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フレンチブルドッグがお尻を向けている様子
健康管理 / 病気

2021.03.09

【獣医師監修】犬のお尻が臭いのは病気のサインかも?ニオイの原因と対処法まとめ

愛犬のお尻が臭いと感じたら、異常が起きているというメッセージかもしれません。犬のお尻が臭くなる原因は様々ありますが、最悪の場合は命に関わる怖い病気を発症していることも考えられます。

本記事では、犬のお尻が臭い場合に考えられる原因と、発症している可能性のある病気について解説していきます。対処法も紹介しているので、愛犬の健康のためにも、ぜひ参考にしてみてください。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:後藤 俊)

犬のお尻が臭い場合に考えられる3つの原因

コーギーがおしりを向けて座っている

愛犬のお尻から、いつもと違う嫌なニオイがする場合に考えられる原因を3つ紹介します。原因によって対処法も変わるため、どれに当てはまっているのかをしっかりチェックしておきましょう。

考えられる原因|1.「肛門のう」に分泌液が溜まっている

犬のお尻には肛門のうと呼ばれる器官があり、ニオイの強い分泌液が溜まる構造になっています。この分泌液が過剰に溜まり、お尻が臭くなる原因になっていると考えられます。

分泌液は基本的にうんちと一緒に出ていきますが、健康的な犬でも自力で排出できていない場合があるのです。中でも、小型犬や高齢犬が自力で排出できていないことが多いといわれています。

他の犬がおしりのニオイを嗅いでくるのは正常なこと

愛犬のお尻のニオイを他の犬がしきりに嗅いでくる際に、「うちの犬のお尻が臭いのかな?」と思ったことはありませんか?こういった行動は犬同士があいさつをするために行うものなので、特に気にする必要はありません。コミュニケーションの一環だということを理解しておきましょう。

考えられる原因|2.お尻周りの皮膚に炎症がある

犬のお尻の周りの皮膚が炎症・化膿している場合にも嫌なニオイの原因になりえます。その場合、お尻が赤くなっていたり、傷がついていたりしないかを確認してみましょう。

パッと見ただけでは毛に隠れて気づかない場合もあるので、注意深く観察してみてください。

考えられる原因|3.腸内環境が荒れている

犬の腸内環境が荒れており、うんちのニオイがキツくなっていることが、お尻の臭さの原因になっているとも考えられます。

便秘や下痢を併発している場合は、腸内環境が荒れている可能性が高いです。お尻の状態だけでなく、排泄したうんちの状態も確認してみるようにしましょう。

犬のお尻が臭い場合に考えられる病気3点

犬のおしりのフォーカス

病気によって、犬のお尻が臭くなっている可能性も考えられます。ここでは、発症している可能性のある病気を3つ紹介していきます。

いずれの病気も、お尻を舐める・地面にこするといった症状が併発していることが多いため、愛犬にこういった行動が見られる場合は注意が必要です。

考えられる病気|1.犬の肛門のう炎

肛門のう炎とは、犬の肛門のうに分泌液が過剰に溜まることで炎症が起きる病気です。症状としては、かゆみや違和感を引き起こします。

長期間放っておくと、肛門のうが大きく腫れ、最終的には破裂してしまいます。これは「肛門のう破裂」と呼ばれ、皮膚を突き破って血や膿が出てくる危険な状態です。

したがって、犬がまだ違和感を感じている段階での早期の治療が必要となります。

考えられる病気|2.犬の肛門のうアポクリン腺癌

アポクリン腺癌とは、犬の肛門のうにあるアポクリン腺という細胞が癌化してしまう病気です。症状としては、肛門の周りの皮膚の赤みや血便といったことが挙げられます。

がんがリンパ節に転移すると、症状が重症化してしまう可能性が高いです。転移率が高いため、早期発見がなによりも大切といえます。些細な異変にも気づけるよう、普段からお尻の状態を観察しておきましょう。

考えられる病気|3.犬の肛門周囲腺腫

肛門周囲腺腫とは、犬の肛門の周辺にある肛門周囲腺に硬いしこりができてしまう病気です。良性のものと悪性のものがあるため、この病気であることがあることがわかったら検査することをお勧めします。

違和感があることから、犬がお尻を強く擦ったりするため、腫瘍が化膿し、感染症を併発する恐れがあります。去勢をしていない雄の高齢犬が発症しやすいといわれています。

重症化すると排便が困難になってしまうため、早期に治療することが大切です。

犬のお尻が臭い場合の対処法まとめ

愛犬のお尻のニオイを改善するための対処法を紹介します。いずれもニオイの原因を見つけてから行うようにしてください。

対処法|1.肛門腺絞りをする

肛門のうに分泌液が溜まっていることが原因だった場合、月に1回程度「肛門腺絞り」をしてあげましょう。肛門腺絞りとは、自力で分泌液を排出できない犬のために、飼い主が代わりに絞り出してあげるというケア方法です。

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対処法|2.餌を変えて腸内環境を整える

お尻の臭さの原因がうんちのニオイだった場合は、餌を変えて腸内環境を整えてあげましょう。腸内を整えるのには、乳酸菌や酵素を含んだサプリメントやフードがおすすめです。

また、体質にもよりますが人間の食べ物を控えるのも、腸内環境を整えるのに効果的です。

対処法|3.皮膚の炎症に気づいたら動物病院へ

皮膚炎による化膿が原因でお尻が臭くなっている場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。皮膚が炎症を起こす原因は数多く考えられるため、適切な処置を行わないと悪化する恐れがあります。

市販の医薬品で治療しようとせず、獣医師の指示に従うようにしましょう。また、アレルギーが疑われる場合は、犬のアレルギー検査を行ってみるのも効果的です。

犬のお尻は健康のバロメーター

犬がおしりを向けて元気に走っている

犬のお尻はとてもデリケートな部分であるからこそ、今の健康状態を表わしやすい場所でもあります。日ごろから注意深く観察し、些細な異変にも気づけるようにしておきましょう。

また、臭いと感じた場合は、原因を探るためにも一度動物病院へ連れて行くことをおすすめします。平気だと思っていても、重大な病気が隠れている可能性があるからです。

愛犬のお尻に気を配り、健康的で楽しい生活を送れるようにしてあげましょう。

  • 更新日:

    2021.03.09

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。