わず非常に強いかゆみを訴えている場合は、以下の病気の可能性もあります。

考えられる病気|疥癬

疥癬とは、感染力の強いヒゼンダニというダニが原因の皮膚病です。ヒゼンダニが寄生することで、強いかゆみのほか、大量のフケがでます。お腹のほかに、赤い湿疹が耳や肘、膝に症状がみられる場合もあります。治療法は、注射やスポット剤の駆虫剤による駆虫です。人にも伝染する病気のため、すぐ受診しましょう。

併発している症状【4】腹部のほか、足先や顔面に赤いブツブツ

ほかの皮膚病と同時に発症する場合もあり見分けづらいですが、腹部や足先、顔面に赤いプツプツが出ている場合、以下の病気も考えられます。

考えられる病気|ニキビダニ症

ニキビダニとは、健康な犬にも存在する毛穴に住んでいる寄生中のことです。このニキビダニが過剰に増殖したことで起きた炎症性の皮膚疾患をニキビダニ症と呼びます。若い犬の場合は生活環境や食事の改善を検討し、高齢犬の場合は内臓やホルモンの異常といった病気がないかを検査する必要があります。

併発している症状【5】犬のお腹にある湿疹が赤く腫れる

犬のお腹にできた湿疹が赤く、腫れあがってくる場合は以下の病気の可能性もあります。

考えられる病気|ノミアレルギー性皮膚炎

ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミの唾液のなかにある「パプテン」というタンパク質に対し、アレルギー反応を起こすことで広範囲にかゆみが生じる病気です。腹部をはじめ、しっぽや腰の背部などに症状が出ます。初期症状は赤い発疹ができ、腫れ、激しいかゆみや脱毛が伴います。治療法はスポット薬や飲み薬によるノミの駆除です。

犬のお腹に湿疹がでたときの対処法とは?

エリザベスカラーをしている犬

犬のお腹に湿疹ができた場合、そこには病気が隠れている可能性があります。中には人に感染するものもあるため、以下の対処を早急に行いましょう。

対処法【1】犬が触らないようにする

エリザベスカラーなどで、犬がお腹の湿疹を舐めたり、噛んだりしないように対処したうえで、動物病院を受診しましょう。また、具体的に症状を獣医師さんに説明できるように写真を撮って画像を見せるのもおすすめです。

対処法【2】多頭飼いの場合は隔離し、消毒する

疥癬といったダニによる皮膚病の場合、犬から犬へ、直接あるいはブラシなどを通して間接的に感染することも。多頭飼いの場合は、感染している犬を隔離する必要があります。ほかの犬と共有しているケージやリードなどをすべて消毒し、タオルやマット類は50℃以上のお湯に10分ほど浸けておくと効果的です。

対処法【3】アレルギー検査を行う

犬のお腹に湿疹ができる理由がアレルギーの場合、花粉やカビ、ノミ、食べ物などさまざまな原因があります。それぞれのアレルギーとなる原因を検査し、排除してあげる対策を行いましょう。

犬のお腹に湿疹ができたら、早めに動物病院の受診を

飼い主に頭をなでられている犬

犬のお腹に湿疹ができることは、さまざまな病気の症状のひとつということが分かりました。小さいからとそのままにせず、重症になる前に動物病院で受診してあげましょう。普段からブラッシングやスキンケアをしてあげることで、早期発見にもつなげることができます。

  • 更新日:

    2021.05.19

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。