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自分の背中を噛んでいる犬
食べもの

2021.03.15

【獣医師監修】犬も食べ物が原因でアレルギーを発症する?症状や治療方法を解説

犬も人間と同じように、特定の食べ物が原因でアレルギーを発症する場合があります。犬の食物アレルギーは、犬種・年齢を問わず発症するリスクがあるので、愛犬の様子がおかしいと感じるようであれば、早めに対処することが大切です。この記事では、犬がアレルギーの原因になりやすい代表的な食べ物、食物アレルギーの症状、治療方法、食事管理の注意点などについて解説します。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子)

アレルギーの原因になりやすい食べ物とは?

色とりどりの食べ物

安心・安全なペットフードを展開している、ペットライン株式会社の調査によると、約4割の犬が食べ物が原因によるアレルギー、もしくは食物アレルギーの予備軍であるという結果が出ています。では、どのような食べ物がアレルギーの原因(アレルゲン)になりやすいのでしょうか?頭に入れておきましょう。

アレルギーの原因になりやすい代表的な食べ物

犬の食物アレルギーの原因になりやすい代表的な食べ物は、以下が挙げられます。

  • 鶏肉
  • 牛肉
  • 鶏卵
  • 牛乳
  • 小麦
  • トウモロコシ
  • 大豆

本来、上記の食べ物は犬にとって無害ですが、食べ物に含まれる分子が大きいタンパク質に対して免疫システムが過剰に反応することで、アレルギーが引き起こされます。

食物アレルギーは、1歳未満の犬に発症するケースが多い傾向にあります。とはいえ、どの犬種・年齢でも引き起こるリスクがあるので、疑わしいと感じた際は、アレルギー検査をしてみるようにしましょう。

アレルギーの検査方法

食物アレルギーには、体内に侵入したアレルゲンから体を守る働きをするアレルギー抗体IgEの反応によるものと、リンパ球の反応によるものとがあります。主にリンパ球反応によるものが約7割を占めていますが、IgE検査とリンパ球反応検査の両方をすることが多い傾向にあります。

どちらの検査も血液を用いて調べるので、必要な処置は採血のみです。リンパ球反応検査では、アレルゲンとなっている食べ物を特定できることから、愛犬にとっての最適なフードを選んであげられます。

アレルギー検査費用の目安

  • アレルゲン特異的IgE検査:約10,000円(税抜)
  • リンパ球反応検査:約15,000円(税抜)

犬の食物アレルギーの症状・治療方法は?

かゆいところを足で掻く犬

ここでは、犬の食物アレルギーの症状と治療方法について見ていきます。

主な症状

食物アレルギーの主な症状としては、以下が挙げられます。

  • 強い痒み
  • 皮膚の赤み
  • 脱毛
  • 慢性的な下痢や嘔吐

症状は目や口、耳の周りのほか、脇の下、内股、指の間などの皮膚が重なる部分、背中や肛門周囲などいろいろな部分に現れます。強い痒みを伴うことから、執拗に足で身体を掻いたり、指の間を噛んだり舐めたりします。

治療方法

食物アレルギーを根本的に治すことはできません。しかし、アレルギー検査で特定したアレルゲンの食べ物が含まれていないフードを与えていくことで症状が改善されます。

症状がひどい場合は、抗ヒスタミン薬やステロイド剤を一時的に使用することもありますが、食物アレルギーによる皮膚炎に長期にステロイド剤を使用すると感染誘起など副作用が起きる可能性があるため、基本的には食事療法になります。

食物アレルギーにおける愛犬の食事管理の注意点

飼い主さんが愛犬に餌をあげている

愛犬に食物アレルギーが発症していることが分かったら、アレルギー原因となる食べ物を与えない他、以下の食事管理の注意点を頭に入れておきましょう。

人間の食べ物を与えない

愛犬が食物アレルギーであった場合、食事療法により症状が改善して安定していても、アレルゲンである食べ物を摂取してしまうと、症状が再発してしまいます。人間の食べ物にアレルゲンとなるものが含まれている可能性があるので、安易に与えないようにしましょう。

獣医師が選んだ療法食を与え続ける

食物アレルギー用の療法食は、低アレルゲン食材を使用しているだけでなく、消化性がよい加水分解タンパク質を使用し、免疫反応を抑制するように配慮されています。加えて、アレルギー症状を抑えながらも、必要な栄養が摂取できるように設計されています。

このように特別な栄養設計になっている療法食は、獣医師の指導のもとで与えるフードなので、自己判断で別の療法食に切り替えたり、与えるのをやめたりすると症状が再発しかねません。必ず獣医師の指示に従って与えるようにしましょう。

アレルゲンの食べ物を特定しよう

元気に笑うコーギー犬

犬が食物アレルギーを発症すると、皮膚炎や慢性的な下痢、嘔吐といった症状が見られます。そのため疑わしい場合は、アレルギー検査をすることをおすすめします。検査によってアレルゲンの食べ物を特定できれば、その食べ物が含まれていないフードを与えることで、愛犬の症状を緩和・改善してあげることが可能です。愛犬の様子が何かおかしいと感じたら、早めに対処するようにしましょう。

  • 更新日:

    2021.03.15

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。