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クッションを破壊した反省の色が見えない犬
犬の生態 / 気持ち
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2021.04.24

犬は反省しないって本当?海外の実験結果から紐解く愛犬の気持ち

みなさんの愛犬は叱られた時にどんな態度をとりますか?目を合わせず知らんぷりするコもいれば、ショボンとした表情であたかも反省しているかのような態度をとるコもいますよね。
様々なしぐさで反省の気持ちを表してくれる愛犬たちですが、彼らは本当に反省しているのでしょうか?今回は、愛犬たちに『反省』という気持ちがあるのかどうかを海外の実験結果を元に検証していきたいと思います。

文:Qt/家庭犬トレーナー

海外での興味深い実験

空のご飯皿と飼い主を見上げる犬

犬に罪悪感や反省の気持ちがあるのかどうかを検証した興味深い実験が、2011年から2013年にかけて海外で行われました。96組の飼い主とその愛犬が参加したクロアチアでの実験結果です。

実験概要

実験はそれぞれの自宅の1室で行われ、愛犬と愛犬の好きなオヤツを置きざりにして飼い主さんは部屋の外へ出ます。その際、愛犬にはこのオヤツを食べてはいけないと言い聞かせます。

その後、愛犬が実際にオヤツを食べてしまう「犯罪パターン」と、第三者である実験者が愛犬のオヤツを取り去って、愛犬が食べてしまったかのように見せかける「冤罪パターン」とに分けて、飼い主さんが部屋に戻ってきたときの愛犬のリアクションを検証するという実験。

愛犬のリアクションは?

愛犬に反省する気持ちがあれば、食べてはいけないと言われたオヤツを食べてしまったコは、何らかの反省の態度を示すはず。逆に、冤罪のコは後ろめたい気持ちはないので、反省の態度は見られないはずです。果たして結果はどうなったのでしょうか?

愛犬のリアクションだけではわからない

飼い主さんには、愛犬がオヤツを食べてしまったのか、冤罪なのかは知らせていません。どちらなのか分からない状態で部屋に戻ってもらい、10秒間愛犬を観察した後、「犯罪」なのか「冤罪」なのかを判断してもらいます。
その結果、どちらなのかを当てることは難しく、愛犬のリアクションだけでは「犯罪」なのか「冤罪」なのかは分からないという結果になりました。

「反省」は叱られたことに対するリアクション

ウルウルとした瞳で飼い主を見上げる犬

さらに、この実験には続きがあります。

飼い主さんに叱られると見せる「反省」

部屋に戻った飼い主さんに、「犯罪パターン」のコも「冤罪パターン」のコもどちらも同じように叱ってもらいました。すると、実際に食べてしまった「犯罪パターン」のコだけでなく、食べていない「冤罪パターン」のコも反省の態度を見せたというのです。

実験の結論

上記の結果、犬には罪悪感はなく、反省の態度を見せるのは、言いつけを守らなかったという後ろめたさからではなく、飼い主さんに叱られたという事に対してのリアクションであると考えられると結論づけられています。

純粋な反省ではない可能性も

荒れた室内と反省しているように見える犬

上の実験から、反省しているように見える愛犬の態度も見方を変えれば、叱られていることに対する恐怖心やヒートアップしている飼い主さんの気持ちをなだめようとしているとも考えられます。

擬人化している可能性

私たち飼い主は、言葉を持たない愛犬たちの気持ちを知ろうと、愛犬の仕草や態度を見て今はどんな気持ちなんだろうと想像をめぐらしますよね。そしてそれはきっと、『擬人化』していることがほとんどです。

愛犬の態度を見て、『悪いことをした』→『叱られた』→『反省』と、私たち人間の考え方に置き換えて考えてしまいがちですが、愛犬たちは悪いことをしたから反省しているのではなく、実際には飼い主さんに叱られたことだけにフォーカスして、それ自体にショボンとしているという考え方のほうが近いのかもしれません。

愛犬が反省していてもしていなくても広い心で

反省している様子の犬

犬には罪悪感がないと考えられるという実験結果もありましたが、愛犬が本当に反省しているのかしていないのかは、結局のところまだ推測の域を出ません。ですが、愛犬の態度を見ているとどうしても、反省しているように見えてきてしまいませんか?
上目遣いで申し訳なさそうにこっちを見る愛犬に、「そんなに反省してるなら許してあげるね」とついつい甘くなってしまうことも。現行犯で悪いことをした時にはその場で叱ることは大切ですが、それ以外の時には広い心で笑って許してあげましょう。

参考文献
  • 更新日:

    2021.04.24

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ライター・専門家プロフィール
  • Qt
  • 家庭犬トレーナー
  • 動物愛護の中間支援団体での活動を経て、より多くの人と動物の幸せな生活を支えるお手伝いができればと、家庭犬トレーナー1級やペットロスケアアドバイザーなど複数の資格を取得。 シニア期にさしかかった2匹の愛犬とのゆったりとした幸せな日々に感謝しながら、今日も仕事とライティングのWワークに励みます。