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コリー犬
健康管理 / 病気
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2021.05.09

【獣医師監修】コリーアイってどんな病気?かかりやすい犬種や症状などを解説

さまざまな犬種がいる中で、犬種によってかかりやすい病気があることをご存知でしょうか?今回は古くから牧羊犬として親しまれているコリー系の犬種がかかりやすいコリーアイという病気について解説します。普段から見かけることの多いボーダー・コリーやシェットランド・シープドッグなどが、コリー系の犬種に該当します。コリー系の犬を飼われている方・飼うことを検討している方はぜひチェックしてみてください。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:docdog編集部)

犬のコリーアイってどんな病気?

子犬

コリーアイとは名前の通り、コリー系の犬種に多く見られる遺伝性の眼疾患で、脈絡膜という眼底を包む膜に薄い部分や欠損が発生する病気です。脈絡膜は眼の外側にある白目部分と眼底の内側にある映像や光を感じ取る膜に挟まれたところにあり、脈絡膜の血管から網膜に栄養や酸素を補給する役割を果たしています。

通常は軽度で特に症状が現れることもなく過ごせますが、重症化したときは視神経に障害が起きたり、眼底での出血や網膜剥離を伴うと視力障害を起こしたりし、最悪の場合失明に至る可能性もあります。コリーアイは左右の眼に対称で発生するわけではないので、片方の視力に異常がでていても飼い主さんが気づかないことの多い病気です。

初期症状とチェック項目

初期症状はほとんどが無症状で、視力に問題がでることもありません。重症化すると視力障害により、物にぶつかるようになったり、鼻で探りながら歩くようになったりします。他にも、生まれたときから眼球が小さいなど見た目で判断できるような症状が現れる場合もあります。

視力障害が起きているか確認したいときは音をさせない状態で目で物を追うかなどがわかりやすいと思いますが、異変を感じた場合は受診をして視覚に関して不安がある旨を話してみてください。上手く説明できない場合はぶつかる様子など視覚の異常を感じた行動を動画で撮影しておいて受診時に見てもらうという方法もよいでしょう。

犬がコリーアイになる原因

コリー犬

コリーアイになる原因は遺伝によるものが考えられます。

原因は「常染色体劣性遺伝」

コリーアイは遺伝性疾患で、常染色体劣性遺伝により起こります。常染色体は、性を決める性染色体以外の染色体のことを指します。染色体は2本で1対となっていて、父犬と母犬から片方ずつ受け継ぐものです。常染色体劣性遺伝は2本の染色体のどちらにも遺伝子変異をもつときに病気を発症します。コリーアイは眼球が作られる過程で異常がでて、早い段階で脈絡膜や網膜、強膜の組織に欠損や低形成が起きます。

かかりやすい犬種や年齢は?

コリーアイにかかりやすいのはコリー系の犬種です。具体的にはシェットランド・シープドッグ、コリー(スムース、ラフ)、オーストラリアン・シェパード、ボーダー・コリーなどが挙げられます。生後数か月の時期から1歳までに進行しやすく、中には1歳以上で発症しほとんど進行しない場合もあります。

コリーアイの治療法

診察を受ける犬

コリーアイは遺伝性疾患のため、残念ながら治療法がないと言われています。 続発することのある病気としては、緑内障、ブドウ膜炎、眼内出血、網膜剥離などが挙げられます。かかりやすい犬種の場合は、若齢期に眼底検査を行い続発する病気に対して早めの処置をしてあげましょう。

検査にかかる費用

コリーアイの検査にかかる眼底検査の費用は、病院によって異なります。また眼底検査など眼科における検査に関して特殊な検査機械を使う検査もあるので、眼科に特化した病院であるか、そのような検査を行うことはできるのかなどを含めてかかりつけの動物病院や近くの眼科に特化した病院などに確認しておくといいですね。

コリーアイの予防法

遺伝性疾患であるコリーアイは、遺伝子検査などを行ったうえで計画的な繁殖をし、コリーアイの犬の発生率を下げることが唯一の予防と言えるでしょう。コリーアイを発症した犬の両親や兄弟、血縁の犬も遺伝性変異をもっている可能性があるため、繁殖時には知識と注意が必要です。

コリーアイとの向き合い方

犬と手でハイタッチをする飼い主

コリー系の犬種がかかりやすい病気コリーアイ。なるべく若齢期の検査と定期的な検査を行い、続発する他の病気に対しての処置をしてあげましょう。万が一失明してしまっても犬は嗅覚や聴覚が人より発達しており、視覚に依存する部分は大きくないと言われています。無理のない範囲でお出かけをしたり、暮らしやすいような環境を整えてあげたりとできることからサポートして、愛犬に幸せな生活を送ってほしいですね。

  • 更新日:

    2021.05.09

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。