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柴犬 小説
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2021.05.07

アマチュア小説ライターが綴る、犬と暮らした日々のこと【第2部】|vol.6

豆しば暮らし|友達できた!

お散歩デビューしてからずいぶんと経ちましたが、メロンは一貫して、「人間大好き、でも犬には塩対応」。
さすが日本犬、頑固一徹です。

#柴犬 / #豆しば暮らし

笠井 ゆき/ライター、葬儀司会者

この記事は、アマチュア小説家が「犬と暮らした日々のこと」をもとに綴る創作物語【第2部】の連載第6話です。

ママ、童心に帰りすぎる

「たまには、お散歩コースを変えてみようか?」

ママがメロンに提案しました。

いつもの遊歩道の途中から脇道を抜け、大きな公園の方へと歩いてゆきます。
普段は、元気一杯に駆け回る子供達で賑わうその公園は、早朝のこの時間には静まり返っていました。

「誰もいない今がチャンス! メロン、ブランコ乗ろうよ!」

メロンを膝に乗せて片手でしっかりと抱えると、ママはもう片方の手で鎖を掴み、勢いよくブランコをこぎ始めました。

「20年ぶりのブランコだー! ヒャッハー!」

天まで届くかのよう。
しかし、メロンはたまったものではありません。いくらママが抱えてくれているとはいえ、ものすごいスピードで上がったり下がったり…。

運命の出会い?

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「あははは、面白そうですね!」

楽しそうな笑い声に、ママはビックリ。誰もいないと思ってノリノリだったのに、見られていたなんて!

「す、すみません、年甲斐もなく…」

慌ててブランコから降りたママは、モジモジして言いました。
声の主は、40代初めくらいの人の良さそうな女性。ミニチュアシュナウザーを連れていました。

「豆しばちゃんね。お名前は?」

「メロンです」

「えっ、うちの子はミカンだよ!」

「えっ、まさかのフルーツつながり?!」

ミカンちゃんのお母さんは、とても明るく朗らかで話好き。二人はすっかり仲良くなり、おしゃべりに花が咲きます。
その途中でママは、大事なことを思い出しました。

「ミカンちゃんのお母さん、実はメロンは…。あれ?」

初めての激しいブランコにやられたのか、メロンはすっかりおとなしくなっていました。ミカンちゃんは、そんなメロンに寄り添ってくれています。

すっかり仲良し

メロンのパーソナルスペースらしきところにミカンちゃんが入っていても、メロンはちっとも怒りません。それどころか、匂いを嗅ぎあったり、鼻を寄せ合ったり。

「もしかしてメロン…ミカンちゃんとお友達に…?」

あまりの嬉しさに、思わず泣きそうなママ。

「よかったねミカン。新しいお友達ができたね!」

「ええ、本当に…。よかった、よかったよー!」

お散歩コースを変更してよかったと、心から思いました。

おしゃべりをしながら歩くミカンちゃんのお母さんとママの前を、ミカンちゃんとメロンが並んで歩きます。
時々、追いかけっこのようなことをしたり、顔を寄せ合っておしゃべりのようなことをしながら。

「もう少し早い時間には、ミカンのお友達が公園に来るの。よかったら、メロンちゃんもどう?」

「もう少し早い時間と言うと?」

「んー、4時半くらいかなぁ。今日は私、寝坊しちゃって」

「はぁ、4時半ですか…」

と、いうことは、4時に家を出なければ間に合わないから…3時半起床ってこと?
まだ夜なんですけど…!

ママは一瞬ためらいましたが、やっとメロンに友達ができたんだからと思い直しました。

「はいっ、がんばります! よろしくお願いします!」

  • 公開日:

    2021.04.02

  • 更新日:

    2021.05.07

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ライター・専門家プロフィール
  • 笠井 ゆき
  • ライター、葬儀司会者
  • 年中無休の犬好き、犬バカです。只今、自宅警備員まめお(パピヨン)と同棲中!犬を愛する喜びを、皆さまと分かち合ってゆけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。