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柴犬 小説
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2021.05.02

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと【第2部】|vol.11

豆しば暮らし|そうだ、旅に出よう!・前編

今日のママは、大忙し。仕事が3本、目白押しです。
「ああ、早くメロンと遊びたい…」

#柴犬 / #豆しば暮らし

笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語【第2部】の連載第11話です。

何か特別なこと

次の現場へと向かう車の中、ママは、メロンと何をして遊ぼうか考えていました。

「何かこう…スペシャルなことってないかなぁ」

もちろん、メロンと一緒なら何をしても楽しい。
でも、それ以上に、特別な思い出として残るような何かを、ママは探していました。

そうこうしているうちに、現場に到着。予定よりだいぶ早い時間です。
駐車場で少し休もうと、ママは運転席の背もたれを少し倒し、コンビニで買った雑誌を手に取りました。

「…ん? ペットと泊まれる宿?!」

パラパラとページをめくる手を止め、ママは勢いよく起き上がりました。

ロビーでも部屋の中でもペットをケージに入れなければならないホテルもあれば、部屋の中では自由にさせていいホテルもあります。
その中で、ペットと泊まる部屋専用の出入り口があり、その玄関脇に小さなドッグランもあり、広々とした部屋の中ではご自由に…おまけに客室専用露天風呂もついて…そんなゴージャスなホテルが、車で3時間くらいの距離にあるのを見つけました。

「そうだ、旅に出よう!」

果たして予約は取れるのか

「かなりお高いんだけどね」

「まぁ、一泊二日なら大丈夫。問題は、予約が取れるかどうかだけど…」

メロンと旅に出よう、一緒にお泊まりしよう。

ママの提案に、パパもすっかり乗り気でした。

「今週末、空いてるって! 予約していい?」

「お願いします!」

あっさり予約が取れました。
とんとん拍子に事が進み、あとは週末を迎えるのみです。

峠を攻めた結末は…

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いよいよ当日。とてもいい天気です。

「忘れ物はない?」

忘れ物などしようがないほど、車にはたくさんの荷物が積まれていました。

「さぁ、出発進行!」

鼻歌まじりにハンドルを握るパパも、その歌を大声で熱唱するママも、この上なくご機嫌さん。
そんな二人を、メロンは嬉しそうに眺めていました。

2時間ほど車を走らせると、峠にさしかかりました。
くねくねとしたカーブの連続。パパは楽しくなってきました。

「しっかり掴まっていてね!」

タイヤを軋ませ、果敢に峠を攻めます。

「本日のメインイベント、急カーブ行きまーす!」

パパの運転技術はなかなかのもの。とはいえ、相手は急カーブです。
人も犬も荷物も、激しく揺れました。

「ぎゃああああ、怖いいい!」

ママの絶叫が響き渡ります。
そして、一泊遅れて…

「ぐえええええ!」

「何、今の?!」

「もしかして…?!」

更なる恐怖を煽る声の主は、メロンでした。
カーブの連続で車酔いをしてしまい、あの急カーブがトドメの一撃となってしまったのです。

恐る恐る後部座席を振り返るママ。
車内は大惨事でした。

  • 更新日:

    2021.05.02

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。