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柴犬 小説
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2021.04.25

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと【第2部】|vol.10

豆しば暮らし|ハッピーバースデー!

毎日のお散歩に、週末のドッグランでの爆走。
ごはんもモリモリ食べ、もうすぐ成犬になるメロンは、どんどんたくましくなってゆきます。

#柴犬 / #豆しば暮らし

笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語【第2部】の連載第10話です。

明日は何の日?

「明日はメロンのお誕生日だよ!」

晩ごはんを食べながら、ママがパパに言います。

「プレゼント、用意した? あ、白ばらの香りはナシね」

「それはもう言わないで…。プレゼントはケーキにしたよ」

「えーっ、ケーキなんて食べさせちゃダメでしょ!」

「犬用のケーキだってば」

パパは、犬用のケーキについて説明を始めました。

「へぇー、そんないいものがあるんだねぇ」

「でしょ? 今度ははずさないから。ママは何にしたの?」

「ヒミツ。手作り品だとだけ教えておこう」

剛気な人柄ながら手芸の好きなママは、ウェディングドレスも手作りしたほど。今回も、ミシンを使って何やら作り、夕方には完成させていました。

お誕生日おめでとう、メロン!

パパのプレゼント、犬用のケーキがメロンの前に置かれました。
見た目は小さなバースデーケーキですが、材料は野菜がメイン。本当によくできています。

「メロン、待てだよ」

待ても覚えたメロンは、美味しそうなケーキをじっと見つめながら、きちんと待てをしています。

「お誕生日おめでとう! よし!」

よしの合図で、メロンはケーキをがぶっと一口。
どうやら気に入った様子です。

「ほらね、今回ははずさなかったでしょ?」

パパは鼻高々。嬉しそうなパパとママの笑い声が、メロンにとっては何よりのプレゼントでした。

パパもママも嬉しそうだし、ケーキは美味しいし。
お誕生日って、とっても素敵な日だな!

ママのプレゼントは…

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「じゃあ、そろそろママのプレゼントを出しちゃおうかなー」

ママは、小さく畳んだ薄いピンク色の何かを持ってきました。

「何それ?」

「じゃじゃーん、バンダナだよ!」

そう言うとママは、首輪の上からバンダナをつけました。

「かわいー! よく似合うー! さすがママー!」

そして、自画自賛。

ですがメロンは、険しい顔をしていました。
バンダナがあると、首輪にリードをつけられなくなるんじゃないか。そうしたら、お散歩に行けなくなるんじゃないか。
そんなことを考えていたのです。

「ん? 何か、嫌がってない?」

頭を振ったり、バンダナにパンチをしたり。
初めて首輪をつけられた時と同じようなことをし始めました。

「え…。そんなことないよね、メロン? 嬉しいって言って…」

何だか切ないママの声。
でもメロンは、そんな声など全く聞こえないかのように、バンダナの広がっている部分をくわえ、引っ張り続けていました。

そして翌朝。
メロンのケージには、引きちぎられたバンダナの残骸が…。

「メロン…。そんなにイヤだったの…」

ママはちょっぴり泣きました。

  • 更新日:

    2021.04.25

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。