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健康管理 / 病気
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2021.03.08

犬が前足や後ろ足を浮かせて歩く理由3つ!注意すべき病気とは?

犬が前足や後ろ足を浮かせたり、引きずるような素振りを見せていると、飼い主としては心配になってしまいますよね。ただの癖という場合もありますが、重大な病気である可能性も否定できません。
本記事では、犬が足を浮かせている原因や、発症している可能性のある病気について紹介していきます。病気である場合、なによりも早期発見が大切です。当てはまる項目がないか、しっかり確認してみてください。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:後藤 俊/ライター)

犬が前足や後ろ足を浮かせている場合に考えられる原因3つ

犬 足 浮かせる

犬が足を浮かせていたり、引きずるような素振りを見せている状態を跛行(はこう)と呼びます。跛行している場合は、足に痛みや違和感を持っていることがほとんどです。

したがって、まずは痛みや違和感を引き起こしている原因を突き止めましょう。

考えられる原因【1】足や肉球のケガ

足や肉球をケガをしている可能性があります。浮かせている足に外傷がないかを確認してみましょう。爪が割れて痛がっているといった可能性も考えられるので、傷や血の跡がない箇所も注意深く観察してみてください。

考えられる原因【2】足の捻挫または骨折

前足や後ろ足を浮かせている場合は、捻挫や骨折も疑ってみましょう。外傷がないにもかかわらず、立ち上がるのが困難だったり、止まっている間も足を浮かせているようであれば注意が必要です。

足腰の弱い高齢犬や子犬は、成犬に比べて捻挫や骨折を引き起こしやすいです。 腫れがある場合もあります。気付いたら出来るだけ早めに受診をしましょう。

考えられる原因【3】痛がらない場合は足のしびれなど生理的なものの可能性も

長時間座った状態から立ち上がった際に、足がしびれてしまっているという可能性も考えられます。高齢の筋力の低下したり、運動能力の低下してきている犬の場合は、病気でなくてもふらついたり、足を上げるなどの場合もあります。一時的に足の血行が悪くなっているだけなので、痛がることもありません。
この場合、時間が経つとおさまるでしょう。

犬が前足や後ろ足を浮かせている場合に考えられる病気3つ

犬 足 浮かせる

続いて、犬が足を浮かせて歩いている場合に考えられる病気について解説していきます。病気である場合、目だった外傷が無く、見た目では気づき辛い状態であることがほとんどです。

ここで紹介する症状や原因に当てはまるようであれば、自分で治療しようとせず、動物病院への受診をおすすめします。

考えられる病気【1】犬の膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)とは、犬の後ろ足の膝にあるお皿が脱臼してしまう病気です。小型犬に多く見られる病気で、放置しておくと骨が変形してしまい、正常な歩行ができなくなってしまいます。

発症原因として、生まれつき膝関節まわりの筋肉や骨に形成異常がある先天性。または、高い場所から落下した際などに発症する後天性のものがあります。

犬の膝蓋骨脱臼の予防法

犬の膝に負担がかからないように、フローリングにはマットを敷くようにしましょう。また、飛び降りの衝撃による発症を防ぐためにも、高低差を生むような障害物は取り除くようにしてください。 肥満なども原因の一つになり得ます。気をつけましょう。

考えられる病気【2】犬の関節炎

関節炎とは、足の関節に炎症が起き、痛みを引き起こす病気です。発症する原因としては以下のようなものが挙げられています。

これらの原因などにより、関節で炎症が起こります。普段の動いていない状態では痛みを感じたり、異常を感じることが少ない場合もあり、歩いたりジャンプをしたり体重の負荷をかけたときに痛みが生じることも多いです。

  • 肥満
  • 加齢
  • 外傷
  • 過剰な免疫反応によるもの

犬の関節炎の予防法

栄養バランスのとれた食事と適度な運動を心がけ、犬の肥満を防いであげましょう。高齢犬の場合は、関節に負担がかかるような激しい運動や、段差の上り下りを避けるようにしてください。 関節液を補充してくれるようなサプリメントの使用も良いかもしれません。

考えられる病気【3】犬の前十字靭帯断裂

前十字靭帯断裂とは、後ろ足の膝関節の裏にある前十字靭帯が切れてしまい、痛みを引き起こす病気です。

断裂の度合いにより痛みの強さも変わるため、犬が足をたまに浮かせる程度の軽度な症状から、常に足を浮かせるような重度の症状まであります。

主な発症原因は、強度の高い運動や交通事故によってかかる強い衝撃による急性型と、普段の運動により小さな損傷が蓄積し、時間をかけて断裂してしまう慢性型の2つです。

犬の前十字靭帯断裂の予防法

急性型の場合は、強度の高い運動を避けることが大切です。また、強度の高い運動をした後は、しっかり休ませてあげるようにしましょう。

慢性型の場合、前十字靭帯断裂を完全に予防することは難しいでしょう。遺伝や加齢など、様々な要因が発症原因になりえるからです。

普段から心がけることとしては、体重増加による膝への負担を減らすためにも、バランスの良い食事と適度な運動で、肥満の予防をしてあげましょう。

犬が前足や後ろ足を浮かせている場合に必要な対処法

犬 足 浮かせる

犬が足を浮かせている場合にできる対処法は、基本的に安静のみです。一時的に散歩を控え、足への負担を減らしてあげるようにしましょう。

時間が経っても回復しない場合や、痛みが出ているようであれば、動物病院へ連れて行くようにしてください。

膝に悪い環境を改善する

安静にしているときでも、犬は立って歩きたがることがあります。犬の足に負担がかからないように、フローリングにマットを敷いたり、段差のある場所を無くすようにしましょう。

無闇に犬の足を触らないように

足に痛みが出ている場合、触ろうとした際に噛まれる危険があります。したがって、犬の足を無理に触らないようにしましょう。

病気の場合は早期発見が大切

犬 足 浮かせる

犬が足を浮かせて歩いている場合、ただの足のしびれや、癖という可能性もありえます。異常性がある症状なのかどうかをしっかり見極めましょう。

1日ほど経過を観察しても治らない場合や、痛みがでているようであれば、骨折や病気を疑いましょう。その際は、動物病院で適切に処置してもらうようにしてください。

もし病気の場合でも、早期に発見することで治療による回復効果が高まります。普段から愛犬の行動に気を配り、いち早く異常に気づけるように心がけましょう。

  • 更新日:

    2021.03.08

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。