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健康管理 / 病気

2021.05.05

【獣医師監修】犬の耳が黒くなる原因とは?症状や病気、気になる対処法を解説

犬の耳が黒くなってきたり、黒い粒や斑点のようなものが見られたりしていませんか?それと同時に犬が耳を気にしたり痒そうにしたり、いつもと違う仕草をしていたら、病気のサインかもしれません。今回は、犬の耳が黒くなる原因と、併発する症状などから考えられる病気や対処法についてご紹介します。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:シイナ シイナ)

犬の耳が黒い場合に考えられる3つの原因

遠くを見つめるダルメシアン

犬の耳がいつもより黒ずんできたり、黒い粒のようなものがあったりする場合、どのような原因が考えられるのか見ていきましょう。

1.耳垢による汚れ

ビーグルやダックスフンドのような垂れ耳の犬は、蒸れてしまい、細菌繁殖などを起こして脂っぽい黒い汚れがこびりついてしまう場合があります。またトイプードルやヨークシャテリアのように、耳の中に毛が生えてしまう犬種も、通気が悪くなって黒い汚れが溜まりやすい傾向です。

2.異物による炎症

シャンプーや水、植物の種などの異物が耳の中に入ると、炎症が起こり黒い耳垢が発生することがあります。多くの場合、散歩の際に草むらに入って、植物の種や虫などが耳の中に入り込むのが原因といわれています。

3.耳の中に寄生するダニ

大量の黒い耳垢が見られる場合は、耳ダニによる外耳炎が疑われます。強い痒みから頭を振る仕草が見られ、他の犬との間で感染します。

黒い耳垢が見られる場合に疑われる病気

犬の耳をチェックする飼い主

黒い耳垢は異常のサインかもしれません。併発している症状とともに、考えられる病気について見ていきましょう。気になる症状があったら、早めに獣医師に診てもらいましょう。

耳が臭い、頭をよく振る

黒い耳垢のほかに耳から臭いにおいがしたり、頭を頻繁に振るなどの動作が見られたりしたら以下の病気の可能性があります。

1.細菌やマラセチアによる外耳炎

細菌やマラセチアと呼ばれる酵母菌による外耳炎は、耳の中(外耳道)や耳まわりに菌が繁殖することで炎症が起こる病気で、犬の病気の中で最も多い疾患のひとつです。繰り返す場合や治りにくい場合は原因がアレルギー体質など、併せて複数の要因が関係していることが多いため、治りきらずに慢性化しやすいといわれています。原因を特定し、それに応じた治療が必要ですが、多くの場合は点耳薬の投与が効果的です。

耳ダレが見られ、耳を触ると嫌がる、首を傾ける

耳ダレが多く、触られるのを嫌がったり、頭を傾けるような動作をしたりする場合には、どんな病気が考えられるのでしょうか?

2.中耳炎

中耳炎は、外耳道の炎症から波及して鼓膜の奥の中耳に起こる炎症です。悪化した場合、目が揺れたり、頭を傾けたり、顔面神経が麻痺するなどの症状が見られます。痛みや炎症が激しい場合は、抗炎症薬の内服が有効です。同時に抗生剤を内服して治癒していきます。

耳を掻く、耳をこすりつける、強いかゆみによりしきりに耳を気にする

大量の黒い耳垢が出て、耳を掻いたり耳をこすりつけたりしている場合には、以下の病気が考えられます。

3.耳ダニ感染症

耳ダニ感染症は、耳ヒゼンダニが耳道に寄生して起こります。耳ヒゼンダニは約0.3~0.5mmの大きさで肉眼では見えません。耳垢や分泌物を食べて生活し、皮膚の表面をかじって血液などを摂取するので、犬はアレルギー性過敏反応を起こします。治療は殺ダニ剤を投与して殺虫するのが効果的です。

犬の耳が黒い状態にならないための対処法とは

コーギーの耳

日ごろから気を付けることで犬の耳が黒い状態にならないよう対処法を紹介します。

定期的な獣医師の診察

定期的に耳の状態を獣医師に診察してもらい、必要であれば耳洗浄などをして耳の中を清潔な状態に保つ処置をしてもらうとよいでしょう。異常があった場合でも、早期発見することにより短い期間で治療できます。

耳のお手入れをする

自宅でのケアは、日頃からよく耳を観察し、耳垢があったらコットンなどの乾いたもので優しく拭い取りましょう。ここで注意するのは、濡れたもので拭わないことです。濡れたもので拭ってしまうと耳道内を余計に湿らせてしまって、症状を悪化させる可能性があります。

湿らせて拭いたい場合は、イヤークリーナーなどの耳道内専用の液体を使用しましょう。耳が垂れている場合は、中が蒸れやすくなっているので、シャンプーの後には必ず水分が残らないようにしっかり乾かすことが重要です。

耳の中の毛を短くする

耳の中の毛を短くカットすることも耳のトラブルの予防になるので、トリミングをする際にはトリマーさんに相談してみてください。

愛犬が出すサインに気付くことが大切

ベッドで横たわりながらこちらを見つめるフレンチブルドッグ

言葉が話せない愛犬ですが、身体に異常がある場合や不快感がある時は、普段と違う行動が見られます。そのサインを見逃さず、普段から愛犬のしぐさや体の隅々をチェックしてあげて、少しでも気になることがあったら獣医師に相談するなど早めに対処してあげましょう。

  • 更新日:

    2021.05.05

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。