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食べもの

2021.03.22

犬に牡蠣を与えてはいけない理由!誤って食べてしまった場合の対処法

冬に旬を迎える牡蠣。生牡蠣はつるっとして喉ごしがよく、ポン酢やレモンで食べるとたまらなく美味しいですよね。身が乳白色で牛乳と同じように栄養豊富なことから「海のミルク」とも呼ばれる牡蠣ですが、犬にとって生の牡蠣は要注意の食材です。
ここでは、犬に牡蠣を与えてはいけない理由や与えてしまった場合の対処法、食べた場合に考えられる症状についてご紹介します。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

犬に牡蠣は与えないほうがいい

犬 牡蠣

犬に牡蠣は絶対に与えてはいけない食材、というわけではありませんが、牡蠣を食べることには消化不良やアレルギーなどのリスクがあります。
特に生の牡蠣を犬に与えた場合には、命に関わる重篤な症状が現れることもあるので、犬にはおすすめできない食材です。

犬に牡蠣がおすすめできない理由

犬 牡蠣

犬に牡蠣を与えることには、次のようなリスクを伴います。

ビタミンB1欠乏症(生で与えた場合)

生の牡蠣やイカ・タコ・エビなどの魚介類には、チアミナーゼというビタミンB1を分解する酵素が含まれています。このチアミナーゼを多く摂取するとビタミンB1が壊され、ビタミンB1(チアミン)欠乏症になってしまう恐れがあります。
人や猫などの哺乳動物も発症することがあり、かつで国民病のひとつといわれた脚気(かっけ)は、ビタミンB1欠乏によって起こることが知られています。

アレルギー

犬の体質によっては、牡蠣を摂取することでアレルギーを起こすことがあります。特に、過去にエビやカニなどで甲殻類アレルギーを起こしたことのある子は要注意です。

消化不良

犬は魚介類などの海産物を消化する酵素をあまり持っていないため、牡蠣を食べることで消化不良を起こすことがあります。

犬に牡蠣を与える際の注意点

犬 牡蠣

犬に牡蠣を与えることはおすすめできませんが、食欲が無いときなど、どうしても与えたい場合には次のようなことに注意して与えましょう。

十分に加熱する

先述したとおり、生の牡蠣を与えるとビタミンB1欠乏症になってしまう恐れがあります。煮る、焼く、蒸す、など様々な調理方法があるので、しっかりと加熱調理してから与えるようにしましょう。

細かく切る

犬の身体は牡蠣を消化することが苦手なので、そのままの形で与えることはおすすめできません。少しでも消化を助けるために、牡蠣は加熱した上で細かく刻んだり、フードプロセッサーなどでペースト状にしてから与えましょう。

様子を見ながら少量ずつ与える

牡蠣を十分に加熱し、消化しやすい形状にしたと場合であったとしても、体質に合わなければ何らかの異常が現れる可能性があります。特に初めて牡蠣を与える場合は少量に留め、下痢や嘔吐などの症状が無いか観察し、異変を感じたら与えることを中止しましょう。

犬に牡蠣を与えてしまった場合の対処法

犬 牡蠣

犬に牡蠣を与えてしまった場合の対処法をご紹介します。

加熱した牡蠣を与えた場合

十分に加熱した牡蠣を少量食べた程度であれば、問題にはならないことが多いようです。ただし、与えた後に下痢や嘔吐、身体を痒がるなどの症状が現れた場合には、動物病院に相談することをおすすめします。

生の牡蠣を与えてしまった場合

生の牡蠣を食べてしまった場合は、深刻な症状が現れる可能性があります。まずは獣医師に連絡を取り、指示を仰げましょう。その際、何時に、どのくらいの量の生牡蠣を食べてしまったのか、食べた後の犬はどのような様子かをきちんと伝えるようにしましょう。情報を正確に伝えることで、スムーズに処置を受けることができます。

犬が牡蠣を食べた場合に考えられる症状

犬 牡蠣

犬が牡蠣を食べた場合に起こり得る症状には、次のようなものがあります。

よだれや歩行障害、けいれん(生で与えた場合)

生の牡蠣を食べてビタミンB1欠乏症になると、食欲低下や疲れやすくなる、よだれが多くなる症状が見られ、その後は運動機能障害やけいれん発作、昏睡といった重い症状に繋がることもあります。最悪の場合は死に至ることもあるので、これらの症状がみられた場合には早急に糖物病院で治療を受ける必要があります。

下痢や嘔吐

下痢や軟便、嘔吐などの症状は、単純な消化不良によって起こることもあれば、食物アレルギーの症状の一つとして現れる場合もあります。悪化すると血便になったり、脱水症状を起こすこともあるので、ひどくなる前に対処しましょう。

身体を痒がる

犬が食物アレルギーを起こした場合、代表的な症状が皮膚のかゆみです。顔や耳の内側、目の周り、口周り、股の内側などが赤くなったり、脱毛することも見られます。犬はかゆい部分を掻いたり噛んだりして悪化させてしまうこともあるため、早めに気付いてあげることが大切です。

犬に生牡蠣は与えないで!

犬 牡蠣

いかがでしたか?栄養たっぷりの牡蠣ではありますが、犬に与えるにはリスクが伴います。特に生牡蠣は、ビタミンB1欠乏症になりけいれんなどの神経症状を起こす危険性も考えられるので、絶対に与えないようにしましょう。
もし、加熱した牡蠣を少しだけ与えたいという場合は、消化しやすくいよう刻んだりペースト状にし、与えた後も愛犬に異常が現れないかよく観察してくださいね。

  • 更新日:

    2021.03.22

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。