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2021.03.29

犬に大豆(生)を与えてはいけない理由って?誤って食べてしまった場合の対処法

豆類の中でもたんぱく質の含有量が多く「畑の肉」とも呼ばれる大豆。大豆は豆腐や味噌、納豆、煮豆、きな粉なさまざまな食品に加工され、私たちの日々の食生活に利用されています。料理好きな人は生の大豆から調理することもあるかと思いますが、生の大豆は犬にとって危険な食材であることをご存知でしょうか。
ここでは、犬に生の大豆を与えてはいけない理由や与えてしまった場合の対処法、考えられる症状についてご紹介します。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

犬に生の大豆を与えてはいけない

犬 豆

大豆は犬に与えることのできる食材の一つではありますが、与える際にはしっかり加熱したり、消化しやすいよう細かく刻んだりペースト状にする必要があります。生の状態で犬に与えることはおすすめできません。
与えることができる状態に加工した場合であっても与えすぎには注意し、与えた後しばらくは愛犬の体調に異常が現れないか観察しましょう。

犬に大豆(生)を与えてはいけない理由

犬 豆

犬に大豆(生)を与えてはいけない主な理由は、犬にとって有害な成分が含まれていることやアレルギーの可能性、消化不良を起こしやすいということです。

毒性の高い成分が含まれている

大豆に含まれる「トリプシン・インヒビター」という成分は、膵臓から出るたんぱく質の分解酵素「トリプシン」の働きを阻害してしまうため、犬は消化不良を起こしてしまいます。
トリプシンインヒビターは熱に弱いので、加熱処理をすれば成分が分解され、有害性は消えます。

アレルギーの可能性

犬の食物アレルギーは、食べ物や食品添加物への過敏な反応が原因で起こり、さまざまな皮膚症状や消化器症状を起こす病気です。大豆、トウモロコシ、小麦などの穀類、肉類、卵、乳製品、などは食物アレルギーの原因になりやすい食材です。食物アレルギーの体質をもつ犬は、ほこりやダニ、花粉などその他のアレルゲンにも反応しやすい傾向にあります。

消化不良を起こしやすい

犬はもともと肉食動物から雑食へと進化した動物であるため、大豆のような植物性たんぱく質の消化吸収は得意ではありません。そのため、消化不良を起こしたり、大豆がそのまま便の中にでてくることも考えられます。

犬に大豆(生)を与えてしまった場合の対処法

犬 豆

もし愛犬に生の大豆を与えてしまった場合には、次のように対処しましょう。

犬の様子を観察する

食べた量がごく少量だった場合などは、動物病院ですぐに治療する必要が無いと判断されることもあるかもしれません。その場合は自宅で様子を見ることになりますが、食物アレルギーの症状などは時間がたってから様子に変化が現れることもあるので、しばらくは愛犬に異常が現れないかよく観察しましょう。

動物病院に相談する

まずはかかりつけの動物病院に連絡を取り、指示を仰ぎましょう。その際、生の大豆をいつ、どのくらいの量食べたのかを明確に伝え、食べた後に何らかの症状が現れた場合にはその旨を伝えましょう。

犬が大豆(生)を食べた場合に考えられる症状

犬 豆

犬が生の大豆を食べた場合の危険度は、食べた量や犬のサイズ、体質などによって異なります。生の大豆を食べた場合に起こり得る症状には次のようなものが挙げられます。

消化不良

生の大豆を食べた場合に最も考えられる症状が消化不良です。原因は先述したように単純に大豆が消化しにくい食材であるため消化不良を起こしたり、食物アレルギーによって起こる場合、有害な成分「トリプシンインヒビター」の影響によるものが考えられます。
犬が消化不良を起こすと下痢や軟便、嘔吐、食欲低下などの症状が見られます。

お腹が張る

大豆にはオリゴ糖が多く含まれていますが、このオリゴ糖は犬の腸から吸収されにくいため、摂取すると腸内ガスが発生しやすくなります。するとガスによってお腹が張る鼓腸(こちょう)になり、お腹が張って苦しくなったり、ゲップが出たり、おならがたくさん出ることがあります。

皮膚のかゆみ

大豆に対してアレルギーをもつ犬は、大豆を食べた後に口の周りや目の周り、耳、脇の下、内股、指の間などがかゆくなることがあります。
軽度で一時的なものであれば、大豆を与えることを中止すれば症状が落ち着くこともありますが、症状が重い場合は強いかゆみを生じて皮膚を傷つけてしまったり、脱毛したり、二次的に感染を起こして化膿してしまうこともあります。ひどくなる前に、動物病院に相談しましょう。

犬に生の大豆は与えないで

犬 豆

いかがでしたか?キッチンで生の大豆を調理しているとき、愛犬が興味をもって近づいてくることがあるかもしれませんが、決して与えないように注意しましょう。飼い主さんが与えようと思わなくても、留守中にいたずらしてしまう可能性もあるので、生の大豆に限らず愛犬にとって危険なものは届かない場所に保管してくださいね。

  • 更新日:

    2021.03.29

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。