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海辺を走るゴールデンレトリーバー
健康管理 / 病気

2021.03.12

君たちは私の太陽〜海辺でゴールデンレトリバーと暮らす日々〜

愛犬の鍼灸体験記|ゴールデンレトリーバーのシニア期にできるケア

元気に見えても何かと体調にトラブルを抱えていることが多いのがゴールデンレトリバー。ましてや、9歳という世間的にはシニア期に入ると病気はしていなくても、「あれ?なんかいつもと違う?」と思うことはありませんか?昨年9月に9歳の誕生日を迎えたディロン。元気印がトレードマークだったディロンも「ちょっといつもと違う」そんな症状が見られるようになってきました。そこで通い始めたのが「鍼灸治療」です。

西村 百合子/ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士

犬に鍼灸は効くの?

ゴールデンレトリバー ディロンの鍼灸 ブログ

西洋医学はトラブルのある部位にピンポイントで処置をする対処療法であるのに対し、東洋医学では体全体のバランスを見て怪我や病気の原因を探り、自然治癒力を高め病気になりにくい体に整えていきます。東洋医学と聞くと、漢方や薬膳を思い浮かべがちですが、鍼灸もまた東洋医学の典型的な治療法です。

肩が痛い、腰が痛い時などに鍼灸を利用されている方も多いのではないでしょうか?鍼灸治療を受けると、体が軽くなった気がしませんか?鍼灸は、ツボを刺激し滞っている「血」「気」「水」を流してくれるもの。特に薬を使うわけではない鍼灸ですが、実は犬にも効果があるのです。

鍼灸の効果を実感したアンディ

アスリート系ゴールデンだったアンディが、12歳になったばかりのある日、前足を引きずり首を上下して歩くようになったのです。関節のトラブルだと思い、関節の専門医がいる病院へ連れて行くも、レントゲン、血液検査ともに異常なし。そこで、ある獣医師から紹介されたのが鍼灸でした。

その先生は、どうぶつ病院の院長を引退し、人間のはり師・きゅう師両方の国家資格を持つ正式な鍼灸師。大型犬を治療するのは初めてという先生でしたが、週に1回2ヶ月ほど通ううちに、アンディの足はなんと完治しました。

ディロン、足引きずってない?

鍼灸の効果を実感として知っていましたが、アンディの治療はもう数年も前のこと。元気いっぱいのディロンには必要ないものと思っていたのです。ところが、ある日ボールを取りに行って戻ってくるディロンの歩様がなんとなくおかしいことに気がつきました。

動画を撮ってよく見ると右の前足が変なのです。歩くとカクンカクンとし、ちょっと痛そう。子犬の頃に、前足を亜脱臼しているディロン。この時と同じ右足の不調だったため、加齢とともに古傷が痛むのかも、と考え様子を見ていました。

やっぱり変。鍼に行こう!犬の鍼灸治療の流れ

1週間ほどディロンの様子を見ていましたが、ちょっと走るとやっぱり足を引きずります。そこで、アンディの時にお世話になった先生を訪ねることにしました。犬の鍼灸治療ではどのようなことが行われるのか詳しくご紹介していきますね。

犬の鍼灸治療|1.脈診

脈診をされるゴールデンレトリバー

私が信頼する鍼灸の先生は、ただ鍼やお灸をするだけではありません。人間の治療と同じ手順で、時間をかけて施術してくれます。まずは、後ろ足の付け根で脈を測り、体のどの部分に不調があるのかを診断します。

初日に指摘されたのが「ちょっと肝が弱っている」。そうです。この時、ディロンはステロイドを服用した直後だったため、血液検査で肝臓の数値が少しだけ上がっていたのです。この診断には、正直ビックリしました。

犬の鍼灸治療|2.鍼

鍼を打たれるゴールデンレトリバー

脈診が終わると、背骨に沿ってツボを探りながら鍼を打っていきます。もともと腎が弱いディロン。なんと、腎のツボに鍼を打つと飛び上がったではありませんか。これにもビックリです。

「今日は、腎のツボは避けておこうね」先生はそう言って、全身のツボと足に鍼を打ちました。この鍼は、犬のサイズによって太さや長さが異なるとのこと。初めて鍼を打つディロンには、小型犬用の細い針で刺激を少なくしてくれました。

犬の鍼灸治療|3.灸頭鍼

鍼灸治療を受けるゴールデンレトリバー

犬の鍼灸治療を行っているこの病院では、「灸頭鍼」という手法を用いています。この方法は、鍼の上部にもぐさをつけて火をつけるスタイル。鍼治療の効果と燃えるもぐさからの輻射熱でじんわりと温める温灸効果の高い治療法です。通常は、灸頭鍼を行うと体がポカポカ温まって気持ちよくなり鼻水が出るとのこと。

確かに、アンディはポタポタと乾いた鼻水を出していました。が、ディロンは緊張から身体中が固まっている状態で、鼻水どころではありません。立ったり座ったり、診察台の上を動き回るため、先生から「見せおやつ」で待てをされる始末。

犬の鍼灸治療|4.電子鍼

電子鍼の治療を受けるゴールデンレトリバー

灸頭鍼が終わると、次は電子鍼で痛みのある肩や足を中心に全身に施術していきます。先生によると、ちょっとピリッとする刺激があるそうで、ディロンはよく我慢しているそうです。

犬の鍼灸治療|5.レーザー治療

レーザー治療を受けるゴールデンレトリバー

電子鍼が終わると、低周波レーザーで鍼を打った後に残ったコリをほぐし、筋肉を柔らかくします。この低周波レーザーは、慢性の痛みに効果があるそうです。

犬の鍼灸治療|6.指圧&ストレッチ

指圧&ストレッチをされるゴールデンレトリバー

鍼灸治療の最後は、見ているこちらが気持ち良さそうと思える先生の指圧とストレッチで仕上げです。至れり尽くせりとしか言いようがありません。

2か月の通院でディロンも完治!

元気に走るゴールデンレトリバー・ディロン

初めの1か月は週に1回、次は2週に1回、このフルコースとも言える治療をしてもらったディロンは、すっかり元気になり思いっきり走れるようになりました。捻挫や亜脱臼などの不調は動物病院ではレントゲンに現れないため、「問題ありません」と帰されてしまいます。それでも、不調が見える時は鍼灸治療を試してみてください。単なる足の不調なのか、もっと大きな病気がどこかに隠れているのかも鍼灸治療ではわかります。そのためには、国家資格を持つ先生を選ぶことが大切。最近では、残念ながら犬の鍼灸と言って国家資格を持たずに治療する獣医師も増え、問題となっていると聞きます。鍼灸を選ぶときには、国家資格を持っているかどうか是非確認してみてくださいね。

  • 更新日:

    2021.03.12

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ライター・専門家プロフィール
  • 西村 百合子
  • ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士
  • ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。 現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。