magazine

豆しば暮らし|そうだ、旅に出よう!・後編の表紙画像
連載 / ブログ

2021.05.09

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと【第2部】|vol.12

豆しば暮らし|そうだ、旅に出よう!・後編

峠を越えたところにある休憩所で、車を一旦停止。
メロンの「ぐえええええ!」の後始末をしなければなりません。

#柴犬 / #豆しば暮らし

笠井 ゆき/ライター

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語【第2部】の連載第12話です。

とりあえず荷物は無事

メロンと後部座席は物の見事に汚れたものの、幸いなことに荷物は無事でした。
ウェットティッシュ、クリーナー、除菌消臭スプレー、犬用のシャンプータオル…。
ママは、大きなバッグから次々と物を出し始めます。

「パパはメロンをきれいにしてね。私はこっちを何とかするから」

「色々持って来たんだねぇ」

「転ばぬ先の杖って言うでしょ。大転倒したけど」

「どうもすみません…」

どうにかこうにか原状回復。
もちろん、片目をつぶって見てみればの話ですが…。

「地の底から響くような声だったね、ぐえええええ!って」

「とりあえず荷物が無事だったから笑っていられるけどさ…」

そう言うママの目は笑っていません。

「は、はい、安全運転に徹します」

案内された部屋はとても素敵で

メロンの様子をみながらゆっくりと車を走らせ、ついに目的地に到着しました。

専用の出入り口の前で、ホテルのスタッフが迎えてくれます。
恭しく荷物を部屋に運び込み、部屋の中でチェックイン。
メロンは早速、広々とした部屋の探索を始めました。

「すっごーい、お高いだけあるね! いいなぁ、こんな広くて素敵なお部屋に住みたい!」

「家賃、30万くらいしそうだけどね」

メロンとの初めての旅行は、初っ端からアクシデントに見舞われはしましたが、とても楽しく素晴らしいものになりそうで、パパもママもワクワクが止まりません。

「メロン、ボールで遊ぼう!」

ママの投げたボールを、メロンは瞳を輝かせて追いかけ始めました。

ドッグランで一緒に遊ぼう!

画像のalt設定

「そう言えば、小さいドッグランもあるんだよね?」

パパがたずねました。

「だったら、そっちで遊んだ方が…」

「それもそうだね!」

いつものドッグランのように全速力で駆けさせることはできませんが、一緒に遊ぶには程よい広さです。
お日様の光を浴びて、メロンの赤茶色の毛はキラキラと輝いていました。

「はぁー、お腹すいた!」

「そろそろ夕食の時間だよ。部屋に戻ろうか」

メロンの足と体をきれいに拭いて部屋に戻り、メロンにごはんをあげると、二人はレストランへ。

「いい子でお留守番しててね。戻ったら、お散歩に行こう」

その夜のこと

お散歩に行く頃には、すっかり日も暮れていました。

お散歩の途中で見上げた空には、きれいな月。
優しい月明かりが、パパとママとメロンを包んでいます。

「あー、楽しい一日だったなぁ」

「うん! でもさ、こんなこと言っちゃいけないとは思うんだけど…」

「何?」

「お部屋の中でメロンと遊んで、ドッグランで一緒に走って。ごはんを食べに行く間お留守番をしてもらって、その後お散歩をして。これって…普段と同じじゃない?」

「それは…言っちゃいけないよね」

それでも、メロンと一緒の旅行が嬉しいことに変わりありません。

その夜二人は、とても幸せな気持ちで眠りにつきました。
メロンも、この幸せを分かち合ってくれていると信じながら。

  • 更新日:

    2021.05.09

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。