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2021.03.10

小説|雨野さん家のたねとまめ|vol12

雨野さん家のたねとまめ|まめとまめよりちっちゃいの

吾輩はたねである。リビングで駆け回ってる黒いのはまめ。……と小さなすずめ。昼過ぎに家に侵入して来た奴である。

#たねとまめ

篠目 春行/アマチュア小説家、シナリオライター

この記事は、猫の「たね」と犬の「まめ」の暮らしを描いた、アマチュア小説家による創作物語の連載第12話です。

侵入者すずめ

ひかりちゃんが公園に行ったのと入れ違いに、空を飛びながらこいつは玄関から家の中に入り込んだ。

そして今にも食べられそうなくらいまめに詰め寄られてる。

けれど、すずめは肝が据わっているのか、まめの鼻先が目の前にあるってのに床をひょこひょこ跳ね回って飛びもしない。普通だったら即逃げ出すような絵面だと思うけど、飛び回ったすずめが家を荒らすのもそれはそれで迷惑だから助かるとも言える。

まめは興味津々にすずめの匂いを嗅いでいる。まだちびっこのまめは庭までしか外に出たことがない。だから、すずめをこんな近くで見るのは初めてなのである。

すずめが逃げ出さないのをいいことに、好き勝手近寄るまめ。朝からまめの遊び相手にされたたねはくたくたなので、まめとすずめのことなんて気にせず寝たいところだけど、いくら大人しいすずめとはいえ、そんなに近寄ったら鼻っ面を突かれないかちょっぴり気になったりする。

『べ、別に心配しているとかじゃないんだからね!痛い思いしたまめが騒ぎ出したりしたら面倒なだけなんだから!』

そんなに近寄ったら…

「ふんふん」

まめの鼻先がすずめの体にくっつくかくっつかないかの距離まで近寄ると、大人しかったすずめも流石に空中に飛び上がった。

ばたばたと羽ばたくすずめを見て、まめは大きく飛び上がる。そのまま駆け出してたねの後ろに隠れてから、飛んでるすずめに対して何回も吠え始めた。

二次災害

「わん!わんわん!」

威勢はいいけど、たねの後ろに隠れてるからちょっとかっこ悪い上に、ものすごくうるさい。たねがうるさいって睨んでも、すずめに気を取られたまめはお構いなしだ。

飛び回ってテーブルの上に降り立ったすずめ、それに向かって吠え続けるまめ。元から結構短気なたね。

うるささに耐えられず、次の瞬間、たねはまめのことを思い切り威嚇した。

たねもちょっとは丸くなった

「ふしゃーーー!!」

たねの威嚇にまめはまた飛び跳ねる。たねの後ろから大慌てで走り出して、今度はソファーの影に入り込んだ。

そして、物陰からこっちを見てくる。

…騒ぐ奴が悪いんだもん。たね悪くないもん。

でもそう思いながらも、まんまるの目をうるうるさせてこっちを見るまめを見るとなんとなーく罪悪感に駆られて、後で優しくしようと思うたねなのであった。

……あれ、そういえばすずめは?

  • 更新日:

    2021.03.10

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ライター・専門家プロフィール
  • 篠目 春行
  • アマチュア小説家、シナリオライター
  • 柔らかな文体での創作物語を中心に活動しています。 飼い主だけでなく他の動物と交流する犬の可愛さを、私の文章で色んな人にお伝えできたら嬉しいです。