magazine

犬 手作り食 レシピ
食べもの
鉛筆アイコン

2021.04.17

手づくりごはん|パートナーに優しいレシピ|vol.72

パートナーに優しいレシピ|非常時に備えて犬のためにできること

災害が起きた時、私たちが一緒に暮らす愛犬たちは、人間よりも過酷な状況に置かれることが考えられます。愛犬が人間たちとともに安全で安心できる環境を作ってあげるために、私たちはとんなことができるのでしょうか。
東日本大震災をきっかけに作成された、環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を基に考えてみたいと思います。

#パートナーに優しいレシピ

さのさえこ/ドッグライター

「自助」と「同行避難」「同伴避難」

犬 手作り食 レシピ

東日本大震災では、震災後にペットを自宅に置いて避難する方も多かったそうです。そのため、その後の対応に苦慮した自治体もありました。
ペットと暮らす私たちに求められる災害時の取るべき対応と、その意味を知っておきましょう。

「自助」とはペットの安全を確保すること

災害が起きて飼い主さんの避難が必要になった時には、ペットを家に置き去りにはせずに、一緒に連れて行くことが義務とされています。
飼い主さんがそこに留まることが危険な時は、愛犬にも危険があるということになりますよね。一緒にその場を離れ、飼い主が愛犬の安全を確保することを「自助」と言います。

「同行避難」と「同伴避難」の意味は違う

同行避難と同伴避難は似た言葉ですが、意味は異なります。それぞれの違いを見てみましょう。

同行避難

前述の「自助」のこと。災害時に、ペットとともに行動することのみを指します。避難所に一緒に入れるわけではありません。

同伴避難

ペットと一緒に避難所に入ることができます。ただし、同じ部屋に避難できるとは限りません。「同伴避難」は各避難所によって変わりますので、事前に地域の避難所のルールを確認しておきましょう。

ただ東日本大震災では、同伴避難によってペットのいない方々から多くの苦情が寄せられた経緯があり受け入れてくれる避難所は少ないようです。そんな場合に備えて災害時の預け先を探しておくこともガイドラインでは推奨されています。

災害時に行動できる範囲は限られています。普段散歩で仲良くしている犬友達でお互いに助け合える環境を整えておけると良いかもしれませんね。

落ち着けるしつけと離れても出会える装備

犬 手作り食 レシピ

避難を余儀なくされた時のために、愛犬にしつけておきたいことや、迷子になっても見つけてあげられる準備をしておきましょう。
災害時は周りのただならぬ気配を愛犬も敏感に感じ取り、気持ちが不安定になります。災害時に必要なことを「いつものこと」と覚えておいてもらうことが大切です。

災害時に役立つしつけ3つ

災害時に役立つしつけは3つあります。

  • キャリーで落ち着いて休める
  • 決まった場所で排泄ができる
  • クツを履いて動くことができる

キャリーで休めるしつけ

避難所では、運良く同伴避難が可能であっても、犬は別室でキャリーを積み重ねた状態でいることが多くなります。
愛犬の戸惑いを考えると、せめてキャリーで落ち着けるようなしつけをしてあげたいですね。

トイレのしつけ

また、トイレの問題も他の避難所の方々の苦情につながりやすい点になります。
ペットシーツで排泄ができるようにすることも必要になるでしょう。

クツを履けるしつけ

どうしてもトイレが屋外になる場合や、愛犬のストレスを緩和するために散歩に出ることを想定して、クツに慣らしておくことも必要ではないでしょうか。
災害時はガラスなどの破片が飛び散って危険な状態も考えられます。

ところで、なぜか犬にクツを履かせると不思議な動きになりませんか?嫌がりはしませんが、うちのコは変な動きになります。

マイクロチップや迷子札を身につける

一緒に逃げても、混乱の中で愛犬とはぐれてしまうことも考えられます。東日本大震災でも、多くのペットが飼い主さんと離ればなれになってしまいました。

混乱の中ではペットと出会える可能性がとても低くなるため、マイクロチップや迷子札の装着も忘れずにしてくださいね。マイクロチップは、動物病院で1,000円ほどで装着できます。長さ12ミリほどの小さなチップを首の皮膚の下に埋め込み、飼い主さんはネットで自分の情報を登録すれば完了です。

専用の機械で読み取れば飼い主さんの情報がわかるので、迷子になっても見つけられる可能性がグンと高まります。そのほか、迷子札を付ける場合には濡れて落ちやすいマジックで書き込むより、金属などに掘り込むタイプの方が消えにくくなるのでおすすめです。

愛犬のために最低5日分の食糧と水を備える

犬 手作り食 レシピ

災害時のペットの世話は、同行避難、同伴避難にかかわらず、飼い主さん自身が行うことになります。そのため、環境省のガイドラインではペットの食糧や水を最低5日分(理想は7日分)準備しておくことが推奨されています。
救援物資が届くまでの間、愛犬がひもじい思いをしないように備えてあげてくださいね。

いつものご飯とレトルトご飯を常備する

まずは必要最低限、いつものフードは確保しておきたいです。
そして、突発的な環境の変化で愛犬が食欲を落としたり水分を摂らなくなってしまったりすることも考えられるので、1回で食べきれる缶詰などもあると良いのではないでしょうか。水は飼い主さんと共有できますが、食べ物はなかなか分け与えることができません。
ご飯やおやつは日頃からストックしておくと良いかもしれませんね。

薬や救急セットも持ち出せる準備を

薬を常用している子には、必ず一緒に持ち出せるようにしましょう。また、思いがけないケガや消化不良にも備えておくと安心です。
我が家では、犬に使える消毒薬と止血剤、動物用のビオフェルミンを獣医さんに聞いて常備しています。通院の際に、獣医さんに相談すると教えてもらえるので、気になる方は聞いてみてはいかがでしょうか。

人間の食べ物で愛犬にあげられるものを探す

犬 手作り食 レシピ

これまで地震や豪雨で被災した方の声から、犬も一緒に食べられるものをピックアップしてみたいと思います。
万が一、犬の食べ物が不足した時に役立ててみてくださいね。

犬が食べられるもので作られた野菜ジュース

避難所では野菜不足を感じた方が多くいらっしゃったようです。野菜は犬にも必要な栄養素になります。ただし、野菜の中には犬が食べてはいけないものもあるため、原材料には注意が必要です。

調味料を使っていない、100%のトマトジュースやニンジンジュース、そして野菜ではありませんが、すりおろしリンゴのジュースなどを少量であれば、犬に与えることができるのではないでしょうか。

犬に必要な栄養素の一部しか補給はしてあげられませんが、口当たりのよいジュースは水分補給にも最適です。

白米や玄米などのお米を柔らかくする

避難所では、おにぎりの支給が多かったそうです。白米のおにぎりが大半ですが、玄米を使ったおにぎりが出たところもありました。犬にはできれば栄養価が高く食物繊維が豊富な玄米をおすすめしますが、白米でも食べられます。

そして、消化を良くするために、できるだけおかゆのような状態にする必要があります。1日当たりの摂取目安は、体重5kgで100g前後、体重20kgで300g前後です。

犬専用の食べ物がなくなった場合には、お米で満腹感を得られるのは助かるかもしれませんね。

愛犬を守れることが飼い主の願いと役割

犬 手作り食 レシピ

犬と暮らす私たちは、平常時は何があってもこの子を守ると強く心に決めていると思います。しかし、自分の身に命の危険が迫った時、どんな気持ちになるかを想像するのはとても難しいことです。
そんなギリギリの精神状態でも冷静さを取り戻せるのが、平常時の愛犬のしつけと災害時の備えではないでしょうか。ちゃんと備えているから大丈夫、という安心感や信頼感が、今心に決めている「愛犬と生き延びる」という気持ちを実現させてくれるのではないかと思います。

この記事もチェック!
参考文献
  • 更新日:

    2021.04.17

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • さの さえこ
  • 犬の東洋医学生活管理士2級、ドッグライター
  • 子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。 この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。