magazine

健康管理 / 病気
鉛筆アイコン

2021.03.11

【獣医師監修】犬が「痰がからむ咳」をしている場合の原因と対処法まとめ

人間でもちょっとした咳が重大な病気のサインであることがあります。これは犬も同様です。「何かおかしい。痰がからむような咳をしている」飼い主さんはそう感じて不安になっていると思いますが、その直感は正しいケースが多いです。

本記事では、犬が痰がからむような咳をしている場合の、原因と対処法についてまとめてご紹介します。愛犬のためにすぐに行動できるように日頃から知識を蓄えておきましょう。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:山口ヨシカズ)

犬が「痰がからむ咳」をしているときに考えられる病気

犬 痰がからむ

犬が痰が絡んだような咳をしている場合、どのような病気の可能性が考えられるのでしょうか?

1.気管支炎

免疫力の低下や若齢や高齢などの犬に起こりやすい病気です。若齢の犬の咳はケネルコフともいわれ、犬の風邪としても有名です。悪化とともに痰のからむような咳へと変化をし、肺炎までも波及してしまうことがあります。

2.肺炎

原因は様々で、細菌やウイルスなどの感染症、誤飲、誤飲、アレルギー、刺激性のあるガスや煙の吸引などが挙げられると言われています。進行すると呼吸困難となり、死に至る場合もあります。疑わしい場合は速やかな受診をおすすめします。

3.鼻炎

原因は様々ですが、免疫力の低下や歯肉炎などの細菌感染などにより炎症が起こります。悪化すると粘液状の鼻汁が排出され、鼻腔から気管へと炎症が波及する場合もあります。痰や鼻汁を出そうとするため咳やくしゃみをする様子が見られるでしょう。原因によっては慢性化してしまうこともあります。原因を検査により追求する必要があります。

犬が「痰がからむ咳」をする原因と予防法

犬 痰がからむ

犬が痰がからむ咳をするようになる原因は何かあるのでしょうか?考えられる原因を予防法と合わせてご紹介します。

1.有毒な煙やガスの吸いすぎ

タバコや自動車の排気ガスなど有毒な煙やガスを吸い込みすぎると呼吸器疾患の原因になります。予防法としては家族にタバコを吸う人がいる場合は禁煙を勧めましょう。また、車がたくさん通る国道などには連れて行かず、静かなコースを散歩するように改めてください。

加えて、喫煙所や野焼きなどをしている場所には近づかないようにしましょう。ハウスダストや強い香水も悪化のきっかけになることもあるので、家の清掃や換気などとあわせて気を付けてみるとよいでしょう。

2.誤飲などによる物理的な傷など

誤飲や固い食べ物を食べたことによって喉に傷が付くと、そこから炎症を起こして呼吸器疾患の原因になることがあります。誤飲の原因となる物を家の中に置かないとともに、特に高齢犬には柔らかい食べ物を食べさせるなど配慮が必要です。

3.寄生虫やウイルス、アレルギー

ジステンパーやフィアリアなどの感染症や様々なアレルゲンによるアレルギーによって好酸球が活性化し、呼吸器症状の原因になります。感染症の予防としては毎年の予防接種を欠かさないことです。お薬でも予防できますので獣医師の指示に従ってください。

4.原因が不明な場合

肺や気管支の病気の中にははっきりと原因がわからないものもあります。原因不明で特発的に炎症が起こる場合もあります。特に呼吸器は早期発見し早期治療に進むことが一命をとりとめることもあります。小さな変化にも気付けるよう、普段から犬の様子がおかしくないか注意しておきましょう。

犬が「痰がからむ咳」をしたときの対処法

犬 痰がからむ

犬が咳をした場合は注意深く状態を観察してください。そのうえで、以下の条件に応じて対処するようにしましょう。

咳が1回だけ、あるいは咳の後は元気にしている場合

経過観察レベルとなります。今後悪化する可能性がありますので油断しないようにしましょう。咳をしている様子を動画などに撮っておくと診察時にどんな様子かを見せることができて、よりスムーズに診察が進む場合があります。

咳が頻繁に出る・咳が長い時間出る・鼻水やくしゃみも出る・熱がある

何らかの病気が疑われますので、早期に動物病院へ連れて行きましょう。行きつけの病院がお休みの場合は近隣の別の病院を探して行きましょう。

呼吸を苦しそうにしている・呼吸の仕方がおかしい

非常に危険な状態なので、今すぐに急いで病院に連れて行ってください。夜間や休日の場合は救急センターに連れて行きましょう。

犬の「痰がからむ咳」は重大な病気のサインかも

犬 痰がからむ

呼吸困難などの重篤な症状が出ている場合はすぐに病院につれていきましょう。また、熱や鼻水などの症状の場合も病院に連れて行ってください。痰がからむ咳の場合は呼吸器系の病気が考えられます。持病として呼吸器疾患を持つ犬や呼吸器症状が出やすい犬は有害な物質やハウスダストなどにも気を付けるようにしましょう。

  • 更新日:

    2021.03.11

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。