品川区では、同行避難が可能な避難場所が設定されています。同行避難とは、ペットと一緒に避難をすることができるというものです。避難できる場所は、各避難所ごとに異なりますが、品川区の場合は基本的に避難所の外での避難となります。なお、雨天など外での避難が難しい天候の場合は、屋根のあるところに避難することができます。
品川区には、地震/津波/風水害をそれぞれ想定し、以下のような避難所・避難場所が用意されています。
地震に備えた避難所・場所
津波に備えた避難所・場所
風水害に備えた避難所・場所
品川区の区民避難所は、品川地区7か所、大井地区12か所、大崎地区7か所、八潮地区3か所、荏原地区23か所で総数は52か所あります。
またこれとは別に、津波避難所が9か所あります。
このうち、ペットと同行避難できる避難所は次の9か所。この9か所の避難所には、ペットと同行避難するためのマニュアルがあり、同行避難訓練も予定されています。
地区 | ペット同行できる避難所 | 住所 |
---|---|---|
品川地区 | 城南小学校 | 南品川2-8-21 |
品川地区 | 東海中学校 | 東品川3-30-15 |
大井地区 | ウェルカムセンター原 | 西大井2-5-21 |
大井地区 | 富士見台中学校 | 西大井5-5-14 |
大井地区 | 大井第一小学校 | 大井6-1-32 |
荏原地区 | 清水台小学校 | 旗の台1-11-17 |
荏原地区 | 中延小学校 | 中延1-11-15 |
荏原地区 | 荏原第五中学校 | 旗の台5-11-13 |
荏原地区 | 豊葉の杜学園 | 二葉1-3-40 |
品川区には現在、12,720頭(令和元年度狂犬病予防注射頭数)の犬が登録されています。同行避難可能な避難所は9か所と、登録頭数に対して少ない感が否めませんが、同行避難した場合、避難所ではどのようなサポート体制がとられているのでしょうか?
品川区では、ペット同行のための特別な避難ガイドラインは作成されていませんが、地域のために活動する団体をつなぐ「しながわすまいるネット」に、避難所におけるペットの飼育ルールが掲載されています。
また、防災に関する知識や技術の習得を図り、しながわの地域防災力を向上させる防災区民組織「しながわ防災学校」の講座で、ペットの飼い主に向けた心構えなどを啓発しています。
品川区で同行避難が可能な動物は、ケージに入る大きさのペットとなっています。大型犬~超大型犬などで、ケージに入らないサイズのペットは同行避難が出来ません。
なお、同行避難の際には、飼い主がケージを準備する必要があります。
品川区の避難所では、基本的に屋外にケージを置き、飼い主が管理することになります。
なお、雨天や荒天時には、避難所敷地内の屋根つきの場所が想定されています。
現在、避難所内にペット専用の診察施設を開設する予定はありませんが、災害協力協定を締結している品川区獣医師会などの獣医師会から避難所へ獣医師が派遣され、適切な獣医療が提供されることになっています。
品川区には、災害備蓄品としてのペットフードの用意はありません。同行避難の際には、飼い主がケージ、フードを持って避難する必要があります。
環境省では、最低5日分のフードを備蓄しておくことを推奨しています。
残念ながら、品川区ではペット同行避難に関しての詳細なルールやマニュアルが設定されていません。また品川区地域防災計画の中には、ペットと同行避難に関してのルールは例として掲載されていますが、飼い主向けのマニュアルは作成されていません。
ここでは、例として記載されているルールをご紹介します。
品川区では、同行避難の際にケージ、フードなどを用意しておく必要があります。避難所で足りないものがないように、あらかじめペット用の防災バッグを作成して、いつでもすぐに持ち出せるようにしておくことがおすすめです。
また、常用している薬がある場合は忘れないようにすることが大切です。
避難時に必要なものは、ケージ、フードなどかさばるものも多く、またペット用の用品だけではありません。そのため、なるべくコンパクトに折りたためて軽い持ち運びを前提として作られているケージを用意しておくことがおすすめです。また、避難生活で犬がストレスを受けないように、ケージ内である程度犬が動けるスペースがあるタイプを選ぶこともポイントです。このサークルタイプのケージは、ペグで地面に固定でき、取り外し可能な屋根付きで、ペットボトルなどを収納出来るポケット付き。日常から室内やアウトドアで利用して、サークルに慣らしておきましょう。
災害時には、割れたガラスやがれきなどが多く散乱している可能性があります。抱っこやケージで避難できない場合に役に立つグッズが犬用ブーツです。ブーツ選びのポイントは、履かせやすさはもちろん、底面がしっかりした作りで脱げにくいデザインのものであること。犬はブーツが苦手なため、日頃からブーツを履かせて歩く練習をしておくと、災害時にスムーズに避難することができます。
犬が避難するにあたっての必需品となるのがフードボウルと水のみボウルです。近年主流となっている折りたたみタイプのボウルは、かさばらずに持ち運べて便利です。散歩用とは別に、いつものボウルより1サイズ大きくフタ付きのタイプを用意しておくことがおすすめです。こちらは大中小と3サイズがセットになったタイプ。
避難所で大きな問題となるのがトイレです。慣れない環境下では、いつもは失敗しない犬でもトイレを失敗してしまったり、ストレスから下痢をする可能性もあります。また、集団生活となる避難所では、臭いの問題も大きく、こまめにトイレシートを交換する必要も考えられます。そのため、吸収力が高く消臭力に優れたトイレシートを選びたいところ。このトイレシートは、炭の力で臭いを吸着、1枚の吸収量が約810ccとたっぷりで、大型犬や多頭飼いでも安心して使用できます。トイレシートは消耗品のため、多めに用意しておきましょう。
必要なものを一つのバッグにまとめた防災バッグを作っておくと緊急時に役立ちます。市販のペット用防災セットに、愛犬用のおもちゃやペットシーツ、タオルなどをプラスしておくことがおすすめです。このMOFFオリジナル4wayバッグペット防災25点セットは、折りたたみ型の5リットルのウォータータンクと10リットルのウォータータンク、LED型懐中電灯、吸水タオル、ブランケットなど人間の避難にも役立つグッズから、マナー袋、マナーポーチ、ネームタグ、ペット用包帯、折りたたみボウル、予備首輪一体型リードなどが一つのバッグに詰められているもの。バッグは、リュック、肩掛けなど4タイプの持ち方ができます。
東日本大震災での教訓から、環境省ではペットとの同行避難を推奨しています。しかし、いざ同行避難しようと思っても、避難所が遠い、外にはずっと置いておけないなど、悩みは尽きません。また、熊本豪雨災害では、ペットを連れて避難した方たちが自家用車の中で避難生活を続けていたという報道も記憶に新しいところです。ペットを連れての避難位は、事前情報のキャッチはもちろんのこと、地域の飼い主との連携や防災用品の備蓄などが必要です。まだまだスタートしたばかりのペット同行避難ですが、課題は山積です。いざという時に困らないためにも、お住いの地域で飼い主の方たちと日頃から話し合いをし要望などを行政へ伝えておくことも大切です。