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シャワーをかけられるレトリーバー
お手入れ

2021.05.04

犬がシャワーを嫌がる理由はなに?愛犬に慣れてもらう方法まとめ

シャワーをするとブルブル震えてしまったり、ジタバタ暴れて全身で嫌っ!と伝えてきたり、シャワー嫌いの子も多い愛すべき犬たち。犬種や毛質にもよりますが、ほとんどの犬は、月1〜2回の定期的なシャンプーで清潔を保ってあげる必要があり、生涯を通してシャワーは避けることができないため、どうせならシャワー嫌いを克服して欲しいところですよね。今回は、愛犬がシャワーを嫌がってしまう理由と嫌がる場合の対策、慣れさせ方についてご紹介します。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:関 ゆりな/ドッグライター)

犬がシャワーを嫌がってしまう理由

平然とシャワーを浴びる犬

犬がシャワーを嫌がる理由はさまざまですが、飼い主が配慮することで少しずつ慣らしていくことは可能です。まずは、愛犬がなぜシャワーを嫌がるようになってしまったのか、その理由を探りましょう。

1.音が怖い

聴覚の優れている犬は、音を敏感にキャッチすることができます。そのため、シャワーの音に恐怖を感じてしまう子も少なくありません。また、音に加えてシャワーの勢いが強すぎるのも愛犬をびっくりさせてしまう原因のひとつです。

音に敏感な場合は、お風呂場に愛犬を入れずに扉を閉めた状態でシャワーの音を聞かせてみたり、少し遠くから聞かせて音に慣らしていきましょう。

また、シャワーのヘッドを皮膚に軽く押し当てるようにすると音も勢いも軽減されます。いきなり心臓のそばや顔にかけてしまうとびっくりするので、心臓から遠いお尻の部分から水圧を弱めてシャワーをかけてあげましょう。

2.水が怖い

ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなど、元々水が大好きな犬種がいるように元々水が苦手な犬もいます。プールなどに入るのは平気でも、シャワーをかけられるのは嫌という子もいるでしょう。シャワーは水が勢いよく散水していくので、びっくりしてしまう子も多くいます。

水を怖がる子にはなるべく、水が飛び散らないようにすることが大切です。皮膚にシャワーヘッドを優しく押し当てるようにして体を濡らしていくようにしましょう。

3.過去に叱られて怖かった

シャワーに慣れていない子は、お湯から逃れようと動き回ってしまうことも多いはず。

ジタバタするからといって「大人しくして!」と叱ってしまうのは、「この場所だと飼い主さんが怖くなる」と感じ、お風呂場やシャワーは嫌なものと認識してしまう可能性があります。また、動き回られると洗いにくいので、つい抑えたくなってしまいますが、力で抑えようとするのは、痛かったり怖い思いをさせてしまいます。

シャワー中は、優しく話しかけることを心がけ、暴れていても無理に抑えたりしないようにしましょう。愛犬が暴れるのであれば落ち着くまで、シャワーを中断したり、慣れるまではスポンジやガーゼ、手桶などを使って優しく水をかけてあげるのもいいですね。

4.目や鼻に水が入った

目に水が入って痛かった、鼻に入って苦しかったなどの記憶もシャワーを嫌いにさせてしまう原因のひとつです。
目や鼻に水が入らないように首から下を洗う時は顔を上向きに支えてあげ、顔まわりを洗う際は反対に鼻先を下げて、シャワーの水圧を弱める、スポンジやガーゼを使って濡らすなどより丁寧に洗ってあげるようにしましょう。

また、耳に水が入ってしまうと外耳炎などの原因にもなりますので、耳の穴を指で塞ぎながら頭を洗うようにしてください。子犬など特にシャワーに慣れないうちは、水が入らないよう耳に綿を入れるのも手です。

5.温度が熱い

人間が快適なシャワーの温度は40℃前後ですが、犬にとっては熱すぎる可能性があります。犬に最適な温度は、人がちょっとぬるいかなと感じる37~38℃が望ましいと言われています。

お湯が熱いと愛犬が熱い思いするだけでなく、熱いシャワーを浴びることで、体温が上昇して体力を大きく消耗してしまう可能性もあります。シャワーを愛犬にかける前に、適切な温度かチェックをするようにしましょう。

犬がシャワーを嫌がる場合の慣らし方

シャワーをされて心地よさそうな犬

シャワーを嫌がる・怖がる理由とそれぞれの解決策が分かりましたが、シャワーに強い恐怖を感じている子を慣れさせるには、時間がかかります。焦らずにまずはお風呂場を楽しい空間と認識してもらうのも大切です。

お風呂場で遊んでみる

シャワーを嫌がる子は、お風呂場自体を「嫌なことをされる場所」と覚えてしまいます。シャワーに慣れてもらうには、まずお風呂場を愛犬にとって楽しい場所に変えてあげましょう。

愛犬が大好きなおもちゃがあれば、おもちゃをお風呂場に持ってきて一緒に遊んであげます。床が濡れていると滑ってしまう危険性があるため、お風呂場が乾いた状態の時にただ遊んであげるのがベストです。

おやつを与える

上記のお風呂場で遊ばせるのと同様に「お風呂場」を楽しくていいことがある場所とイメージ付けてもらうために、大好きなおやつも使ってみましょう。まずは、お風呂場自体に慣れてもらうためにシャワーを使わずにおやつを与えるようにします。

お風呂場に入っても緊張して硬直したり、震えたりという素振りがなくなったら、今度はシャワーに慣れてもらう練習です。 一気に全身を濡らしてしまうのではなく、小さくちぎったおやつをあげながらお尻周りや足先など狭い範囲だけを少しずつシャワーで濡らしてみましょう。

怖がっていたら中断すること

シャワー中は愛犬をよく観察して、怖がっている素振りが見られたら、すぐにシャワーを止めて中断してしましょう。

大好きなおやつを食べないのであれば、それほどシャワーが怖いということです。また、硬直しているのも一見大人しくしているように見えますが、恐怖で固まっている状態なので、強引に進めてしまうとより怖い思いをさせてしまいます。

ジタバタしたり、怖がる素振りを見せたら即座にシャワーを止めて、おやつを与えたり優しく声かけをして気持ちを落ち着かせてあげるようにしましょう。シャワーを再開するのが難しそうなら、汚れた部分を蒸しタオルで拭くなどして、シャワーはまた後日改めて行うようにしてもいいでしょう。

短時間で終わらせる

ストレスを受けることは短時間で済ませてあげるのも大切です。シャワーに慣れていなかったり、怖がってしまう場合は、シャワーの時間を5~10分など短くしてあげるようにしてあげましょう。シャンプーをするだけでも体力を使いますが、シャワーにストレスを感じてしまうならば尚更体力を消耗してしまうからです。

まずは、全身を濡らしてしまうのではなく、足先やひどく汚れが付着しているお尻周りのみなど部分洗いからシャワーを慣らしていくのもおすすめです。

犬のシャワー・シャンプー時間を早く終わらせるコツ

手早くシャンプーをされる犬

シャワーやシャンプーが苦手な子は、先述したように早く終わらせてあげることが大切です。…かといって、汚れがしっかり落ちていなかったり、洗い残しがあれば皮膚トラブルの原因になってしまうことも。ここでは、シャワーとシャンプーの時間をなるべく早く終えるために行える下準備について紹介します。

シャンプーの準備は事前に済ませる

愛犬をお風呂場に連れてくる前に、シャンプー剤の下準備を済ませておきましょう。
そのまま使っても大丈夫なシャンプー剤もありますが、一般的に希釈して使うものがほとんどです。3~4倍程度に希釈するか、ラベルに希釈の目安が表記されていればそちらを参考にします。

桶などを使ってシャンプー希釈したら、スポンジなどでしっかり泡立てておきましょう。シャンプー剤をしっかり泡立てることで、皮膚にまんべんなく浸透しやすくなり、汚れが落ちやすくなります。

汚れている箇所を重点的に洗う

愛犬の汚れが付着しやすい部分を確認しましょう。一般的に足先やお尻周り、肘、顔や耳など汚れやすいので、この箇所を重点的に洗っていきましょう。他の部分はさっと泡立てる程度でも大丈夫です。
皮膚病を患っている場合には、別の注意点がありますので獣医師と相談し適切な洗い方を行ってください。

愛犬のシャワー嫌いは時間をかけて慣らしてあげよう

シャワーで水を掛けられるゴールデンレトリーバー

シャワー嫌いが克服できれば、毎月のシャンプー時間も愛犬へのストレスなく終えられることができますね。しかし、シャワー嫌いは一日二日で克服できるものではなく、慣れるまでに時間がかかるものです。押さえつけて無理やり進めてしまうのではなく、焦らずに時間をかけてシャワーとお風呂場に慣らしていくようにしましょう。

  • 更新日:

    2021.05.04

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。